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“昭和の遺物” タイプライターがまだ使われているって?!

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
12月3日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、東京・秋葉原にあるタイプライター販売・修理専門店の福永成一(ふくなが・せいいち)さんをお迎えしました。

福永成一さん

ひかり事務機は、福永さんの父・健(けん)さんが1965年、東京・秋葉原で開業。前年(1964年)に開業した新幹線にあやかって「ひかり」と名づけました。当時は秋葉原、秋葉原、新橋、丸の内といったビジネス街にタイプライターを扱う店がひしめいていたそうで、「石を投げればタイプライター店に当たる」くらいだったとか。また、東京の大井埠頭や横浜など港町にも多かったそうです。タイプライターは今のパソコンのようにオフィスの必需品で、昔はひかり事務機の技術員が修理道具を持ってオフィス街や商業施設を回ったそうです。

福永さんがこの仕事に入った1994年はすでにワープロの時代。そして21世紀に入った今ではパソコンが全盛。ところがそれでも、タイプライターの修理の相談はあとを絶たないそうです。よほどのタイプライターマニアか骨董趣味の人が来るのかと思いきや、そういう人は1割ぐらい。9割以上の圧倒的多数派は、今も仕事でタイプライターを使っている人たちなんです。

タイプライター

例えば、商社や貿易関係の仕事の人。それから特許事務所。旅行会社。外務省にも今もタイプライターが置いてあるらしいです。ほかにも宝石店や、外なところでは、図書館でもタイプライターが使われているようです。なぜか?

理由の一つは、複写伝票を使う仕事のため。今のプリンターはインクジェット式なので用紙の1枚目には文字が印刷されますが、2枚目以降の用紙には印刷されません。活字を用紙に打ち付けるタイプライターでないとだめなんですね。それからもう一つ、伝票の所定の場所に文字を打つ場合とか、宝石の値札や図書館の本の背表紙のように細かい文字を打つ場合は、タイプライターがいいんです。まっさらな白い紙に字を書いていくのはパソコンのほうがずっと便利なんですが、定型の用紙とか、細かいスペース、狭いスペースに字を簡単に狙い打ちできるという点では、タイプライターが圧倒的に優位なんです。ですから先ほど挙げたような仕事をしている方たちは「毎日は使わないんだけど、ないと困るんだよね!」と言って、ひかり事務機に相談してくるんです。タイプライターは、決して「昭和の遺物」ではないんですね。

スタジオには新旧タイプライターの銘記がずらり。タイプライターと聞いて多くの方が思い浮かべるクラシカルなタイプは、アメリカのUnderwood(アンダーウッド)社から1900年代初頭に発売された大ヒット機「No.5」。100年ものの手動式です。ひかり事務機に持ち込まれた時はサビがひどくて全然動きませんでしたが、オーバーホールしてちゃんと文字が打てるようになっています。

100年物のタイプライター

鮮やかな赤の塗装と流れるようなフォルムが美しいのはイタリアのOlivetti(オリベッティ)社が1968年に発売以来、一世を風靡した「Valentine(バレンタイン)」。これも手動式。見栄えにこだわるイタリアのメーカーらしく、どの角度から見てもカッコイイ!

イタリア製のタイプライター

そして、ひと昔前のワープロのように見えるのは日本のメーカー、ブラザーの電子式タイプライター。電子制御によって、文字のセンタリングとか、アンダーラインを引くといった修飾が簡単にできます。また、ディスプレイがあるので、誤字脱字をチェックしてから一気に印字することもできます。現在、業務で使われているタイプライターのほとんどは電子タイプライターで、ひかり事務機に修理で持ち込まれるうち9割はこのタイプ。

電子タイプライター

スタジオではみんなでタイピングの音比べ。パチパチ、カシャカシャ、というあの音がたまらない! 手動式タイプライターと電子タイプライター、それぞれ味わい深い音でした。タイピングを体験した久米さん、「タイプライターのほうが、手書き以上に『書いた!』という実感がわきますね」。

ところで、タイプライターの修理の際、試し打ちするお決まりの一文があるんです。「The quick brown fox jumps over the lazy dog」(すばしっこい茶色の狐はのろまな犬を飛び越える)」。一見なんのことやら…?? 実は文の内容にはあまり意味はないんですが、この一文35の文字の中には、アルファベット26文字すべてが使われているので、試し打ちにちょうどいいんです。この一文を打ってみて、文字がかすれていないか、斜めになっている文字はないか、文が右上がりや右下がりになっていないか、などをチェックするそうです。

福永成一さんのご感想

福永成一さん

何を言っているか途中で分からなくなっちゃうぐらい緊張しました。もう本当に舞い上がりすぎてしまいました。言いたいことが全然、言えませんでしたね。

久米さんの『ザ・ベストテン』の名シーンをテレビでずっと見てましたので、その人が目の前にいると思うと、なんで僕はここにいるんだろう?! という感じでした。また、その久米さんにつっこまれるので、うまいこと答えられなくて…。本当に舞い上がっていたんですね。

ただ、貴重な経験をさせていただいて、本当にありがとうございました。

2016年12月3日(土)放送「今週のスポットライト」、ゲスト:福永成一さんhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20161203140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)