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アメリカ大統領。歴代の就任式で歌われた曲を聞けば、当時のアメリカが分かる?

ジェーン・スー 生活は踊る

ドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ大統領に就任します。音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんが「歴代のアメリカ大統領就任式で歌われた曲」を紹介しました。

たまむすび170121

【高橋芳朗】
本日の特集は『歴代のアメリカ大統領就任式で歌われた音楽特集』。まもなくドナルド・トランプさんが第45代アメリカ大統領に就任しますね。日本時間の本日早朝には就任式典コンサートが行われていました。

【ジェーン・スー】
もうあったんだ。

【高橋芳朗】
今日は、そんな歴代のアメリカ大統領就任式典コンサートで歌われた曲を聴いていきたいと思います。まずはお疲れさまの意味も込めまして、2009年に行われましたバラク・オバマ第44代大統領の就任式典コンサートからビヨンセによる『At Last』を。この曲はリズム&ブルースの伝説的シンガー、エタ・ジェイムズの1960年のヒット曲のカバーになります。『At Last』はタイトルからもわかる通り「ようやく思いが通じた」「ようやく願いが成就した」という内容のラブソングで、アメリカだとウェディングソングの定番中の定番なんですね。で、そういう本来はラブソングである「ようやく願いが成就した」という歌詞を初の黒人大統領誕生に重ね合わせているわけです。ちなみに、オバマ大統領とミシェル夫人はこの曲にのせてファーストダンスを踊りました。

M1 At Last / Beyonce

【高橋芳朗】
続いては1993年、ビル・クリントン第42代大統領の就任式典コンサートからフリートウッド・マックの『Don’t Stop』を。1977年の大ヒット曲ですね。この曲、歌詞は「立ち止まらないで。これからやってくる明日のことを考えよう。いままでよりも素晴らしい未来がすぐそこまでやってきている」というポジティブな内容なんですけど、実はバンドメンバーが離婚したときにその心情を綴った曲になります。「気持ちを入れ替えて前向きに生きていこう」ということなんでしょうね。で、クリントン大統領はそういう曲の背景を知ってか知らずか、この『Don’t Stop』を選挙中にずっとキャンペーンソングとして使っていたんです(笑)。

【ジェーン・スー】
フフフフフ……大丈夫?

【高橋芳朗】
で、当時フリートウッド・マックはすでに解散していたんですけど、クリントン大統領はこの曲によっぽど思い入れがあるんでしょうね。バンドに頼み込んで就任式典のために一時的に再結成してもらって、彼らに『Don’t Stop』を歌ってもらったという経緯があって。コンサートのときにはクリントン大統領の家族がステージに上がるという演出があったんですけど、出演者のひとりだったマイケル・ジャクソンも再び登場して一緒にこの曲を歌っています。

M2 Don’t Stop / Fleetwood Mac

【高橋芳朗】
民主党の大統領が続いたので、バランスを取る意味でも今度は共和党から選んでみました。1989年、ジョージ・H・W・ブッシュ第41代大統領(パパ・ブッシュ)の就任式典コンサートからアニタ・ベイカーの『Giving You The Best That I Got』を。1988年の作品です。共和党の大統領のコンサートではカントリーの歌手が出演することが多いんですけど。ここでは珍しくR&Bシンガーがキャスティングされています。

【ジェーン・スー】
知らなかったなー。

【高橋芳朗】
でもそれも納得で、ジェーン・スーさんはよくご存知だと思いますが、当時のアニタ・ベイカーはもう向かうところ敵なしだったんですよね。この曲も1989年のグラミー賞でソング・オブ・ジ・イヤーとレコード・オブ・ジ・イヤーにノミネートされていたし、就任式典コンサートでも「America’s number one recording artist」と紹介されているぐらいで。で、コンサートの映像を見るとアニタ・ベイカーが歌い終わったあとにブッシュ大統領が涙を拭うような仕草をしているんですよ。当時絶頂期だった彼女の歌唱力に胸を打たれたのかもしれませんね。

M3 Giving You The Best That I Got / Anita Baker

【高橋芳朗】
最後は一気にさかのぼって1961年、ジョン・F・ケネディ第35代大統領の就任記念コンサートからナット・キング・コールの『The Surrey With The Fringe On Top』(邦題『飾りの付いた四輪馬車』)というアメリカのスタンダードソングを紹介します。ケネディ大統領の就任式典コンサートの出演者は、フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルド、ハリー・ベラフォンテ……。

【ジェーン・スー】
おー、チケット売れそうだね!

【高橋芳朗】
あとはジーン・ケリーとか、本当にそうそうたるラインナップになっています。で、ナット・キング・コールは映画『お熱いのがお好き』でおなじみの俳優トニー・カーティスの紹介でステージに上がって曲を披露しました。当時の雰囲気が少しでも伝わるように、ここではライブバージョンで聴いていただきましょう。

M3 The Surrey With The Fringe On Top (Live) / Nat King Cole

【ジェーン・スー】
こうやって歴代大統領の就任式典コンサートで歌われた曲をまとめて聴いたことってなかったんですけど、意外とその曲から当時のアメリカの調子がわかりますね。

【高橋芳朗】
あー、たしかにね。

【ジェーン・スー】
いま聴いたナット・キング・コールは「豊かなアメリカ」だよね。みんなそれに疑いをもたなかったし、アニタ・ベイカーのときもそう。フリートウッド・マックのときもやっぱり豊かなアメリカがまだ続いている感じだけど、ビヨンセのときには公民権運動に意識が向くような、若干ポリティカルなアメリカの方向、経済とはまた違う方向に向いたのかな? そして……今日でしょう?

【高橋芳朗】
日本時間の今朝に開催されたトランプ大統領の就任式典コンサートの出演者は、トビー・キース、スリー・ドアーズ・ダウン、サム&デイヴのサム・ムーア……それぞれのアーティストのファンの方には申し訳ないんですけど、正直過去の就任式典に比べるとどうしても見劣りしてしまうよね。

【ジェーン・スー】
断った人もいたんですよね、結構。まあ、エンターテインメントとはあまり相性の良い人ではないことは選挙中からわかってはいたことだけど……ねぇ、なんかザワザワしてますね。

【高橋芳朗】
何年か後に振り返ってトランプ大統領の就任式典コンサートに出演したアーティストの曲を聴いたとき、はたしてどんな気持ちになるだろうというところですね。

【ジェーン・スー】
うん、本当にそうだね。

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア(稀にかかる邦楽はディレクター選曲)。最新1週間のリストは以下です。

1/16(月)

(11:02) Waiting for Your Love / TOTO
(11:43) Sunny Hills / Bobby Caldwell
(12:17) I Gotta Try / Michael McDonald
(12:51) Atlanta Lady / Marty Balin


 

1/17(火)

(11:03) Can’t Get Enough of Your Love, Babe / Barry White
(11:43) The Feeling’s Good / Marlena Shaw
(12:17) Move Me No Mountain / Dionne Warwick
(12:51) (A Case of) Too Much Lovemakin’ / Gloria Scott


1/18(水)

(11:03) Good Lovin’ / The Young Rascals
(11:16) You Baby / The Turtles
(11:43) She / The Monkees
(12:16) Sure Gonna Miss Her / Gloria ScottGary Lewis & The Playboys
(12:51) I Can’t Let Go / The Hollies


1/19(木)

(11:04) Rudy, A Message to You / Dandy Livingstone
(11:16) Unity / Desmond Dekker & The Aces
(12:15) Only Smile / The Paragons
(12:50) Lady with The Starlight / Ken Boothe


1/20(金)

(11:02) Jupiter / Earth Wind & Fire
(11:15) I Don’t Want Nobody Else (to Dance with You) / Narada Michael Walden
(12:15) Why You Wanna See My Bad Side / Smokey Robinson