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放送中

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  • コラム

第47回放送『静岡県南伊豆町』

コンシェルジュ沓掛博光の旅しま専科
青野川に沿って桜と菜の花の競演が目を楽しませてくれる南伊豆町の「みなみの桜と菜の花まつり」

青野川に沿って桜と菜の花の競演が目を楽しませてくれる南伊豆町の「みなみの桜と菜の花まつり」

 黒潮洗う太平洋に突き出た伊豆半島の先端、南伊豆町(みなみいずちょう)は冬でも霜が降りない温暖な土地。2月の声を聞くと早や桜が咲きだし、黄色い菜の花と春のハーモニーを奏で始める。今年は例年より早いと言われる桜の見どころと豊かに湧く温泉、旬を迎えた海の幸などを紹介しよう。

夕方6時から夜の9時まではライトアップされ、あでやかな花模様が闇の中に浮かび上がる

夕方6時から夜の9時まではライトアップされ、あでやかな花模様が闇の中に浮かび上がる

 静岡県の南伊豆町はその名の通り伊豆半島の最南端にあり、名湯下賀茂温泉が湧き、1年を通じて観光客が訪れる。これからの時期はみなみの桜と呼ぶ早咲きの河津桜が見頃を迎え、一足早い春を楽しむことができる。
 南伊豆町(みなみいずまち)観光協会では2月10日から3月10日まで「みなみの桜と菜の花まつり」を開催している。桜は主に下賀茂温泉街を流れる青野川に沿って800本ほど植えられ、1月下旬ごろからぼつぼつと咲きだし、2月中旬には見頃を迎える。上流の前原橋から下流の弓ヶ浜橋まで、2.2キロにわたってやや濃いピンクの花が咲きそろい、桜の木の下には黄色い菜の花が群生して、桜の花と合わせるようにこちらも満開になって咲き出している。ピンクとイエローの帯が川岸を染めるように咲き競う。この“花のショウ―”を楽しもうと毎年およそ22万人の観光客がやってくる。まつり期間中は夕方6時から夜の9時までライトアップされるので、昼間とは違ったあでやかな花見も楽しめる。
 このほか、2月18日には夜桜を見ながらマラソンする、みちくさ夜桜マラソンが開催され、完走した参加者には温泉入浴と伊勢海老の味噌汁に南伊豆の郷土料理などがふるまわれる。同じく2月19、26日には特産の伊勢海えび噌汁が無料で400食ふるまわれる伊勢えび味噌汁デーなど多彩なイベントが開かれる。

下賀茂温泉の入り口近くには“元気な百姓達の菜の花畑”があり、青空の下で、黄色い菜の花がいっせいに咲く

下賀茂温泉の入り口近くには“元気な百姓達の菜の花畑”があり、青空の下で、黄色い菜の花がいっせいに咲く

 この青野川の手前、温泉街の入り口には、近隣の農家の方達のボランティアによる“元気な百姓達の菜の花畑”があり、観光客を歓迎するように3ヘクタールの畑いっぱいに菜の花が咲き乱れる。2月から3月いっぱいまで楽しむことができるので、桜と一緒に見ることができる。黄色一色の畑は、明るく、眺めているだけで気分までうきうきしてくるから不思議。いかにも南伊豆らしいお花畑だ。

豊かに湧く温泉がたっぷり楽しめる町営の入浴施設、銀の湯会館の露天風呂

豊かに湧く温泉がたっぷり楽しめる町営の入浴施設、銀の湯会館の露天風呂

 下賀茂温泉は湯量が豊かで、源泉数120本のうち使用しているのは約半分の60本と豊富に湧く。町中を流れる青野川沿いに湯けむりを上げ、今の季節に訪れると湯けむりがあちこちで立ち上がるのが見られ、大分県の別府温泉のミニ版といった感じ。川沿いの源泉井戸や宿の源泉などから静かに上がる湯けむりを見ているだけでも体が暖かくなってきそう。泉質は食塩泉で、90~100度と温度も高い。そこで冬などは体の芯まで暖まり、風邪など引きにくく、冷え症、婦人病などに特に効果があるという。旅館は6軒で、民宿が70軒、このうち温泉付きが30軒ほどある。露天風呂のある宿も多く、温暖な気候のため、冬でものんびりと湯浴みを楽しむことができる。青野川にかかる湯けむり橋をわたったところには町営の温泉入浴施設、銀の湯会館があり、こちらでは日帰りで温泉が楽しめる。源泉の温度は100度、毎分150リットルの湯が豊富に湧きだし、大浴場や露天風呂に注がれている。入浴料は大人1000円。

温泉熱を利用してハウス栽培される温泉メロン。冬の時期でもご覧のように糖度の高い大きなメロンが育つ

温泉熱を利用してハウス栽培される温泉メロン。冬の時期でもご覧のように糖度の高い大きなメロンが育つ

 豊かに湧き出る高温の温泉は入浴のほか、メロンの栽培にも利用されている。“温泉メロン”の名で親しまれており、自家源泉を持ち、35年のキャリアを持つ、さとう温泉メロン園を訪ねると、7つのハウスでメロンが栽培されていた。ご主人の佐藤晴史(せいし)さんによると、メロンは昼間は30度、夜間は20~25度の温度を保つ必要があり、冬から春にかけては温泉熱で室内を暖め、1年中、メロンを栽培し、収穫しているという。ハウスの中では、1本の木に、選別されたメロンが1個だけ大きく育っており、収穫を待つばかり。この中だけは常夏の陽気である。売店には2000円~5000円の値段のついた取れたてのメロンが並べられている。この温泉メロンの特色は糖分が高く、しかも寒い時期でも鮮度のいいメロンが味わえるところにある。お土産や贈答品として人気がある。

南伊豆町特産の温泉メロンを使った扇屋製菓のメロンタルト。木で完熟したメロンをタルトにのせ、ナチュラルな香りと甘みが人気

南伊豆町特産の温泉メロンを使った扇屋製菓のメロンタルト。木で完熟したメロンをタルトにのせ、ナチュラルな香りと甘みが人気

 このメロンをスイーツに取り入れたのが温泉街の中程に店を構える扇屋製菓。和と洋の2種類のスイートを製造、販売しているが、昭和30年から親しまれているのが「メロン最中」(129円)。最中の中に温泉メロンの果汁を含んだ白あんが収まっており、その香りと甘みを一緒に楽しむ。温泉メロンの取れたてをゼリーにかぶせ、カスタードにのせたメロンタルト(432円)は南伊豆ならではのスイーツとして人気が高い。この他、メロンエキスの入った生クリームが特長のメロンロール(378円)やメロンをそのままゼリーにしたメロンゼリー(432円)も上品な味が魅力の逸品だ。花より団子ではないが、お花見と一緒に特産のメロンを使ったスイーツも楽しみたい。

休暇村南伊豆では今が旬の金目鯛を味わう「金目鯛会席」を企画。煮付けのほか、しゃぶしゃぶなど色々な料理が楽しめる

休暇村南伊豆では今が旬の金目鯛を味わう「金目鯛会席」を企画。煮付けのほか、しゃぶしゃぶなど色々な料理が楽しめる

 同じく味覚では今の時期は金目鯛がおいしい。白砂が1200mほど続く弓ヶ浜に面して立つ休暇村南伊豆では2月1日から5月15日まで「金目鯛会席」の宿泊プランを企画。
これは金目鯛の水揚げが年間でおよそ3200トンという日本一の量を誇るお隣の下田港から仕入れた鮮度のいい金目鯛をしゃぶしゃぶや煮つけなどのレシピで楽しみ、最後に金目鯛の切り身と一緒に炊き込んだ金目鯛釜飯で締める。金目鯛を堪能するプラン。料金は1泊2食で1万6240円。休暇村にも下賀茂温泉が湧き、大浴場と露天風呂で楽しむことができる。この他、白砂の弓ヶ浜を一望する屋上には足湯があり、海景を眺めながらのんびり過ごせる。

石廊崎へ行く途中にある花摘み園では、早やキンギョソウ、ストックなどが咲きだし、花摘みが楽しめる

石廊崎へ行く途中にある花摘み園では、早やキンギョソウ、ストックなどが咲きだし、花摘みが楽しめる

 早春の南伊豆では花狩りやイチゴ狩りも楽しめる。温泉街から車でおよそ15分、伊豆半島の先端の石廊崎へ向かう途中にある大瀬にある成晃園では今年87歳になる山本喜久代さんが一人でストックやキンギョソウ、キンセンカなどをハウス内や露地で栽培している。ハウスの花は1本50円で、露地は30円とリーズナブルなお値段。山本さんによると花はみなみの桜と同じように2月中旬ごろから咲きそろうという。花狩りは5月の連休までできる。イチゴ狩りは温泉街から青野川の上流に向かって車で15分ほど行ったベビーベリーファームで行っている。種類は静岡県の品種、紅ほっぺで甘みと酸味のバランスのよさが特色。30分間食べ放題で2、3月が大人2000円。5月まで行われている。南伊豆の暖かい気候が育てた美しい花や甘いイチゴは早春の旅のおみやげにいい。

問い合わせ:南伊豆町観光協会℡0558-62-0141
交通   :伊豆急下田駅下車。
      車は東名道沼津ICまたは新東名長泉沼津IC利用