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記録的な不漁でにわかに脚光あびる”代替イカ”

森本毅郎 スタンバイ!

 

日本人が良く食べる魚介類のトップ3に常にランクインしているイカが、今シーズン、記録的な不漁だとニュースになっています。それを受けて代わりになるか!?という品が出てきているそうなのです。そこで2月14日放送のTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30-8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

★水揚げ量日本一の青森・八戸漁港の悲鳴!

このイカの記録的な不漁・・・。全国一のイカの水揚げ量を誇る青森の八戸漁港は、大変な打撃なのです。八戸市水産事務所の海野公典さんにお話を伺いました。

海野公典さん
「2016年の数量がイカ全体で2万2千トンぐらい。2015年と比較すると78%の水揚げです。特にスルメイカの水揚げ量がだいぶ落ち込みまして、今、水揚げがほとんどないので、6月、7月、8月は水揚げが増える時期なのですが、専門家の話ではちょっと期待はできないということでした。現場で話を伺った方からも厳しい条件が数年続く可能性もあるという話を聞いたので、ちょっと明るい話が入ってくればいいと思うんですけど、イカが獲れないときは海外のイカを代替品として加工業者も使うんですが、ただ世界的にもイカの不漁が続いていたということで、加工会社の方も原料がなくて高く買い付けることになるので厳しいという話を聞いています。」

国産のイカの不漁は、スルメイカが孵化する東シナ海の水温が低くなっている影響で、イカが育っていないのが原因とみられているそう。八戸漁港はメインがイカなので、イカの水揚げが前年比で2~3割減った影響で、魚全体の水揚げが半分になってしまいました。漁業関係者は大打撃です。イカを塩辛などに加工する業者は海外からの輸入品に代えようと思ったのですが、去年は世界的にも不漁でイカが品薄。原料が高騰してしまい、こちらも大打撃。

イカのおつまみでおなじみの「なとり」にもお話を伺ったところ、原料高騰の影響で、去年5月に発表した2017年3月期の業績予想を30%下方修正する、と。また「桃屋」も、『いか塩辛110g』を3月から値上げすることに。各方面に影響が大きいイカの不漁。国産も輸入品も品薄ということで、今、にわかに新たな代替品に注目が集まっています。

★代替品① 沖縄の”トビイカ”!!

今まで、沖縄県で、あまり見向きもされなかったイカが急浮上しているらしいのです。糸満漁業組合の城間辰也さんにお話を伺いました。

城間辰也さん
「これは『トビイカ』です。全国から、どんななの? どれくらいの量が獲れるの? 金額はいくらなの? といった話がきています。あと、イカの大きな協会が試験操業をやったという話もありました。主にマグロ漁業をやる方がエサに使っているイカです。(普段、沖縄の方は食べているイカですか?)いや、外食で出すようなものでもないし、漁業者が浜でちょっと食べるような感じで、本当に少ないですね。まあ、漁業者にとっては新しい魚種が出てくるので、喜ぶ話じゃないかなと思います。」

『トビイカ』です。本州の南方で獲れるイカで、こちらではアカイカと呼ばれています。熱を通しても硬くならないので、主に加工食品に利用されているようですが、沖縄ではほとんど食べられていないイカ。でもこれで新しい需要が生まれれば、地元の漁師さんたちには悪くない話。ただ、代替品になるだけの量が獲れるかは未知数。期待はしたいところです。

★代替品② 金沢の”イカもどき”!!

一方、北陸にも、イカの代替品を求める人たちの熱い視線が集まっている。それは、石川県金沢市の食品開発会社『株式会社日本海藻食品研究所』。イカを使わずに、イカそっくりの食材を開発したというので、こちらも問合せが殺到。会長の白石良蔵さんにどんな食材なのかお聞きしました。

白石良蔵さん
「材料は海藻です。ジェル状にして固めるというのが技術です。まず食べても、イカ納豆とか刺身とかいろんなバリエーションがありますけど、そっくりです。揚げても、煮ても、焼いても、何しても食べられます。溶けることはありません。全部イカっぽいです。東京方面ではイカ焼きの会社から『代用品に使いたい』と電話がかかってきたり。あるいはコンビニとか。中国からも『作り方を教えてくれ』2社ほどきてます。」

海藻をイカみたいに加工???詳しいことは企業秘密なのですが、海藻と米粉を使っているそうで、海藻だけだと無色透明になるので、米粉を加えてイカの白さと弾力のある食感を再現。凝固剤代わりに水と酢も入れているんですが、その分量やバランスに最も苦慮した、とのこと。

これまでに白石さんは、海藻とか、おからを使って「鶏肉もどき」とか「牡蠣もどき」などいろいろな「もどき」を作ってきたのですが、5年前に「フグ刺もどき」に挑戦して・・・これはちょっと失敗していました。で、今回、イカの不漁というニュースを見て、フグ刺もどきを改良すればイカになるかも!?とチャレンジしてみたら、予想以上にうまくいった。

白石良蔵さん
「自分でもびっくりした!!自信作です!」

★”イカもどき”は”イカ”です!!

私もそのイカもどきを試食レポートしたかったのですが、まだ残念ながら製品がない。そこでこのイカもどきを試食したという方に(この方は鹿児島県のヒラメの加工業者でイカとは関係ないがたまたま試食のチャンスがあったそうです。)お話を伺いました。

「●見た目は本当にイカにそっくりで、本当にイカなんじゃないかと思ったんですけど、色の感じは白っぽくてなおかつ透明感のある、つやつやとした…。お皿が透けて見えるぐらい透き通ってます。食べた感じもほぼイカに負けない。弾力もあるし、イカと言ってもいいぐらいの食感でした。生臭さがないから食べやすいです。」

本当によくできているそうですよ。どんな形も作れるので、いかそうめん、イカリング、イカめしと、やろうと思えば何でもできるということです。各方面から毎日問合せで大変だそうで、これからどこか業者と手を組んで製品化に向けて動き出す予定。

いろいろ魚が減ったり増えたりするたびに、振り回されて大変な思いをしますから、「資源」としての魚をどう守るかという、根本的な課題が背後には見えますね。


 
「現場にアタック」近堂かおり)

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。

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