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「国産」なのは「国産ワイン」?「日本ワイン」?

森本毅郎 スタンバイ!

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今日は、ワインに関する新しい法律について、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)12月1日の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材しました。

田中ひとみ

2年前にこのコーナーで、「種類が増えてきた国産ワインを区別するために『日本ワイン』という新しいカテゴリーを作る法律ができるかもしれない」という話題を取り上げましたが、今日は、ワインに関する新しい法律が始まったというお話です。

★ワインの[ラベル表示]の新ルール

どんな法律なのか、国税庁 鑑定企画室の宇都宮 仁さんのお話です。

国税庁 鑑定企画室 宇都宮 仁さん
国内におけるワインは、消費が拡大しています。特に国産ブドウからのみ作られる「日本ワイン」の中には国際コンクールで受賞するものも登場してきました。
一方、日本ワインの他に輸入ワインを原料としたものなど様々なものが流通しています。消費者の方にとって日本ワインと、それ以外のワインの違いがわかりにくいといった問題がありました。こうした状況からワイン表示ルールである「果実酒等の製法品質表示基準」
を定め、移行期間として猶予を儲けた上で、平成30年の10月30日から適用開始としています。

これまでは、原料が外国産でも「日本で製造されたもの」であれば「国産ワイン」という分類になっていましたが、これからは、下記のように表記しなければいけません。

  1. 100%国産ブドウを使用したもの…日本ワイン
  2. 原料に外国産が混ざっているもので日本で製造されたもの…国内製造ワイン
  3. 輸入ワイン…今までどおり輸入ワイン

最近では、伊勢志摩サミットのレセプションで日本ワインが登場したり、日本ワイン専門のバーが出来たり、日本ワインは注目されています。酒屋さんに行ってみるとすでに「日本ワイン」の表示があるワインが並んでいました。

森本毅郎スタンバイ!

(左)マンズ マスカット・ベーリーA 樽熟成、(右)マンズ 甲州 シュール・リー

森本毅郎スタンバイ!

裏面には…「日本ワイン」の表記がありました!

森本毅郎スタンバイ!

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去年定められたこの法律ですが、運用開始は再来年10月。ワインは何年か寝かせて売り出すものも多いため、移行期間が設けられています。

適用されれば、曖昧だった国産ワインの区別が一目でわかるようになる訳ですが、運用開始を前に、先週国税庁が発表したある調査結果が話題となっています。再び国税庁の宇都宮さんのお話です。

★「日本ワイン」の流通量はわずか3.7%…

国税庁 鑑定企画室 宇都宮 仁さん
アンケート調査を行い、先週の11月24日に「国内製造ワインの概況」を発表しました。かなり回答率も高く、実際に近い数値が得られたと考えております。
具体的には、日本市場のワインうち約7割は輸入ワイン、約3割が国内製造ワイン。そして、日本ワインは全体の流通量に対して3.7%ということが今回の調査で初めてわかりました。
森本毅郎スタンバイ!

国税庁「国内製造ワインの概況」(平成27年度調査分)

100%日本国産のブドウを使っている「日本ワイン」は、国内流通はわずか3.7%しかないことがわかりました。しかも、運用開始までに増えていくと思いきや、「ブドウを育てるのには数年かかってしまうので爆発的に増えることは考えにくい」とのことでした。
原料に外国産を混ぜることでおいしくなる場合もありますので、一概に少なすぎるから悪いとは言えないんですが、それでもちょっと残念なお話です。

では、この結果を受けて製造元はどう思っているんでしょうか。国内の酒造会社で構成されている、日本洋酒酒造組合の窪野 実さんのお話です。

★これまでワインに関する法律がなく、自主規制でやってきた

日本洋酒酒造組合 窪野 実さん
業界の中では、海外原料が使用されているということは、ある程度周知の事実でしたので、純粋な国産原料を使ったワインはそんなにないな。とイメージとしてはあったんです。ただ、法律を決める前は、自主基準ということで昭和61年、ワイン作りに関する法律がなかったので自主的に基準を定めて運営をスタートしていて30年間自主基準でやって、ここで初めての法律ができ、前向きで良いことだとは思います。

30年間自主基準でやってきて、今回が人気となっているワインに関して初めての法律。
さらに今回の法律では、日本ワインと区分された中にも、産地名や収穫地域、醸造場所などの表記ルールも細かく定められていて、この決まりが出来たことも、今後日本のワインが発展する中で非常に大事なことなんですと、窪野さんは話してくれました。

★日本ワインを世界へ…法律化は第一歩!

日本洋酒酒造組合 窪野 実さん
例えばフランスは、地域もさらに細かく区分されて表示されているので、地域性がワインの中に現れてくる。だから、「ここでのブドウで作られたワインは良い」という評価が世界的にあるんです。対して、日本のものは、基準を聞かれても今までは特徴を主張する術がなかった。今回の法律はそのルール作りをしてくれたので、割合はわずかですが、「日本ワイン」と分類されたワインの中で、消費者にも世界的にも評価されていくものにならなければなりません。

もちろん、私たち消費者がわかりやすい表示に変わるという面も大事なんですが、「どんなブドウを使ってるの?」と聞かれても、一部海外のものが入っているかも…と、明確に答えられない部分もあったんです。そこをしっかりと答えられるようになるということは、大きな一歩だということでした。

(取材・レポート:田中ひとみ)

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