映画にも舞台にも小説の題材にもなっている、『赤ずきん』
その物語のルーツは、今から400年以上前の民間伝承だと言われています。
最初に物語にしたのは、寓話王(ぐうわおう)と呼ばれるフランスの詩人シャルル・ペロー。
それをのちに、グリム兄弟が作り変えました。
グリム兄弟は、知る人ぞ知る、童話の神様。
言語学者であり、民間伝承の物語の継承者でもあります。
シャルル・ペローは、1628年生まれのフランスの詩人です。
彼の代表作は、我々にもなじみのあるものばかりです。
(『長くつをはいた猫』、『眠れる森の美女』、『シンデレラ』など。)
彼は民間伝承をまとめ、寓話や童話にして、貴族が集うサロンで披露したといいます。
ハッピーエンドにこだわらず、大人向けのアレンジで、
また、当時の風俗や流行も取り入れたと言われています。
「赤ずきん」(シャルル・ペロー版)
昔、あるところに、とっても可愛い女の子がいました。
彼女は、おばあさんにつくってもらった赤い帽子をかぶっていたので、
赤ずきんと呼ばれていました。
ある日、お母さんに言われて、おばあさんのところにガレットとバターを持っていくのですが、
森でオオカミに出会い・・・
グリム兄弟とは、長男のヤーコプと、次男のヴィルヘルムの二人です。
二人の功績は、民間伝承や言い伝えを、
よりエンターテインメントな物語に生まれ変わらせ、
時代を越える作品に仕上げていったことです。
おそらく、このハッピーエンドのグリム兄弟版がなければ、
『赤ずきん』も、のちの世に伝えられなかったでしょう。
「赤ずきん」(グリム兄弟版)
昔、あるところに、とっても可愛い女の子がいました。
彼女は、おばあさんにつくってもらった赤い帽子をかぶっていたので、
赤ずきんと呼ばれていました。
ある日、お母さんに言われて、おばあさんのところに、
お菓子とブドウ酒を持っていくのですが、森でオオカミに出会い・・・。