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ヒートショックに気をつけろ!!

森本毅郎 スタンバイ!

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冬場、お風呂などで起きる突然死=ヒートショック。寒くなると気温の差が激しく、血圧も激しく変動します。その結果、心筋梗塞や脳卒中を起こしてしまうリスクが高くなる・・・そんなヒートショックとは?「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「日本全国8時です」11月14日の放送で、医学ジャーナリスト・松井宏夫さんが解説しました。

松井宏夫

★年間1万7千人!?ヒートショックの危険

ヒートショックというと「知ってるよ」とか、「温度差に気をつければいいんだろ」と、思う方も多いかもしれません。確かに、ヒートショックについては、注意喚起する記事を目にすることも増えました。ただ、詳しいメカニズムや、具体的な予防方法などは、まだ認知不足なんです。お風呂、入浴時に亡くなる方は、2011年のデータで、年間1万7千人もいました。その多くがヒートショックではないかと見られています。

★危険なタイミングは、「3回」ある!

一番危険なのは、冬場のお風呂なんですが、入浴では、危険が3回、あるんです。お風呂に入るまで、お風呂に浸かっている時、お風呂から出た時、の3回です。

★危険①「入るまで」

まず、最初の危険、脱衣所で裸になって、お風呂に入るまでの危険です。暖房で暖かい部屋から、暖房がない寒い脱衣所へ移り、洋服を脱ぐと、冷気が肌に伝わって、血管がキュッと縮まって、血圧が一気に上昇します。

そしてそのまま熱い湯船に浸かると、お湯の熱さにびっくりして、血管がさらにキュッと縮まってしまいます。ここで、心筋梗塞や、脳卒中のリスクがあります。

冬場には、暖房の暖かい部屋と風呂場では、15〜20度、温度差がある事もあります。ある先生が、脱衣所と浴室の室温が10度、お湯の温度が41度という、冬場の一般的な条件で、血圧の変化を調べたところ・・・脱衣所で裸になると血管が縮まって、血圧は100から115へと、15も上昇。そこからお湯に浸かったところ、一気に140まで血圧が上がったそうです高血圧の人なら、これだけで、血圧の上が200を超えることもあります。

★危険②「入浴中」

そこを乗り越えても、その次、2回目の危険が、湯船に浸かっている間に襲ってきます。湯船の暖かさで、今度は、だんだん血管が緩んで、血圧が下がっていくんです。高血圧の人だと、最大200くらいまで上がっていた血圧が、一気に120くらいに低下。こうなると、脳への血の巡りが悪くなり、貧血状態=いわゆる「のぼせ」になります。その結果、湯船で意識を失うという危険が出てきます。

★危険③「入浴後」

さらに、3回目の危険は、お風呂から出た後にやってきます。湯船の中では、水圧がかかっていますが、湯船から出た途端、水圧がなくなり、血管が広がります。そうすると、湯船の中で低血圧になっていたのに、さらに低血圧になります。その結果、ひどい貧血状態になり、めまいや失神、そして転倒して、大怪我する危険がある、というわけです。

★予防は、“ぬるめ”くらいが丁度いい!?

ヒートショックの予防には、とにかく、温度の変化を緩やかにするのがポイントです。まず、お湯の温度は、40〜41度程度がいいと言われています。お風呂のお湯の温度は、体温に近いほど血圧の変化は小さくなるので、40度くらい。また、一般に、40度くらいの方が、血液が全身を巡って温まりやすいです。緊張が緩み、筋肉もほぐれ、コリが和らぐので、その意味でも40度位がいいでしょう。高齢の方の場合、熱さを感じにくくなっていることもあり、気がつくと高温のお風呂に入っていて、ヒートショックにつながる危険もあります。お風呂の温度、意識的に気を付けてください。(ただ、40度に設定しても、浸かる時には冷めていることもあるので、そのあたりの調整は工夫してください!)

★湯船以外も暖める!

また、脱衣所や、浴室を暖めることも重要です。脱衣所は小さなヒーターをおけばいいのですが、問題は浴室。暖房があればいいですが、ない場合はどうするか?リフォームもお金がかかります。その場合は、お湯の張り方や、お風呂の入り方を工夫する必要があります。

まず、お湯の張り方。お湯を張る時に、シャワーでお湯を張るのを勧める先生もいます。シャワーヘッドを高い位置に置いて、浴槽にお湯をかけるようにしてお湯を張ります。そうすると、シャワーの湯気で浴室の空間も暖められます。多少、ガス代や電気代がかかりますので、家計をにらみながら、試してみてください。この場合、シャワーの熱が空間に奪われ、お湯がさめるので、希望の温度より3度ほど、高くすると良いでしょう。40度のお風呂がいいなら、43度とか、高めのシャワーです。

★入り方にも注意!

お風呂は、いきなりお湯に入ると血圧が急上昇するので、掛け湯をしてから入ります。掛け湯の回数が多いほど、血圧の上昇が抑えられますが、通常5回程度で良いでしょう。

もう1つ、全身浸かるのではなく、みぞおちくらいまでがいいようです。いきなり全身浸かると、血管がキュッとつまり血圧が上がりますし、その後は、全身が温まりすぎて、急激に血圧が下がります。さらにお風呂から出た時、水圧が一気になくなるので、また血圧が急降下します。最初はみぞおちくらいにして、出る直前に、少し、全身浸かる、これが良いようです。

また、湯船に浸かる場合、高血圧の方は、片腕を出して入るといいそうです。お湯の中で急激に血圧が下がって意識を失っても、全身が水没することがないので、助かるケースが多くなります。

★朝のヒートショックにも注意!

お風呂に関するヒートショックは、言って見れば「夜のヒートショック」ですが、もう1つ、「朝のヒートショック」というのもあり、注意が必要です。

暖かい布団から出にくくて、「あと5分」と思いながらウトウト・・気づくと出勤時間ギリギリとなって、慌てて家を出て、駅の階段を駆け上がる。その途端に、ヒートショックとなって、胸の痛みが襲ってくる・・・心筋梗塞で倒れるケースは、このパターンも少なくないんです。

血圧は、朝、上がりやすいんです。朝、目覚ましがなって、起きなければとなると、カチっとスイッチが入ります。心が緊張し、さらに体を動かすと、交感神経の働きが活発になり、血管が収縮。そこで寒い外へ出るとますます血管がキュッとなって血圧が上がります。そして駅の階段を駆け上がったら、一気に血圧が上がってしまい危険です。眠いかもしれませんが、寒い冬でも余裕を持って起きて、体をゆっくり動かしてってください。

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20161114080000

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