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羽毛布団も要注意?インフルだけじゃない!鳥にまつわる病気

森本毅郎 スタンバイ!

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先最近、鳥インフルエンザが各地で猛威をふるっています。新潟県や青森県では強い毒性を示すウイルスが確認され、政府が拡大防止に動いています。きょうは、身の回りの鳥が原因の病気について。森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「日本全国8時です」12月5日の放送で、医学ジャーナリスト・松井宏夫さんが解説しました。

松井宏夫

★鳥インフルエンザの流行について

環境省は、国内感染例としては、過去最悪の感染ペースで推移していると伝えています。現在は、飼育されている鶏などを中心に広がっていて、殺処分などで封じ込めています。ただ、気になるのは、ヒトへの感染があるのかどうか。1997年に香港で鳥インフルエンザが流行したときは、感染が人間にも広がって、18人が感染し6人が死亡しています。

★今回は?

今回の鳥インフルエンザと、1997年の鳥インフルエンザではウイルスの型が違います。今回、日本で見つかっているのは、「H5N6」という型のウイルスです。1997年、香港で流行ったのは、「H5N1」という型のウイルスです。そして今回のウイルスがヒトに感染することは、きわめてまれと言われています。農林水産省も、今広がっているH5N6型については、鳥の間では広がりますが、鳥から人に感染する可能性は極めて低い、としています。国内で鶏肉や卵を食べた人が感染した例も過去ないということです。

★変異を起こす可能性がある

ただし、ウイルスは、変異を起こしますので、このままでいいわけではありません。1997年の「H5N1」というウイルスも、変異して、新型インフルエンザとなって、ヒトに感染しましました。では、なぜ、新型インフルエンザに変異するのか?主に2つの可能性が指摘されています。1つは、鳥インフルエンザが、ヒトや鳥の体内で変異して、ヒトに感染するようになる。もう1つは、ブタが通常のインフルエンザと鳥インフルエンザウイルスに同時に感染し、体内でウイルス同士が反応し、変異して、ヒトに感染するようになることです。一旦、新型インフルエンザになると、そこから爆発的に感染が広がる可能性があります。今回の「H5N6」型も、変異の可能性はゼロではありません。感染拡大を封じ込めるための殺処分と同時に、鳥に近づかないことが重要です。

★鳥にまつわるもう1つの病気

ここまで鳥インフルエンザの話でしたが、実は、鳥が影響する病気で、近年他にも、注目されている深刻な病気があります。それは、「間質性肺炎」という病気で、深刻な場合は、命に関わる病気です。

★間質性肺炎とは!?

一般的な肺炎は、細菌に感染して、肺の中の、一番内側に炎症が起きる病気です。一方、間質性肺炎の間質とは、「間」に物質の「質」と書きますが、文字通り、一番内側と、外側の間のところに起きる病気です。炎症が起きると、そこが繊維のようになって、弾力がなくなります。そして、硬くなることで酸素がうまく取り入れられなくなり、最悪、命を失います。

★はっきりしない原因

そして「原因」も異なります。ただ、近年までその理由ははっきりしていませんでした。はっきりしているのは「アスベスト」です。粉塵を長期間にわたって吸い続けることで、繊維化し、固まってしまっていました。ただ、他は、診断で「間質性肺炎が起きていますが、原因不明です」という状態でした。それが近年、間質性肺炎の1つの原因として、「鳥」が原因というものが注目されています。「鳥関連過敏性肺炎」という名前が付いています。

★鳥関連過敏性肺炎とは

鳥と言っても、こちらは鳥インフルエンザのような養鶏、鶏だけではなく、鳥全体です。鳥の羽毛や鳥のふんなどに付いている「鳥タンパク」と呼ばれる小さな物質が原因です。それが、肺に入ることでアレルギー反応が起き、間質が炎症を起し、肺炎になります。鳥全体なので、インコや文鳥など家で飼っている鳥が原因になることもありますし、駅、公園や神社にいる野鳥のハトやカラスが原因となる場合もあります。「鳥関連過敏性肺炎」になると、咳、たん、呼吸困難、微熱などの症状がでます。進行すると、先ほどの間質性肺炎となり、呼吸困難がひどくなって命の危険もあります。

★羽毛布団も原因に

鳥の羽なので、この時期、私たちが良く使う身の回りのものに反応する人もいます。それは「羽毛布団」です。間質性肺炎に詳しい東京医科歯科大学の吉澤靖之学長にも取材しましたが、鳥を飼った経験が無くても、羽毛布団の使用で、この病気になった例がありました。羽毛布団すべてが悪いわけではないですが、可能性の1つとして疑うことで、原因不明だった病気の実態に迫ることもできますので、まずは、知っておいてください。

★では対策は?

とにかく原因との接触を避けることです。生活環境にいる鳥を避けるため、まずは目の細かい、高機能のマスクをすることが大事。鳥を飼っているならそれをやめる必要があります。また、一度繊維化すると、元に戻らないので、早めにその原因を特定することも必要です。重要なのは、乾いた咳の出る時間帯です。咳ぜんそくの場合は、夜中や夜明けに咳き込みますが、間質性肺炎の場合は、咳は日中に体を動かした時に出ます。そのほか、「唇が青紫色になる」。「指の爪がスプーンを伏せておいたような形」になると間質性肺炎の可能性があります。原因が不明の肺炎で、鳥が原因かもしれない場合は、呼吸器系の医師に相談して下さい。東京医科歯科大学などで、血液検査が行われています。原因が特定された後の治療は、間質性肺炎の治療を行っていきます。

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20161205080000

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