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乗って楽しい電動車いす!それが「WHILL(ウィル)」

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
1月14日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、今まで見たことのない「カッコイイ」電動車いすを開発している福岡宗明さんをお迎えしました。

スタジオ風景

福岡さんは1983年、大阪府生まれ。名古屋大学大学院で医療工学を学び、2008年にオリンパスに入社。医療機器の研究開発の仕事をしながら、大学時代の仲間たちとエンジニア団体を結成して、土曜日曜を利用して自分たちが興味を持ったものづくりをやっていました。そんな中で、「100m先のコンビニに行くのも諦める」という車いすユーザーの言葉を聞いたことがきっかけとなって、次世代型電動車いす「WHILL(ウィル)」の製作を開始。

福岡さんたちはなぜ、カッコイイ車いすを目指したのか。それは実際にユーザーの方たちに話を聞いてみると、車いすは不便だとか、疲れてしまうからということがはじめは出てくるのですが、よくよく聞いてみると、「車いすに乗っている姿を見られたくない」とか「車いすに乗るくらいならずっと家にいる方がいい」という言葉が出てきたのです。車いすの機能性を高めることが一番に求められていると思っていた福岡さんたちは、目からうろこが落ちる思いがしたといいます。だったら誰もが思わず乗りたくなるようなカッコイイ車いすを作ろう! それがWHILLの出発点となりました。医療機器の展示会ではなく東京モーターショーへの出展を決めたのも、車いすに対するイメージを大きく変える「新しい乗り物」にしたいと考えたからです。

WHILL試乗

2011年の東京モーターショーで発表した試作機は、今までになかったデザインと機能性で、大きな反響を呼びました。翌年、福岡さんはオリンパスを退職し、同じく他のメーカーを退職したエンジニア仲間たちと電動車いす開発のベンチャー企業「WHILL(ウィル)株式会社」を設立。そして2014年から次世代型電動車いす「WHILL」を日本とアメリカで販売開始。これまで日米合わせて800台売れているそうです。

スマホでも操作可能

車いすで外出したくないという人が多いのはもちろん外見のせいだけではありません。実は車いすは屋外を走るにはとても不安定な乗り物なのです。その不安定さの原因は、小さな前輪。前輪の直径が小さいため、ほんのわずかな段差に当たっただけで車いすが傾き、バランスを失いやすい。多くの人が気にも留めないわずか1~2cmの段差のために、道を大きく迂回することなったり、その道を進むことを諦めなければならないのです。また、手動車いすだと前輪がキャスターになっているものが多いのですが、キャスターはちょっとした方向転換をする際に車体が「グリッ」とずれてしまうのです。スーパーのショッピングカーゴでそういう経験があるでしょう。あの「グリッ」が、ユーザーにとってはとても不快、ストレスになっているのです。

オムニホイール

WHILLはこの車いすの最大の欠点である「前輪」を改良し、屋外走行を快適で楽しいものに変えたのです。その秘密は前輪に使われている「オムニホイール」。大小24個の小さいタイヤを組み合わせたこのタイヤは、7.5cmの段差も難なく超えることができますし、ほとんどその場で360度方向転換することも可能です。また、四輪駆動なので今までの車いすではとても走れなかったような砂利道、土の道、傾斜のきつい坂道も力強く進むことができます。電車も乗れるし、レストランにも買い物にもスムーズに行けます。しかもユーザーにとって一番大きいのは、「他人に迷惑をかけるのではないか」という心理的な負担がぐっと少ないこと。乗っていてい楽しいんです。

スタジオ風景

日本の10倍の車いすユーザーがいるといわれるアメリカでも、このWHILLは大反響。あるユーザーからは、今まで「May I help you?(お手伝いしましょうか?)」と言われてばかりだったのが、初めて「It’s Cool!(カッコイイ!)」と声をかけられ、とても気持ちよかったと言ってもらえたそうです。久米さんも実際にWHILLに乗ってスタジオ外まで走り、その楽しさを体感しました!

福岡宗明さんのご感想

福岡宗明さん

車いすのオムニホイールの機構とかすごく説明しにくい話が多かったんですけど、それを久米さんが一生懸命伝えようとしてくださったところに僕は一番感銘を受けました。それと実際にWHILLで走って、気に入っていただけて嬉しかったですし、乗った時の第一印象を伝えるためにあえて事前には乗らず本番にとっておくところはプロフェッショナルだなあと思いました。

「電動車いす」というだけで、「乗りたくない」という人が本当に多いので、その言葉の印象から変えたいと思っていまして、今、羽田空港での導入を進めているところです(羽田空港ロボット実験プロジェクト)。車いす利用者の方も、そうでない方も、誰でも空港内の移動にWHILLを使っていただいて、そういうシーンを若い人たちが目にすれば、車いすが「新しい乗り物」というイメージに変わっていくと思います。今日はありがとうございました。

2016年1月14日(土)放送「今週のスポットライト」、ゲスト:福岡宗明さんhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170114140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)