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スマホが置いてあるだけで注意散漫に!?

森本毅郎 スタンバイ!

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今日は、クルマを運転中のスマートフォンについてちょっと考えさせられるお話。「ながらスマホ」による交通事故が目立ってきて問題になっていますが、海外では、運転中のスマホを新たに制限する動きが出てきています。その一方で、とても調味深い調査結果が発表されました。そこで・・・。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日1月17日(火)は、レポーター近堂かおりが『スマホが置いてあるだけで注意散漫に!?』をテーマに取材しました!

現場にアタック(近堂かおり)

近堂かおり

まずは、日本で「ながらスマホ」の危険性についていち早く研究してきた愛知工科大学教授・小塚一宏さんにお話を伺いました。

★ながらスマホ運転、強制的に防止に?

小塚一宏さん
「アメリカもガラケーの時はあまり問題になっていなかったようなんですけど、スマホになってから社会的な課題というふうに扱いが変わったという話は聞きました。諸外国も、どこも対策に苦慮しているようです。運転中の「ながらスマホ」をやめさせるいい手立てがないということで、もう一歩進めて、少し強制的にやるかという話も出始めたのではないかと思います。」

強制的にというのは、どういうことなのでしょう。日本でも法律で禁じていますよね。日本だと3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金。もちろん反則金や減点もあります。アメリカでも州によりますが、法律で禁じているところもあります。法律は無くても、注意喚起は行われています。またイギリスも法律を厳しくしたりしていますが、やはり『ながらスマホ』は後を絶たない。そこで、運転中はスマホの操作自体をできないようにしようというのが今回の動きです。例えばアメリカの運輸省道路交通安全局は、スマホメーカーに対し、クルマの運転中はスマホが使えないように、動画を再生したりメッセージを手で入力することを無効にするなどの機能を求めるガイドラインを発表しました。またイギリスの運輸省は、運転中はインターネットやメールや電話を使えないように、スマホや携帯電話の電波をブロックする技術を導入しようと検討しています。
 ながらスマホが危ないことは分かっているのに、なかなか無くならない。それは、どのくらい危険なのかがあまり理解されていないせいもあるのでしょうか。その危険性を日本で初めて実証実験したのが先ほどの愛知工科大の小塚さん。運転中に、または歩きながら、スマホを使っている人の視野がどうなっているのか、改めて教えていただきました。

★ほとんどスマホ画面しか見ていません!

小塚一宏さん
「実験から分かることは、運転中にながらスマホをすると、左右への視線はなくなります。視線の移動は、前方を見るか画面を見るかの、2ヵ所の往復運動になります。歩きスマホの場合、左右方向でみると20分の1ぐらいに狭まってしまう。ながらスマホをすると、20分の1というよりも、もう前方か画面かですから、違った運動になっていますね、視線の動きが。もうほとんど画面だけしか見ていない。これも非常に危険です。」

視線がスマホに集中してしまうだろうというのは想像していましたが、左右の動きがなくなることが危ないのです。特に、運転中のスマホは、歩きスマホよりも目の動きがかなり制限されてしまっている。だから運転中のスマホは操作できないようにしようという動きにつながるわけですが、ここでまた、興味深い調査結果が出てきました。

★スマホが置いてあるだけで!?

人間の「注意力」、認知行動科学を研究している北海道大学の特任准教授・河原純一郎さんにお話を伺いました。

河原純一郎さん
「スマートフォンがただ置いてあるだけで頭を使う作業に影響が及ぶかどうか、注意を使う作業をした時に注意が逸らされるか、ということを調べたわけです。具体的には文字を探す課題をしてもらます。大きいコンピュータのスクリーンに20個ぐらい見分けにくいアルファベットをばらまき、その中で1個だけこの文字を探してくださいと頼みます。その時に画面の左側にスマートフォンを引っかけておきます。操作はせず、表示も何もせず、ただ置いてあるだけです。被験者はそのスマートフォンは自分のものではないということは知っているんです。そうすると文字を探す速度がだいたい20%ぐらい遅くなります。」

スマホがそばにあるだけで注意力が逸れちゃう!?びっくりしました!!しかし、そうなると、ドライバーがスマホを触っていなくても、目に見えるところにスマホがあるだけで、注意力が散漫になる可能性があるということですよね。実験した河原さんもここまで注意力に差が出るのは意外だった、とおっしゃっていました。

★インタビュー中に私が持ってるスマホ、気になる??

そこで私もちょっと実験してみました。いつも街に出てインタビューする時は、当然、マイクを片手にお話を伺っていますが、もう片方の手にスマホを持ったらどうなるか?街の方には、まず「インフルエンザ予防で何かしていますか?」と質問しておいて、そのあとで、私が持っていたスマホが気になったかどうか、伺ってみました。

60代男性
「うん、手がなんでこうやってるのかなとは頭の中で思ってました。だから注意力は確かに散漫になるでしょ。」
30代女性
「気になります。マフラー見えるような感じで、目には入ります。」
30代男性
「あんまり気にならなかったスね。メッセージとかだったら振動しちゃうので気になると思います。」
20代女性
「見ました、見ました。いや、別にいいんですけど、放置しといていいのかなと思うし、LINEの通知が見えたりとかしたら気になります。」

やっぱりみんな気になってますね!「いえ、気になりません」と言う方も、実は結構、私のスマホに視線を落としていました。先ほどの北海道大学の河原さんのお話です。

★置いてあるだけでも注意散漫になる、と覚えておいて!

河原純一郎さん
「だから、使っていなければいいでしょうとか、画面を見ていなければいいでしょうと一般に考えられがちですけど、でもこの研究が示していることは、ただ置いてあるだけでも、そこから何か情報が来るかもと期待することだけでこれぐらい、場合によっては邪魔になる可能性があるということを覚えておくことが大事なことだと思います」

スマホが置かれるシチュエーションによって影響は変わってきそうですが、興味深い結果だと思いました。
とはいえ、スマホ自体を制限する方向だけにいくのでなく、うまく付き合う方法も研究が進むといいですね。