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売りたければ売るな!?自動車販売店の新戦略(現場にアタック)

森本毅郎 スタンバイ!

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忙しい朝でもニュースがわかる「森本毅郎・スタンバイ!」
(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)
7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」。本日3月10日(木)はレポーター田中ひとみが『自動車販売店の新たな戦略』を取材しました!

現場にアタックレポーター:田中ひとみ
TBSラジオキャスター。
趣味:謎解きイベント参加、宿坊

★自動車販売店の新たな戦略それは…「売りたければ売るな」!?

きょうは、車の新しい販売方法が業界全体で相次ぎ出てきたという話です。どんな販売方法なのか、ビー・エム・ダブリュー株式会社の兼頭義徳さんのお話です。

ビー・エム・ダブリュー株式会社 兼頭義徳さん
車のセールスマンはあんまりいいイメージがないんです。どうしても売りに走っちゃうと、お客さんは敏感に感じてプレッシャーを感じる。これを覆す、プレッシャーをなくすのが「BMWジーニアス」。彼らは車を売る人じゃない。「BMW」「ミニ」のブランドをいかにお客さんに伝えるか、ファンになってもらうか、それが彼らの大きな役割。

BMWでは、車を売らない「ジーニアス」というスタッフを販売店に常駐。営業活動は行わず、販売店でBMWのブランド・製品に関して、答えるだけ。現在、BMWと、MINIの全国の販売店およそ70店舗に常駐しているそうです。

BMWのジーニアス

こちらがBMWの“ジーニアス”さん

よく洋服屋さんに入ると、執拗に「これ着ませんか?」とか、「別のサイズもあります」など、すぐスタッフが近寄ってくる所がありますが、BMWの販売店でもそのイメージをなくして、とにかくBMWのファンを作ろうということで取組んでいるそうです。同じ試みとしては、マツダも今年の1月からこんなお店をオープンしました。マツダ株式会社の島村肇さんのお話です。

マツダ株式会社 島村肇さん
大阪の梅田の「スカイビルの1F」に「マツダブランドスペース大阪」がある。販売をしない。簡単に言ったらマツダブランドを見ていただきたい場所。常駐のスタッフがいるが、お客さんに対して、「営業トーク」ではなくて開発の思想、マツダの考え方を伝えていきたいなと思っています。
マツダの“売らない”販売店

マツダブランドスペース大阪

こうした「売らないお店」は、メルセデス・ベンツも先月から、六本木に「メルセデスベンツコネクション・ネクストドア」をスタート。業界全体で、急速に広がっているんです。というのも、自動車業界には古くから「販売店=しつこいセールス」というイメージがあったからだそうなんです。そこで、街の皆さんは、販売店に、どんなイメージを持っているのか聞いてみました。

★街の人は自動車販売店に拒否感・・・

ちょっと簡単に覗きに行ったときに、年度末だったか忘れましたけど「どんどん下げる」とか言われたことがありました。買う気でもあんまり来られると買うのやめようかなと・・・。買おうかなと思ってたけど・・・また別のところ見に行こうとなった。
例えば、「この値引きがあと1週間でなくなっちゃうんです」って言われて「買いませんか?」「すぐ決定してくれ」と言われたことはあります。セールストークは色々、結果買わなかったけど、新品じゃなくて中古にした。
買う意識なくてもちょっと見に行くときの雰囲気を感じてほしい 。本気で買うときは客も「本気で買う顔」しているからそれをつかんでほしい。でもちょっとだけ見たいときは「申し訳ない感じの顔」でいく。だから、セールストークしてくるとあしらっちゃいますね。

聞いてみると、みなさん「買おうと思ったけど、営業トークがすごいので買うのやめた」という人も多く、せっかくのチャンスを「がつがつ営業」で逃していることも分りました。そこで、きのう、私もその雰囲気を体験すべく、覆面調査してきました。某国産車の販売店とBMWの販売店に入店しました。国産販売店は、入るとすぐ、女性スタッフが近づき、

カタログいりますか?

と・・・。一方、BMWでは、何も言われないので、店内ぶらぶら車乗り放題で帰りました。

現場にアタック(田中ひとみ)

販売店で乗り放題の田中ひとみ

では、どうしてそこまでがつがつしてたのか、兼頭さんに再びお聞きしたところ、こんな理由が返ってきました。

★お手本はルイ・ヴィトン?

ビー・エム・ダブリュー株式会社 兼頭義徳さん
実際にお店で働いているセールスマンは、「販売台数の目標」があるから、どうやって商談に引き込むか必死。値引きどうしよ、店長から「あーだこーだ」言われているからどうしようと。でもそれで、お客さまに対する視点、はたして自動車業界はよかったのかと、最近、いろいろ学びました。まず、「ジーニアス」がショールームにいると、まず最初に「いらっしゃいませ」と言うよりも「こんにちは」とお客さまをお出迎えする。どちらかというと、お客さま志向であること、こういった部分は競合他社ではなく、ほかのブランド「ルイヴィトン」とか有名ブランドから学んだ。

営業マンは「ノルマ達成」にむけてがつがつ営業になりがち。すると、実は、ちょっと買う気があった人も逃してしまう・・・という悪い循環に。そのため色々研究したところ、ヒントは、ファッションブランドなどにあったそうです。笑顔で「こんにちは」みたいな姿勢はその一つだとか。こうした苦労もあって、BMWでは「売らないスタッフ」をつくった結果、リピーターが増えて、販売実績も上昇しているんだそうです。とある販売店では販売台数が150%アップした所もあるとか。徐々に効果が出てきそうなこの新たな販売方法ですが・・・。

実は、もうひとつ、そうせざるをえない理由があったんです。

★売らない戦略に隠されたもう1つの狙いとは

ビー・エム・ダブリュー株式会社 兼頭義徳さん
このセールスマンの雇用は非常に難しくなっている。何台売るという目標があるからいくら、リクルーティング活動しても、なかなか人が集められない事実がある。その中で、販売のプレッシャーがなく、自分が好きな車、自分が好きなブランドをお客さまに伝えるだけの仕事という採用があれば、そこには何百人も手を挙げてくる。それもジーニアスの狙い。

実は、これまでの「がつがつ営業」というスタイルでは、新規採用も取りづらいという問題があったということでした。

(取材・レポート:田中ひとみ)

TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」は月~金6:30-8:30放送中。
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