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「薬物報道ガイドラインを作ろう!」荻上チキ×松本俊彦×上岡陽江×田中紀子【音声配信&書き起こし】▼1月17日(火)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」平日22時~)

荻上チキ・Session-22

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TBSラジオ『荻上チキ・Session-22』(平日22時~生放送)
新世代の評論家・荻上チキがお送りする発信型ニュース番組。

Main Session 

「薬物問題の改善のために ~ みんなで作ろう“薬物報道ガイドライン”」

昨年、芸能人やスポーツ選手などの薬物問題についての報道が相次ぎました。しかし、なかには依存症へ偏見や誤解を助長したり、違法薬物への興味を煽ってしまったりと、薬物問題の改善とは逆ベクトルになってしまっているものも少なくありません。しかし、薬物報道に関しては現在、WHOの「自殺報道ガイドライン」のようなものがありません。そこで今回「Session-22」では、パーソナリティ・荻上チキの案を叩き台に、薬物や依存症問題の専門家、当事者、そしてリスナーの皆さんと一緒に「薬物報道ガイドライン」の案を作ってみることにしました。このガイドライン案が、今後の薬物報道のあり方を考えるきっかけになることを期待したいと思います。

<薬物報道ガイドライン(番組での議論を加味して修正したバージョン1.1)>

【望ましいこと】
▼薬物依存症の当事者、治療中の患者、支援者およびその家族や子供などが、報道から強い影響を受けることを意識すること
▼依存症については、逮捕される犯罪という印象だけでなく、医療機関や相談機関を利用することで回復可能な病気であるという事実を伝えること
▼相談窓口を紹介し、警察や病院以外の「出口」が複数あることを伝えること
▼友人・知人・家族がまず専門機関に相談することが重要であることを強調すること
▼「犯罪からの更生」という文脈だけでなく、「病気からの回復」という文脈で取り扱うこと
▼薬物依存症に詳しい専門家の意見を取り上げること
▼依存症の危険性、および回復という道を伝えるため、回復した当事者の発言を紹介すること
▼依存症の背景には、貧困や虐待など、社会的な問題が根深く関わっていることを伝えること

【避けるべきこと】
▼「白い粉」や「注射器」といったイメージカットを用いないこと
▼薬物への興味を煽る結果になるような報道を行わないこと
▼「人間やめますか」のように、依存症患者の人格を否定するような表現は用いないこと
▼薬物依存症であることが発覚したからと言って、その者の雇用を奪うような行為をメディアが率先して行わないこと
▼逮捕された著名人が薬物依存に陥った理由を憶測し、転落や堕落の結果薬物を使用したという取り上げ方をしないこと
▼「がっかりした」「反省してほしい」といった街録・関係者談話などを使わないこと
▼ヘリを飛ばして車を追う、家族を追いまわす、回復途上にある当事者を隠し撮りするなどの過剰報道を行わないこと
▼「薬物使用疑惑」をスクープとして取り扱わないこと
▼家族の支えで回復するかのような、美談に仕立て上げないこと

===

※以下、「薬物報道ガイドライン」作成にあたって番組内の議論の全文書き起こしです。

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番組パーソナリティの荻上チキ

荻上:ここからはメインセッション。今夜のテーマはこちらです。

南部:薬物問題の改善のために。「みんなで作ろう、薬物報道ガイドライン」

荻上:昨年は、芸能人やスポーツ選手などの薬物問題についての報道が相次ぎました。しかし、メディアによる一連の薬物報道の中には、依存症への差別や誤解を助長したり、中にはむしろ薬物そのものへの興味を煽ってしまったりする結果になったりと、薬物問題の解決とは違う方向に行っているような報道というのも少なからずあるわけです。

「Session-22」ではこれまでもたびたび薬物問題を取り上げてきましたし、薬物以外にも様々な依存症問題も取り上げてきました。また、そのたびに薬物報道の問題、依存症報道の問題ということで、メディアの課題については常々検討してきました。

薬物報道に関しては、各局共に、自殺報道であるとか、あるいは実名にするか、匿名にするかであるとか、そうした様々な他のテーマのガイドラインほどはしっかりとまだまだ議論が進んでないような印象を持っています。
そうした状況の中で、今夜の番組では、まず私が叩き台をつくりまして、その叩き台をベースにして専門家の方、当事者の方、そしてリスナーのみなさんと一緒に、薬物報道のガイドラインはどのようなものがあったらいいのか、ということを議論していきたいと思います。

そして、単にガイドラインを作るだけではなくて、ガイドラインに埋め込んだ理念。それをしっかりと社会に浸透させていくためには、どんな議論をこれから進めていくべきなのか、話し合っていければと思います。

南部:そのチキさんの叩き台ですけれども、Session-22の番組HPで見ることができますので、ご覧になりながらぜひ番組に参加していただければと思います。

荻上:内容は改めてまたのちほど番組でも説明致します。

南部:では、今夜のゲストをご紹介します。まず、国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦さんです。よろしくおねがいいたします。

松本:よろしくお願いします。

南部:続いて、ダルク女性ハウス代表の上岡陽江さんです。よろしくお願いします。

上岡:どうぞよろしくお願いします。

南部:そして、ギャンブル依存症問題を考える会代表の田中紀子さんです。よろしくお願いします。

田中:よろしくお願いします。

荻上:さてこれまで、この番組で様々な依存症問題について扱ってきたんですが、そのたびに報道が問題だという指摘がありました。昨年末に松本さんにゲストでお越しいただいた際にも、やはり薬物依存症に関する報道が問題である、そしてそのことがなかなか共有されない。その一方で、報道のガイドラインがちゃんと作られてないという話をしましたね。

松本:はい、そうです。

荻上:そこで「じゃあ、一緒に作りましょうか」ということになり、松本さんと話をして、今日までにメールなどでいろいろ議論を続けてきたわけです。あらためて松本さんから見て、依存症はいろいろありますけれども、特に薬物依存症に関する報道についてはどのようにお感じになっていますか?

松本:どうしても、糾弾する、あるいは晒し者にする、というイメージが非常に強い気がします。薬物依存症というのはれっきとした精神疾患というか、医学的な疾患なんですが、報道のたびに白い粉とか注射器とかのイメージ映像が出る。実は依存症の人はそれを目にすると、すごく欲求を思い出してしまうんですね。だから、著名人が逮捕されてそのような報道が激化するたびに、自分が見ている患者さんたちが、再び薬物を使用してしまうなんてことが続発していて。回復しようと思って頑張っている人の足を、報道が引っ張ってるんじゃないか?そんな印象をずっと持っています。

荻上:なるほど。また、たとえば薬物の抑止ということで、いろいろ社会的なメッセージがポスターや啓発事業で発信されている一方で、報道繰り返されることによって、むしろ薬物への興味関心をそそるような場合もあるということですよね。

松本:はい。特に薬物に関心を持つ子たち、早くから手を出す子たちは、かなり小さいときから「消えたい」「いなくなりたい」「ゆっくり死にたい」と思ってるんですよ。だから危険だっていうふうにいわれると、かえって「あ、これで死ねるんだ」っていうふうに関心を持ってしまう。逆効果があるんだっていうことも知ってほしいと思います。

荻上:いま、危険だって話もありましたけども、上岡さん。やっぱり例えば、危険ドラッグっていうネーミングもそれでよかったのかという議論も本来は必要なわけですよね。

上岡:そうなんですよね。危険ドラッグっていうと、普通の方は危ないなと思うかもしれないんですけれども、子供の頃に危機的な状況に置かれていた子が、「危険であるものを使ったら早く死ねるんじゃないか」と思ったという話は、私の知っている女性のメンバーたちもよく話しています。

荻上:薬物の危険性を煽る報道が、逆に興味をそそるであるとか、依存症になりがちな方々にとって、ひとつの出口のように見えてしまうということもあるわけですよね。加えて依存症の当事者が逮捕されていく様だとか、釈放された様が繰り返し報じられて、それに対してコメンテーターがワイワイ言ったりフラッシュがパシャパシャたかれているその姿。これを見ることでもやっぱり依存症当事者たちが、「自分は社会的に本当に忌み嫌われているんだ」というふうに思ってしまうということもありますよね。

松本:そうですね。本当に頑張って、本当によく頑張ってる方たちが罪悪感をそのたびに抱き、自分を責め、ますます社会参加に消極的になっていく姿を本当に私も心療内科で目の当たりにしています。

荻上:なるほど。実際にいろいろな薬物報道、問題・課題があると思うんですが、田中さんはどうお感じになってますか?

田中:私はやっぱり、様々な報道に煽られることで、依存症患者がやり直す機会を失ってしまうことは、社会の大きな損失じゃないかな、と思っています。

荻上:なるほど、「薬物依存症患者は叩かれるべき存在だ」と打ち出す一方で、社会に復帰してしっかりと回復しながら居場所を作っていく、ということをむしろ妨げているようなニュアンスすら伝わってしまうということになるわけですよね。

田中:はい。

荻上:このあたりはやっぱり上岡さんも同じような懸念を抱いているということでしょうか?

上岡:はい。私、薬物依存症の施設を運営して26年になるんですよね。それで、いままで男性も女性も含めてずっと回復支援をしてきたんですけれども。昔よりは確かにいろんな窓口が増えたんですが、薬物報道を見ていると、本当に回復に向かっていって、継続していけるような形にはなっていないなと、この頃思います。私たちは真剣に取り組んできたので。でも、もしかしたらば、依存症の人が人間であるということを、きちんと伝える機会をもっと持つべきだったんじゃないか?っていうふうに少しそれは反省しています。

荻上:うーん。

上岡:なぜなら、薬物依存症の家族の方たちはもっと大変だからです。本人は治療に繋がるけど、家族はもっともっと孤立させられるからなんですね。それは私はすごく反省しているんです。ただ、私自身が薬物依存症だったので、人間じゃないって教わってきていますから。自分の口から「私、人間ですよ」ってことが言いづらかったってことがあります。

荻上:「人間やめますか」っていわれていた時代ですもんね。

上岡:だから、私たちあの頃、そのときに17、8の男のメンバーたちと、「オレたち人間じゃないんだって」「「じゃあなんだろう?」みたいな話をしたことがあります。彼らは社会から落ちていたわけだから、それでより一層落ちてったっていう感じですよね。

荻上:だからそれこそ「ダメ、ゼッタイ」っていうあのフレーズに関しても、先日この番組で田代まさしさんも指摘しましたが、よりダメを押されているというか。もう自分のことダメだと思っている人に向けて、さら薬物を使ったお前はダメなんだってメッセージが押されている気がする。だから治療とか、他の人に相談しようとか、より言いづらくなっていると、そうした指摘はされていましたよね。

上岡:他の国よりも、治療に繋がるのは9年ぐらい遅いという事実は、どこらへんを変えたらいいんだろうかっていうのを、みなさんにお聞きしたいです。

荻上:9年遅れているというのは、依存症当事者になってから、治療に繋がるまでの平均年数が他の国よりも時間がかかる?

上岡:9年ぐらいかかるんです。

一同:うーん。

荻上:それだけオープンにしにくい社会を作っているというわけですね。

上岡:そうです。

松本:病院に来る人たちもそうですね。もう、使い始めてから10数年経ってから来ますもんね。途中で行こうと思っても怖くて行けない。

南部:怖くて。

上岡:他の国はもっと早く治療に来ていますね。

南部:繋がるんですね。

上岡:繋がるんです。

荻上:犯罪という側面ばかりがクローズアップされる一方で、治療・回復・病気といった観点からの取り上げがあまりに少ない。

松本:少ないですね。

荻上:また、「ダメ。ゼッタイ。」などの啓発モノが、事前に予防しようということで強烈なメッセージを出していると思うんですが、それが逆効果だったり、窓口につなげる役割を果たしていない、ということがあるわけですね。

松本:そうですね。

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国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦さん

荻上:そうした中で、田中さんは「依存症報道について考えるネットワーク」というものでも活動されていて、数多くの薬物報道を見てこられたと思うんですが、この番組では具体的な事例を出していただいても大丈夫ですので、ぜひ気になった事例などありましたら教えていただけますか。

田中:まず、日本テレビの人気のある午後のワイドショーで、本人の承諾なくテレビで生電話の会話を公開したり、著作物を本人の許可なく放送してしまったというのが挙げられると思います。

荻上:はい。

田中:そのほかにも、プロ野球の元選手が逮捕されたときには、TBSの情報バラエティで「日本はすごく薬物依存に甘い」とか、「更生のことを今すぐ語るのはおかしい」とか、「野球界から追放するべき」だとか、そのようなコメントがタレントさんから出たりですね。あと、フジテレビの情報バラエティでは有名な大物タレントさんが、元選手が他の番組で「自分はやっていない」「薬は使用してない」と言ったと。依存症者がそういう嘘をつくというのは症状の一つであるんですけれども、それに対して「覚せい剤をやったことよりも、こうやって騙したことが大きな罪だ」というような発言があったり。

荻上:はい。

田中:また、テレビ朝日の朝のワイドショーでは、元野球選手の売人を知る人物にインタビューということで、「どのくらいの量を買っていた?」という質問に対して、「値段にして50万円ぐらいで、見返りに車をあげたりしていた」とか、まことしやかに。「金に糸目をつけずに買っていた」とか、「まさにそれは依存症だ」みたいなコメントがされていて、確認も取れない話を流すっていうのはどういうことかな、と思っておりました。

荻上:昨年の目立った事例をあげるだけでも、このような報道が繰り返されているということになるわけですよね。上岡さん、このようなケースについてはどうお感じになりますか?

上岡:私たちは施設をやっているので、そういった大きな事件があると、必ず各報道機関から連絡があります。突然「インタビューさせてくれ」とかですね。それから「いるか?」と。

南部:いるか?

上岡:「Aさんはそこにいるか?」「入寮していたか?」みたいな。

荻上:あー

上岡:私たちはきちんと、行政からお金をもらって運営している施設なので、私たちの施設の中に誰がいるか、誰が相談したかとか、基本的にそれは答えられないんですよ、守秘義務があるので。でも、まったく残念ながらすべての報道機関が一斉に電話してきます。そして「インタビューさせてくれ」っていうことを言います。それは断ると、全国にある私たちの施設のすべて、津々浦々に電話していって、つかまるところで騙すような形で入ってきて、最終的にその方がいたかどうか、ということだけを流されたこともあります。昨年は本当に酷かったです。

荻上:騙すっていうのは?

上岡:要するに、去年話題になっていた方と似たような問題を取材したいということで入ってきました。

荻上:「依存症問題を取り上げたいんだ」という形でアプローチしてきたんですね?

上岡:はい、そういう形でアプローチしてきて、取材はされたんですけど、その取材は放送されず、その方がいたかどうかについてスタッフが発言したところだけが放送されたんです。

荻上:うーん。

上岡:それは雑談の中の発言でした。去年は、これは新聞も全てそうでしたが、雑談あるいは取材が終わったあとに聞かれた部分が使われる、ということが多かったんです。

荻上:うーん。

上岡:ただ、私たちは施設なんで、そういうことが起きると利用者を守れないし、利用者の家族を守れないし。回復の支援が一番大切なわけだし。そこが全部壊されちゃう、っていう感じになるんですね。去年東京のダルクでは、その話をみんなでしました、ずいぶん。取材に対してどう対応すべきなのか、どうしたら守れるのかっていうことを。去年は本当に悩まされました。

荻上:騙して取材して使ったというケースは複数ですか?

上岡:それは1つでした。

荻上:ただ、協力したけれども意に沿わないというところは他にもあるという感じですね?

上岡:はい、あります。その方がいたかどうか、というところだけを流す。でもそれは私たちには絶対できないところなんです。言えないんです。

荻上:だけどやっぱり薬物問題について、メディアを通じていろいろな理解が広がってほしいと思って取材協力をしたら、むしろ偏見を助長することに利用されたってなると、スタッフの方々、そこにいらっしゃる当事者の方々、みんなもうガックリですよね。

上岡:はい。それが流されたときにびっくりしました。

南部:いや、そうでしょう。

荻上:それだけニーズがあるんだ、という風にメディアが思っていたりとか、「そういう報道するものなんだ」と思っていたりとか、というところが根深いですよね。

上岡:はい。そうなんです。NHKとかでもそうなので。「今日取材させてくれ」「今日インタビューさせてくれ」というようなことをいわれて。

荻上:ええ、ええ。

上岡:でもそれはまあ、私たち、施設なので(笑)。するべきことは別にあるわけですよね。

荻上:ええ、ええ。

上岡:それに、すごく危険です。

南部:危険?

上岡:やっぱり、薬物依存症の方たちは、私は特に女性の施設をやっていて、自殺率が高い人たちなわけですよね。松本先生もその専門家でいらっしゃるけれども。それで、そういうギリギリの方たちが、薬物を使うことで生き延びていることもあるので、それを止めるための施設は静かに。その方たちがそこで安心してプログラム受けられるよう保証したいというふうに思っているんですが。今回はすべてのメディアがそうだったので、私たちは本当にがっかりしています。

荻上:先ほど、田中さんにいくつか番組の実例を挙げていただいたんですが、僕もいくつか気になる事例を挙げさせていただくと。1つは、歌手の方が昨年、もう釈放されたにも関わらず「釈放されていまはどこに?」みたいなことを延々とワイドショーが取り上げていたんですね。僕がたまたま見たのはフジテレビの番組でしたけれども、しかし他の局も釈放されたシーンと、その後の動きを取り上げていたように記憶しています。それから、だいぶ前に同じく歌手の方が逮捕された際には、放送局が「その歌手の楽曲を流さないようにしよう」ということにしたりだとか。

松本:そうですね。

荻上:あるいは昨年は俳優の方が、スクープという形で取り上げられて、芸能界を去る形になった際に、やっぱりたとえば「出演している番組が放送できない」であるとか。あるいは疑惑の段階でスクープをして追い込むことが、どこまでの正当性を持つのかと。まだ犯罪として立件されていないのに、「立件までカウントダウン」みたいな報道をするところもあって。

松本:そうですね。

荻上:ますますみんなで「追い込め!」ということが助長される一方で、回復への道を社会で共有していくことからは遠ざかっていきますよね。

松本:遠ざかっていきますね。本当にますます回復が難しくなるし、治療を受けることもままならないような状態。さらに治療を受けている多くの人が、自分たちはこんなにも社会から嫌がられていると痛感し、治療を頑張る気力さえも削がれてしまうっていうのはありますね。

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「ダルク女性ハウス」代表の上岡陽江さん

荻上:実はこの問題について調べていくと、BPO=放送倫理・番組向上機構が、2009年の段階で各局に対してある要望書を送っているんです。「青少年の影響を考慮した薬物問題報道についての要望」というペーパーがありまして。

2009年といえば、ある女優で歌手の方が、薬物問題で非常に大きくクローズアップされたりしたんですね。そうした状況の中で、やっぱり薬物報道が過激化していく。それに対してBPOが各局に申し入れをしているんです「実際の報道が青少年に薬物への興味を惹起させるような表現がないよう、慎重な配慮を要望する」であるとか。それから、「薬物使用者の社会復帰への支援が必要なことなど、様々な社会問題を総合的に解決しないかぎり、薬物の根絶という課題は解決することはできません。だから、各放送局は犯罪を犯した個人に焦点をあてるだけでなく、その背景や影響を含めて多角的に報道してほしい」というふうに言ってるわけですよ。このBPOのメッセージ、これ自体は非常に真っ当なことを言っているような。

松本:そうですね。僕らも賛同できるようなことが非常に的確に書かれていると思います。

荻上:しかし、8年前に出されたにも関わらず、まだ各局の報道というものが、あまり変わっていないどころか・・・

松本:エスカレートしている感じはありますね。

荻上:やっぱり数字になる、金になる、あるいは反応がいい、ネタになる。何かそうしたところが多いのでしょうかね。

松本:そうですね。

荻上:番組のツイッターのTLでも「昔よりワイドショー的な番組自体が増えた気がする」というリスナーの指摘があったりして、言及される機会が増えたということもあるのかなという感じがしますね。このBPOの申し入れについては、上岡さんはどうお感じになりますか?

上岡:私は26年間施設をやっていて、初期の頃に取材が来て、「どこで薬を買ってるの?」と言って、取材の人が入所者を薬屋さんに連れて行って、それで、その入所者が薬物を使ってしまったということがあって。

南部:えっ?

上岡:はい、本当に。

荻上:再び薬物につなげてしまったわけですね、メディアの取材過程で。

上岡:はい、昔そういうことがありました。もうめちゃめちゃだったんです。それでダルクとしては取材を受けなかった時代もあります。でも、私たちとしては、依存者は人間で、薬物依存は回復するものなので、それを知っていただきたいということで、きちんとした取材をしてくださる方たちとは長いお付き合いをして、伝えていくというようなことを今までも丁寧にしてきたんですけども、この数年、本当にめちゃくちゃになってきたっていう感じがしていて、このままだと本当に、私たち、お母さんたちがうちのメンバーに沢山いるので、子供たちがその番組を見るわけですね。そうすると「薬物依存ってこんなに怖いの?」とか、「お母さん薬物依存だったよね?」っていうような会話がされたりとかですね。それから、アメリカなどでは、家族にアルコール依存や薬物依存などの人がいるときに、子供がそういう報道を見てスティグマ(烙印)を負うようなことが起きて、ヘタをすると思春期の子供だと家庭内暴力などを助長するので、依存症を教えるときにスティグマをいかに付けずに教えるかというようなことが、高校教師とかですね、きちんとされるように変わってきているんですけども。

荻上:レッテル貼りをしないようにということですね。

上岡:そうです、レッテル貼りをしないように。家族の中で依存症に対しての差別が起きて、その中で暴力が起きないようにという配慮と、子供が報道によって学校などで孤立しないようにということと、中には薬物を使わないと生きられないような子供もいるので、その子たちが治療に繋がりづらかったりとか、先生もおっしゃっていましたけれども、そのことで「自分はもうダメなんだ」という風に早い時期で思わないで、ということに非常に配慮している国もあります。一方で日本は、「ダメ。ゼッタイ。」というのは、とても良い一次予防だと思いますが、これだけでは駄目で、もうどうにもならない子供たちがいるので、その子供たちのためのものと二段構えにならないと、現実には依存症は減らないわけですよね。

荻上:そうした中で、やっぱりメディアの役割というのは大きい。そのメディアの報道のあり方も含めてしっかりと議論をしていく場所を作りたいということで、今回のガイドラインを作るという今夜の放送を1つのきっかけとして、広げていきたいと思いますね。

上岡:そうなんですよ。私たちも協力していただけたら本当にありがたいと心の底から思っています。

荻上:というわけで、こうした現状を踏まえて、WHOの「自殺報道ガイドライン」なども参考にしながら、薬物報道についてはどうしたらいいだろうということで、まず私、荻上がチキがたたき台の案を作りましたので、まずはその案をご紹介します。

南部:<薬物報道ガイドライン案1.0(荻上試案)> 
【すべきこと】
▼薬物依存症の当事者、治療中の患者、支援者およびその家族などが、報道から強い影響を受けることを意識すること
▼依存症については、逮捕される犯罪という印象だけでなく、医療機関等にかかることで回復可能な病気であるという事実を伝えること
▼相談機関などを紹介し、依存や警察以外の「出口」があることを伝えること
▼「犯罪からの更生」という文脈だけでなく、「病気からの回復」という文脈で取り扱うこと
▼薬物依存症に詳しい専門家の意見を取り上げること

【してはいけないこと】
▼「白い粉」や「注射器」といったイメージカットを用いない
▼「人間やめますか」のように、依存症患者にネガティブなイメージを植え付ける表現を使わない
▼薬物依存症であることが発覚したからと言って、その者の雇用を奪うような行為をメディアが率先して行わない
▼逮捕された著名人が薬物依存に陥った理由を憶測し、薬物使用が必然であったかのように取り上げないこと
▼「がっかりした」「反省してほしい」といった街録・関係者談話などを使わないこと
▼ヘリを飛ばして車を追うなどの過剰報道を行わないこと
▼「薬物使用疑惑」をスクープとして取り扱わないこと

荻上:というわけで、叩き台を作ってみました。1つだけ説明が必要かなと思うのは、「がっかりした」「反省してほしい」といった街録などを使わないで欲しい部分について、リスナーの方からも「この一文はどうしてあるんですか?」という質問が来ていたんですが、ここまでの話でも分かるように、薬物依存症の当事者はもうすでにとても自罰的な状況に置かれていて、医療機関から遠ざかりやすいような状況になっているわけですね。そうした中で、具体的、象徴的なタレントさんや有名人の方が「がっかりした」「裏切られた」といったネガティブな言葉をかけられてるシーンを見ると、そのことがそのままその当事者たちにも自分に向けられていると思ってしまう。それで、回復を妨げてしまったり、家族との関係性を悪化させたり、そして治療と繋がることから遠ざかってしまうということがあるので、このような関係者談話で追い込むことが、依存症患者全体に影響を与えているんだ、家族にも影響を与えるんだ、ということで控えた方がいい、という提案をさせていただきました。
さて、松本さん、この叩き台についていかがですか?

松本:非常に良く出来ていて、僕としてはまさにこのことをぜひ伝えたいんだ、ということが盛り込まれていますね。

荻上:何かここをこう変えたいとか、そうしたことはありますか?

松本:基本はこの文言で全く異論はないですが、もし付け加えることが出来るのであれば、例えば著名人が薬物問題で逮捕されたりとかして、その後治療施設に繋がったりとかしていますよね。

荻上:ええ。

松本:だから、回復途上にあって治療に取り組んでいる人を静かに見守ってほしいというのはあるんです。施設に潜入したりとか、病院であちこち張り込んだりとか本当にあるんですが、本人が治療を頑張るんだ、回復頑張るんだ、とうことだったら、それを静かに見守ってほしいんですね。

荻上:確かに例えば、「誰々の現在」みたいなことで盗撮するように写真を撮って、雑誌で売るみたいな手法というのは今でもありますよね。

松本:ありますよね。

荻上:そうしたものは、ぜひ避けてほしいということになるわけですね。で、ここで当事者の意見ということで、先日、田代まさしさんが上岡さんと一緒ににこの番組にご出演した際、薬物報道についてどう思うかを伺いましたので、その提案をあらためて聞きたいと思います。

===【田代まさしさんのコメント】(2016年12月13日の放送より)===

荻上:薬物依存症について無理解な報道も多かったと思うんですが、田代さんはいかがですか?

田代:ちょっと前に、有名な野球選手が騒動になったときに、僕に今までテレビに出ちゃダメって言っていたのが、テレビ出てくださいってなって。コメントくださいってなって。

荻上:NHKにも出ていらっしゃいましたね。

田代:「NHKニュース7」が一番最初だったんですけど。なんていうのかな、僕たちは薬物依存が病気だから、回復、リハビリって言葉を使っているんですけど、どうしても報道の皆さんは更生って言葉を使いたがる。更生って、人のために更生しなさいってイメージが俺にはあって。「お願いします、回復って使ってください」っていっても、「世間的には更生なんですよ」って言われちゃうので。

上岡:新聞報道でもおそらく更生って書かれていると思うんですけど、薬物依存症は病気なので、私たちは回復って言葉を使っています。

荻上:他の依存症ですと治療や回復が必要なんだ、って議論になるんですけど。

田代:最近テレビは変わってきましたよ、すぐダルクが出て「治療を早くした方がいいですよ」って言っているのに、司会者がまとめるときには「家族やファンの方たちのために一日も早い更生をお願いしたいと思います」ってまとめるじゃないですか。いやいや、今まで治療って言ってたのに、って。

荻上:クセになっているところはなかなか抜け切れないところがあるんでしょうね。

田代:そうなんですよ、そこらへんがちょっと残念かな。

===

荻上:というわけで、田代さんの話のなかでも「更生」ということだけではなく、「回復」という言葉を使って欲しいという話がありましたね。

上岡:はい

荻上:さて、このガイドライン案について田中さんはいかがですか?

田中:先ほどから上岡さんがおっしゃっているように、当事者や家族からも声を集めて、回復者が報道を見てどういう影響を受けたかということを可視化できるような仕組みが欲しいというか、そういう仕掛けを作りたいなということと。あと、家族の立場から一言申し添えるとしたら、薬物依存症の当事者や治療中の患者、その家族や支援者などは、報道から強い影響を受けるということをマスコミの皆さんにも意識していてほしい。

それから「家族の支えで回復する」というような美談に仕立てないでいただきたいというのはすごく感じています。とにかく日本人は浪花節が好きで、家族はその呪縛に縛られているんですね。で依存症者と家族が一緒にいることが必ずしも良いわけではないんですけれども、家族の愛によって回復する、みたいな誤解は解きたい。

荻上:場合によっては、家族と離れたほうが双方にとって良い場合もある。家族が理由で依存になっている場合だってあるわけですし。ということでいうと、今のご提案の中でたたき台になかったのは、家族のおかげで回復したという美談に仕立て上げるなということついて、注意としてひとつ盛り込んでもいいのかなという気がしますね。そしてリスナーの皆さんからこんな意見が来ています。

南部:ツイッターで「おおさむこさむ」さん。「依存症患者を守る視点も必要だけど、やはり何も知らない人たちへの抑止も伴ったガイドラインにしてください」

荻上:BPOが8年前に訴えていたように、そもそも興味関心を煽るような報道をやめましょう、と。これは当たり前すぎて設けていなかった部分があるんですけど、松本さん、入れていいですよね。

松本:もちろん、入れていいと思います。入れるべきだと思います。

荻上:先ほど田中さんから、回復者の声を集めるという話がありましたけど、上岡さん、今、当事者の方のヒアリングをされているんですよね?いかがでした?

上岡:昨年の一連の薬物報道を見て、状態が悪くなった人が多かったので、それでみんな一緒に回復プログラムをやっていて、でも自分たちがダメなのかなという風に思ったりとかですね、それから、今までもダメだったけど、社会に出てもあんなふうにされちゃうんだったら、ダメかなと思ったり。それから、「人間やめますか?」という言葉がキャンペーンで使われていましたが、うちのメンバーには小さい頃に激しい虐待を受けていた人がいて、その言葉を聞いて逆に、「人間やめれるんだ」ってそういう風に思ったんですね。「薬を使ったら私人間やめられるんだ。お父さんの虐待から逃げられるんだ」って。「薬で死ねるってのがわかったから、あのキャンペーンは良いキャンペーンだよ」って言ってて、衝撃を受けました。

荻上:そのような報道に触れて、実際にフラッシュバックする人もいるということですよね。リスナーからこんなメールも来ています。

南部:大島さんという方からです。「刑務所で覚せい剤の再犯防止教育に携わっております。きょうのグループで、欲求の引き金について話し合っていた際、話をしてもらったところ、テレビで白い粉、注射器が映るたびに欲求が入る話にうなずく人が多かった。そして芸能人の逮捕の報道にも気持ちがブレる、とも。本人の意識や責任で済ませずに彼女たちが社会の中でやめ続けていけるために最低限周囲がやってはいけないことをちゃんと守って欲しい。まずは何がまずいのかを知ってほしいです。きょうの放送でこのことが議論されるのは本当に貴重だと思っております。きょうのグループワークの最後に、彼女たちに私も声を上げるからね、と約束したから投稿します」

荻上:ありがとうございます。すごく現場の声だな、と感じるんですけれども、グループワークでも「あるある」として、テレビ、メディアからの刺激というのがあると。テレビは手を出すなよといいながら映す。目の前に美味しいものを差し出しながら「食べちゃダメ」といっているような、矛盾した行為をしているんだということが今のメールからもよくわかりますね。

松本:そうですね。むしろ犯罪を増やすのに頑張っているようになっている、結果的には。

荻上:リスナーから具体的に「こうしたほうがいいじゃないか」という意見を頂いていますし、専門家の方からも頂いているので後半じっくり議論していきたいと思います。

<CM>

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「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子さん

荻上:さて、ここからは様々な方の声を聴いた上で、ガイドラインをより練っていきたいと思います。今回これらの意見を伺う際、田中さんが発起人となった「依存症問題の正しい報道を求めるネットワーク」のご協力をいただいたんですが、どういった活動をされているんですか?

田中:薬物、ギャンブルなどの依存症問題に取り組む市民団体や専門家、当事者、家族などの有志の集まりなんですね。もともと活動のきっかけとなったのは、ある俳優さんが逮捕された際の報道内容について、TBSに抗議文を送ったんですね。その番組の内容が薬物依存症の治療やサポートではなく、本当に個人攻撃。それも憶測に基づくような。こんなことでこんなことを言ったに違いない、みたいな人格攻撃だったので、ひどいんじゃないかということでここにいる皆さんの協力を得て、抗議文を送りました。

荻上:TBSから反応はありましたか?

田中:すぐにご連絡いただいて、今後は専門家の見地などを必ず伝えるようにします、とのことだったんですけれども、その番組がということではなく、TBS全体では同じようなことは繰り返されているのかなとは思っています。
  
荻上:メディアへのアプローチについては後で議論したいと思いますが、同じ局の中でも、けっこう縦割り横割りが激しくて、番組ごとに、あるいは部局ごとに考え方が違うので、しっかりと番組プロデューサーや現場に伝えていくためには、各番組ごとにしっかり送っていくとか、あるいは報道なのか情報番組なのかで意識も変わってくると思いますし、そのあたりもあきらめずに続けていくという事が必要になってきますよね。特に問題になったのはコメンテーターのコメントという事ですか。

田中:そうですね。コメンテーターの方がすごく影響力のある方で、その後ネットニュースなんかでバーっと配信されたので、まるでそれが真実かのように報道されていくということを、私たちは懸念したんです。

荻上:そうしたことをきっかけに、依存問題の報道について考えてほしいということで、声を上げるために田中さんがネットワークを作られて、そうした中で「NPO全国薬物依存症者家族連絡会連合会」=通称「薬家連」の皆様からご提案をいただいているんですが、薬家連とはどういうグループなんでしょうか?

田中:薬物依存症者を抱えるご家族や家族会の支援をされている団体で、薬物依存症者の回復や社会復帰の支援をしている団体です。

荻上:家族や支援者のつながりになっているわけですね。そうした薬家連の皆さんからも今回のたたき台についてご意見をいただいたということで、田中さん、ご紹介をお願いします。

田中:はい。いただいたご意見ですが、「▼依存症を病気として伝えてほしい。▼依存症になるに至った原因にイジメや貧困 本人の生きづらさという社会問題からの歪みや元からの精神疾患があることを掘り下げてほしい。▼自宅に取材陣が押しかけて家族が通常の生活ができない。▼広く世間に公表して精神的にも追いつめるなどの二次的被害がでないようにすること。▼特に再逮捕(再発)の場合も、家族への非難(監督、愛情不足等)をしないこと。▼本人の回復だけでなく、家族やサポートする周囲の人が孤立しないで、生活を立て直すように相談できる社会資源を紹介すること」…とあります。

荻上:確かに家族が追い込まれていく部分が非常に大きそうですよね。上岡さん、先日、田代まさしさんがお越しになった際にも、「ずっと撮られていたので、妹が洗濯物を干せない」という話をされていましたよね。

田中:特にお子様への影響、学校へも行かれなくなってしまうというような問題はすごく深刻じゃないかなと思います。

荻上:つまり、「家族などを孤立させない」、「家族などに押し掛けない」、そして、「家族の支えを美談にしない」…という家族機能についての見直しということになるわけですね。それから依存症の背景としてのいじめや貧困、生きづらさといった問題、こうした問題をより取り上げてほしいということですけども、回復とは別の背景も丁寧に論じてほしいということなるわけですかね?

田中:そうですね。それは(上岡)陽江さんもおっしゃっていて…

上岡:私、薬物依存症専門のPSW(=精神保健福祉士:Psychiatric Social Worker)であると同時に、虐待専門のPSWでもあるんです。「ダルク女性ハウス」で26年間やっているんですけども、その中で一番多い相談は、性虐待の相談なんです。

南部:性虐待?

上岡:性虐待を受けている女性はたくさんいて、性暴力を受けている人たちもいる。そういう人たちが薬物を使って思春期を生き延びる。死なないために、薬物を使って生き延びるということをします。それで26年施設を運営している間に、実は私は別の肩書は、性虐待と性暴力の支援者であります。専門家であります。そんなことになるとは、夢にも思いませんでした。でも、女性の依存症の85%が虐待のサバイバーなんですよね。だから同時にそれをやっていかなきゃいけないんです。

荻上:薬物を使ったというところだけをピックアップして叩くのではなくて、そこに至るまでの、それが生き延びるための道になった背景というものを・・・

上岡:そうなんです。なおかつ、やめてからが長いんですね。薬物依存に関しては、薬物を切ったら終わりというイメージがあるかもしれないんですけど、薬物を切ってからの回復の方が私たちは長いんです。10年単位です。死なないのを支えるのが10年単位。

荻上:やめ続けるということですよね。そして生き続けると。

上岡:そうなんです。

荻上:生き続けるということは、死なないで居続けると。

上岡:そうなんです。

荻上:そうした長いスパンで支えていくことが本当は必要なんですけど、その時その時の数字や部数を気にして、短期的ないまの姿ばかりを報道するということも弊害があるということになるわけですよね。

上岡:それからいま暴力を受けている子どもにとっては、(生き続けるということは)絶望的ですよね。

荻上:いまも地獄。でも、薬物を使ったら叩かれる。出口はないじゃないかということになるわけですよね。となると、そもそも薬物依存症だけではなくて、様々な出口があるんだということも含めてしっかりとアピールするということが必要になってくるわけですよね。

上岡:ダルク女性ハウスには様々な障害のある人もたくさんいて、薬物をやめた後の生活支援もたくさんしています。これも継続的にしていかなければいけないので。

荻上:居場所づくりなども含めて、当事者がつながりやすい状況というものが必要になってくるわけですよね。

上岡:そうなんです。うちのメンバーが、あまりにも酷い報道ばかり見てきたので、ダルクが酷いところだっていう風に思っていたので、来たらびっくりしたと。全然違うところだったと。ちゃんと報道してくれたらもっと早くつながったのにと。

南部:誤解がメディアによって生じているということ?

上岡:はい。報道によって、ダルクは酷いところで、強制されて、依存症の治療自体が罰せられるものだっていうことを当事者たちはすでに思っているんですね。だから来づらい。だから、そういう風になっていたことに対して、私、すごく申し訳ないと思っているんですよ、当事者に。もっと早くすればよかったんだけど、ガイドライン作りとかね。

荻上:でもやっぱり、メディアとともに動かないといけないというところもありますので。どう動くかという話はまた後ほどしましょう。さて、ほかの専門家の方、3人にもご意見をいただいていますので、紹介していきたいと思います。

南部:まずは、筑波大学の教授で精神科医の斎藤環さんのご意見です。「▼依存症の危険性を伝えるために、回復した当事者の発言を紹介する。▼依存症の恐怖を伝えるために「容貌の変化」などを強調しすぎない。」

続いて、筑波大学准教授で精神医学がご専門の森田展彰さんのご意見です。「▼ギャンブルについても薬物とほぼ同様な指摘をガイドラインに盛り込んでもらうほうがいいと思います。▼依存症者のいる家庭に育っているこども達にも報道が影響をあたえることを意識して、もし親が依存症をもっていても、回復可能な病気であり、人格を否定するなどの間違ったメッセージを送らず、早期に発見や治療・相談をすることが大事。」

最後は、原宿カウンセリングセンター所長で、臨床心理士の信田さよ子さんのご意見です。信田さんは、チキさんのたたき台を引用して、ここをこう変えた方がいいというご指摘をいただいています。「▼医療機関にかかることで回復可能な病気であるという事実…の部分を⇒⇒医療機関や相談機関を利用することで回復可能な病気であるという事実、断薬して新しい人生を送っている人が数多く存在するという事実を伝えること。▼相談機関などを紹介し…の部分を⇒⇒相談窓口を紹介し警察や病院以外の「出口」があることを伝えること。▼付け加える形で…友人・知人・家族がまず専門機関に相談することが重要であることを強調すること。▼【してはいけないこと】の項目から、「人間やめますか」のように、依存症患者にネガティブなイメージを植え付ける表現を使わない…の部分を⇒⇒「人間やめますか」のように依存症者の人格を否定するような表現は用いない。▼薬物使用が必然であったかのように…の部分⇒⇒転落や堕落の結果、薬物使用をしたという取り上げ方をしないこと。」

荻上:斎藤さん、森田さん、信田さんありがとうございます。いろいろ、具体的な意見をいただいておりますが、まず斎藤さんと信田さんが指摘していることで重要な点は、すでに回復をした人たちの姿というものをしっかりとロールモデルとして出そうと。松本さん、これはすごく大事なことなのでは?

松本:とても大事だと思いますね。悩んでいる方たちにとっても希望になると思いますし、ご家族にとっても希望になると思います。

荻上:一方で信田さんは、医療機関だけを強調するのではなく、医療機関以外にも相談機関があるんだということも強調してほしいということでしたよね。

松本:回復のルートは複数ありますので、はい。

荻上:そして、これまで上岡さんが強調していた子どもへの影響、この点はやっぱり森田さんも指摘していただいていますね。子どもの部分は、家族の項目の中にさらに加えて一文設けてもいいのかなと思いますよね。それから斎藤環さんの指摘で、依存症の恐怖を伝えるために「容貌の変化」、「見た目がこんなに変わりました」ということを強調しすぎないでほしいということなんですけども、これはどうでしょうか?

松本:これね、本当にそんなに変わらないんですよね。よく、インターネットなんかで、ものすごい容貌の変化とかあるじゃないですか。あれ、薬物だけの問題じゃないと思うんですよ。あれは極端だなという気がするんですよね。

荻上:ありますよね。ネットで、例えば覚醒剤を使うと・・・

松本:覚醒剤使用前、使用後みたいな。

荻上:このドラッグだとこうなったみたいな。

松本:ええ。それはちょっと違いますね。

荻上:同様の意見をリスナーの方からもいただいているんですね。

南部:ラジオネームがない方ですね。「【してはいけないこと】の部分。視覚的なインパクトを重視しない。Session-22は、音声メディアだからこそと思いますが、内容がとても練られています。一方で、テレビや週刊誌は、写真や動画のインパクトに依存しすぎているように感じました。その結果、自宅の周りを取り囲んだり、タクシーの映像を横流しさせたり。刺激的な見た目の追求より、内容を練るほうに専念してほしいなと、思います。」

荻上:田代まさしさんも報道のメディアスクラムによって、ヒッチコックの『鳥』のように車が傷だらけになったって言っていましたからね。やはりあれは「画」というものを作りたい、「画」を撮りたいっていうのが前提にあって、それは「画」のインパクトで人々の関心を引きつけたいというのがあると。報道の「画の論理」と、薬物報道の「あってほしい論理」というのは真正面からぶつかるところですよね。

松本:そうですね。

荻上:そういったところにはより注意を促していければな、と思いますよね。「薬物使用が必然であったかのように」ではなくて、「転落や堕落の結果、薬物使用をしたという取り上げ方をしないこと」と信田さんが繰り返していますけど、こういった文脈での取り上げ方、田中さん、実際多いですよね。

田中:そうですよね。報道のあり方っていうのはどちらに向けるのかというのがすごく大事で、みんなのストレスの捌け口のように、叩きやすいところを叩くというんじゃなくて、社会全体の好循環を生む報道っていうのを考えていただきたいなと思います。

荻上:ほかにもリスナーの方からこんな提案をいただいています。

南部:ラジオネーム「コル」さんです。「昨年の報道では、電話やブログなどに、妄想のようなことがあることをもって、薬物に違いないというような報道が気になりました。そこで、下記のような項目の追加希望です。これは、精神疾患で苦しむ皆さんのためでもあると思います。【追記文案】起訴前の段階では、妄想・幻覚は薬物のみでなく精神疾患においても起こること、その精神疾患は、誰もがなる可能性がある事実を適切に報道すること。」

荻上:先ほどの松本さんの話と同じく、なんでもかんでも薬物だろうということで還元をせず、ほかの精神疾患などと併せて丁寧に議論をしていく必要があるというわけですね。精神疾疾患全般に関してなかなか理解が進んでいないというところがあるので、そうしたところもいろいろと盛り込んでいければと思います。なので、ガイドラインとは別に、付帯表みたいなのを付けて、事例集みたいなものを載せられればいいかなと。ガイドラインはできるだけシンプルなのがいいと思うんですけども。具体的には、ということで、解説文みたいな仕方で付け加えていけばいいかなと思いますので。どちらに盛り込むかはこれからさらに揉んでいく必要があるのかという気がしますね。

それから、ツイッターでもたくさんご意見いただいていて、番組名を挙げながら「やっぱりワイドショー的な番組が多くなっているような気がする」とか、「民放だけでなく、NHKも含めて、しっかり話し合う場所が必要じゃないのか」というような様々なご意見をいただいています。

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荻上:さて、ここまででもガイドラインがかなり揉まれたと思いますが、今夜のご意見を踏まえて、さらに練ったものをこれから発表していきたいと思うんです。ここからは、今後メディアに発信していくためにどんな方法が必要なのか考えていきたいと思います。実は今夜は普段とスタジオの雰囲気が違いまして、NHKの取材クルーの方にも来ていただいているんですよ。僕はNHKの番組に出ているので、関係者にお願いして、こういったガイドラインを作るので全局挙げて盛り上げていきたいということで、NHKにも取材に来ていただきました。それを基にいろんな議論をいろんな場所でしていきたいと。

これからどうやって広げていけばいいのか、僕からいくつかの案を出していきたいと思います。まず、このガイドラインを作れば、それで広がるというわけでは当然ないので、まずは記者会見を開かなければいけないですよね。田中さんはこれまで記者会見を開いたことはありますか?

田中:あります。カジノの法案が通った時に。

荻上:どこで会見を開きました?

田中:厚生労働省です。

荻上:今回も薬物依存症ということで厚労省が管轄ということになりそうですよね。だから場所としては厚労省の記者クラブで行いつつ、ウェブメディアなどにも来てもらって記事にしてもらったり、テレビなどで取り上げてもらうということが必要かなという感じがしますけど。まずは、そういった記者会見をするということが必要でしょうね。記者会見を設定することがまず第一。それをネット記事にしていくことがとても重要で、ネット記事を読んだ人がテレビや新聞などをウォッチしていくということも重要なので、ウェブ媒体にも呼び掛けていきたいなと思います。田中さん、こういったときにはプレスリリースを出したりしているのですか?

田中:しています。一生懸命書いて。

荻上:反応はどうですか?

田中:結構、メディアの方にすぐ反応していただいています。

荻上:プレスリリースも、記者会見をと同時に、内容もしっかり伝えていくということになるわけですよね。それから個別の記者に対してアプローチをしていくことも必要ですけども。松本さん、こういったガイドラインについての考え方、例えば医療関係者とか学会とかの機運を高めるという点ではどうでしょうか?

松本:学会の要望としてメディアに発信すると迫力が出るというか、ステータスが付くのかなと思ったりもします。

荻上:なるほど。そういった意見を取りまとめるということは、ネットワークを発信することも大事ですが、それ以上に様々な角度から専門的知見が発表されるというのが重要だということですね。上岡さんはどうお感じになりますか、発表の仕方については?

上岡:こんなことができるなんて夢のようだと思っています。だって、ずっと(薬物依存者は)人間以下だって言われてきたから。私たち人間だって言っていいのかしらと思ってしまう。

荻上:そこからなんですよね。報道が当事者の方々にどれだけ影響を与えてしまったのかというのを、上岡さんにはいま、一生懸命調べていただいているんですよね。

上岡:その時までにみんなの声を集めます。

荻上:以前、池田小事件というのがあった時に、措置入院の状態にあった容疑者が犯行に関わったという経緯が報じられたことによって、精神疾患・精神障害がある方々に対する偏見が報道によってすごく煽られたんですよね。そうした時に、精神障害の方々をサポートする団体や当事者団体が、報道が当事者にどういった影響を与えてしまったのかアンケートを取って公表をしたという経緯がありました。具体的根拠となるような点もあったりして、ここは上岡さん、当事者と一緒にそうした会見を作っていくというのが重要となりそうですよね。

上岡:そうですね。ありがとうございます。

荻上:加えて、一方的に会見をして、メディアに変われと言った時に、メディア当事者からすると上から目線で一方的に言われているという印象を持たれてしまう。きょうも局の名前と事例は挙げましたけど、避けたわけではないですが、攻撃することが目的ではないので、どの番組の誰がという形では言っていません。田中さんもおっしゃってはいませんでしたよね。番組が変わっていくことが目的なので、番組関係者を巻き込んでいく必要があるんですよね。民放を含め放送関係者が年に何回か集まって、シンポジウムをするような機会があって、「今年はいじめ報道が盛り上がったからいじめにについて考えるセクションを設けましょう」とか、そうしたことをやっていたりするので、そういう仕方で薬物問題もやってほしいなと。

松本:薬物依存症に対する啓発の良い機会になると思うんですよね。メディアの方たちに正しく理解していただければ、その発信力で多くの人たちに理解してもらえるいいチャンスなんです。

荻上:僕も「ストップいじめ!ナビ」というNPOを作っていて、「いじめ報道ガイドライン」というのを作ったんですね。その時に、単にガイドラインを作るだけではなくて、知り合いのテレビや新聞の記者、みんなに集まってもらって、勉強会を繰り返して、数値上いじめは増加しないんですよとか、いじめの実態を単に伝えるだけじゃなくて解決策を伝えてくださいとか、訴えていく。継続的に記者の方を巻き込んだ勉強会をすることで、ガイドラインを叩き台に各局で作り直していくと思うんですよ。そうしたものをどんどんやっていきたいですよね、田中さん?

田中:そうですよね。それと、いま思いついたんですけども、逆にこういった叩く報道があった中でも、これは良いことだと思うのであえて名前を挙げますけど、ビートたけしさんや爆笑問題の太田さんなどが「まず回復を考えることなんだ」というような発信をしてくださった、そういうメッセージなんかも載せられればいいかなと、協力してくださる方はいないかなと思いました。

荻上:ポジティブなコメントでサポートすると。番組の流れを変えるようなコメンテーターっていたりしますもんね。そういった方には、良い報道ということで、むしろポジティブな事例として感謝を伝えるというのがいいと思いますよね。

田中:そういった方の発言力も大きいですし、雰囲気も変わってくるんじゃないかなと思うんですよね。

荻上:確かに、メディアって叩かれ慣れているというか、叩かれすぎているので、ほめられ弱いんですよね。だから、「ありがとう」とか、「助かりました」という意見があったりすると、「じゃあ、またやろうか」みたいなところがメディアにもあったりするので、そういうポジティブなリストを作って公表してみるというのもいいかもしれません。

田中:それは是非やりたいです。

荻上:実際、番組をどう作っていいのかを悩んでいるというのもあると思いますし、担当者が変わってしまうというのもあると思うんですよね。悪意があってそういう報道をしている人たちではない気がするので、そこは変えていけそうな気がしますよね。

さて、記者会見を行ってくということもそうなんですが。やっぱりなんといっても国の薬物依存症への取り組み方や、リスナーの方や視聴者の意思なども重要で。

南部:いや、ほんとに。

荻上:このあたりも変わっていかなくちゃいけない点もあると思うんですが、松本さん、どういった点を特に国は訴えてほしいか、リスナーの方はメディアチェックの際に注意して欲しいか、いかがでしょうか。

松本:国にお願いしたいのは、もちろん我々のこういった活動を後押ししていただきたいんですけれども。相談窓口を同時に提示して、報道のたびに提示するときに、その相談機関とか支援機関がきちんと機能しているということも大事なので。そこの支援体制を現実的にもっともっと充実させる必要があるだろうというふうに思います。

荻上:まだ支援体制として非常に弱い。

松本:弱いですね。

荻上:弱いのが現状、なんですね。

松本:はい、そうだと思います。医療関係者の中でもまだ偏見をかなり強い方もいらっしゃるので。

荻上:昨年は依存症報道もいろいろあった中で、田中さんがメインで取り組んでいらっしゃいますけど、ギャンブル依存症の問題も非常に取り上げられました。これはIR法案が通るという中で、ついでのような仕方で遅れてギャンブル依存症の形が問題が議論されるようになったんですが。一応、法律の中でも、やっぱり依存症対策の議論をしていきましょうことが盛り込まれてますよね。

上岡:はい。

荻上:総合依存症対策の議論をしっかりを作っていって、見直していくということ。これはぜひとも今国会でやってほしいですよね。

田中:そうですね。ぜひお願いしたいですね。

上岡:私もそう思います。

荻上:国会を動かしていくということも必要になってくる。そしてリスナーな方々には、問題のある薬物報道があったときには、「こんなガイドラインがあるみたいですよー」みたいな形でぜひ伝えていただきたいなと。

南部:うん、うん!

荻上:このガイドラインの存在を伝えていくっていうことで支えていただけると、報道がだんだん変わっていくきっかけになるということもあるのかな、っていう感じがしますよね。

今年も、様々な依存症報道がさらに続いていくと思うんですが、例えば田代まさしさんが出て、しっかりコメントが取り上げられたりすると、やっぱり報道もちょっとずつ変わろうとしている面もいろいろあるなと。より変わるとしたら、田中さんはどういった方向に期待したいと思いますか?

田中:やっぱり回復した人たちが、再チャンス、日の当たるところで、田代さんもそうですけれども、清原さんとか、そういった方たちがまた輝いて活躍できる場を与えていただいけることじゃないかなあと思っています。

荻上:リスナーの方から、Twitterでもメールでも同じような意見、何件かいただきましたが、テレビや新聞などが薬物依存症の問題を報じるときにはテロップの片隅にでもいいので「依存症の問題について相談したい方はこちら」というような案内をしてほしいと。これ、自殺報道ガイドラインでも同じですよね。

松本:そうです、同じですよね。ぜひお願いしたいです。

荻上:そうした中では、ダルクだけではなくて、いろんな機関もあるし。ダルクに集中しすぎても、パンクしてしまう事例もあったりしているわけですよね。

上岡:そうです。

荻上:支援団体として、よりサポートしてほしいとか理解をして欲しいのはどういう点ですか?

上岡:そうですね、長い間ダルクを運営してきて、その中で、やっぱり一番、さっき松本先生もおっしゃっていましたけど、医療の方たちの協力がなかなか得られないってこともありますし。

荻上:うーん。

上岡:それからやっぱり、社会復帰でその仕事先が見つからないというようなこともありまして。

荻上:ええ、ええ。

上岡:ほんとに、その中にはきちんと付き合ってくださったり、長く治療してくださったり、手伝ってくださってる方も多いので、そういうことをしてくださる方が増えたらいいなと強く思っております。

荻上:まあ、メディアというのイメージの仕事なので、むしろそのタレントを使わない、俳優を使わないみたいな「干す」という形で、仕事を奪う傾向になってしまいますよね。でもそうした薬物依存症の方の回復っていうのがなければ、たとえば『アイアンマン』とか『アベンジャーズ』っていうのはなかったわけですよ。

松本:ええ、ええ。そうですね。

荻上:俳優のロバート・ダウニー・Jr.さんの活躍とかもなかったわけですよ、といった仕方で、いろんなその姿っていうのをしっかりと見せていく。そうしたことでより理解を促していくっていう好循環を生んでいきたいですよね。

一同:そうですよね。

荻上:さて、「薬物報道ガイドライン」なんですが、私がバージョン1.0を作りましたが。この番組の議論した結果、バージョン1.1までは進められたという気がしますので、「薬物報道ガイドライン案1.1」として改めて掲載したいと思います。

南部:はい、ホームページの方に。

荻上:このあと、このメンバー含めて、他にもいろんな専門家、当事者の方を一緒になって巻き込んでですね。それからメディアの関係者の方と勉強会をしたりとか、会見を開いたりという仕方で、継続的に活動を続けていこうと思っておりますので。

南部:番組コンセプトの「知る→わかる→動かす」の「動かす」。

荻上:折りに触れて、この番組で今後の経緯などを報告していきたいと思いますし。また、依存症問題についても幅広く取り上げていきます。なんといっても今年は法案が具体的にできるかどうかというのが一つのカギになる。そこには期待したいところもありますので、そうした問題も取り上げていきたいと思いますので、また皆さんゲストとして番組にぜひともお越しください。

一同:よろしくお願いします。

南部:今夜はスタジオに、国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦さん、ダルク女性ハウス代表の上岡陽江さん、ギャンブル依存症問題を考える会代表の田中紀子さんをお迎えしてお送りいたしました。ありがとうございました。

荻上:ありがとうございました。

松本・上岡・田中:ありがとうございました。

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