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新薬も登場!誤解も多い!花粉症対策を点検

森本毅郎 スタンバイ!

ことしも本格的な花粉症の季節がやってきました!特に今シーズンは久々に新しい薬が出るなど、動きがいくつかあります。色々選択肢が増えていますが、花粉症対策を間違える人もいるのでは!?2月20日(月)の松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。

スギ花粉のイメージ

★今年の花粉の流行

まず今年の花粉の状況です。スギの花粉が先月下旬から飛び始めていますが、今年は「西高東低」と言われています。日本気象協会が今月出した予想では、去年と比べると、九州、近畿は3倍弱、四国、東海は、およそ2・5倍、中国や北陸は、およそ1・5倍。一方、関東は、去年の7割、東北、北海道は去年の半分くらいとなっています。やはり西日本は大変です。と言っても、関東も、平年と比べると、そこまで少ないわけではないようです。ピークは3月なのでご注意を。

★花粉から逃げるのも手!?

花粉症対策の1番手としては「花粉がないところに逃げる」ことですが、今年は、花粉症の人向けに、花粉の少なさを売りにした旅行企画も話題になっています。花粉を避ける「避粉」ツアーを企画したのは長崎・的山大島です。この島は、スギが島の面積のおよそ1%しかないので、花粉から逃げられるという企画他にもスギの木がない小笠原諸島やスギ花粉が少ない沖縄も、それを売りにしています。

逃げられる時間やお金がある人は少ないので・・・花粉症対策の基本、薬を見てみましょう。その薬について、今シーズンは新しい薬が出てきて、選択肢が増えた状況です。ただその分、情報が未整理だったり、誤解があったりするので、少し、整理します。

★今シーズンの新市販薬「クラリチンEX」の実力は?

まず市販薬ですが、今シーズンは市販薬で新しいものが出て話題になっています。去年まで、市販薬では「アレグラFX」と「アレジオン20」の2強でした。ここに先月、新たに「クラリチンEX」という薬が出ました。

これまでの「アレグラ」と「アレジオン」を比べると、「アレジオン」は、1日1回1錠で済むけど、眠くなるので注意が必要でした。一方「アレグラ」は、眠くならないと言われますが、1日2回、飲まなければならなかった。

アレジオン20(エスエス製薬の公式ページから)

アレジオン20(エスエス製薬の公式ページから)

アレグラEX(久光製薬の公式ページから)

アレグラEX(久光製薬の公式ページから)

一長一短、という感じでしたが、今回の「クラリチンEX」は、1日1回1錠で済むのに、眠くならないとされる薬です。両方のいいところを取った形です。ただ「クラリチン」は、医療用とほぼ同じ強い薬なので、薬局で買う場合でも、薬剤師の指導を受ける必要があるので、そこは注意が必要です。

クラリチンEX(大正製薬の公式ページから)

今シーズン新登場!「クラリチンEX」(大正製薬の公式ページから)

なお「クラリチンEX」の値段は、1週間で税別1380円。「アレジオン」より少し安く、「アレグラ」より数十円高い程度なので値段は互角です

★今シーズンの新処方薬の実力は?

一方、病院でもらう処方薬の方でも、今シーズン、2つ新しい薬が登場しました。「デザレックス」と「ビラノア」という名前の薬です。どちらも「眠くなりにくい」というメリットがありますが、それぞれの違いもあります。

「デザレックス」は、食事の影響受けにくい=つまり、いつ服用しても良いのが特徴です。薬は、つい飲み忘れたりしますが、「デザレックス」はいつ飲んでもいいので安心です。

一方「ビラノア」は、空腹時に飲む必要はありますが、即効性があるので頼りになります。

「デザレックス」がいいのか「ビラノア」がいいのか、これは、処方薬なので、お医者さんに自分の都合を相談してみるといいでしょう。

花粉症の場合、市販薬もありますが、まずは一度、お医者さんに診てもらうのが確実です。花粉症だと決めつけていたら、ただの風邪だったとか、ありますのでお医者さんに診てもらって、アレルギーを確定させてから、処方薬でいくのか、市販薬でいくのか、選択するのがいいと思います。

★花粉症対策の薬は、グレープフルーツと相性が悪い!

それから薬を飲むときの注意点。「グレープフルーツジュース」は避ける、という事です。

グレープフルーツのイメージ

今、紹介した薬はどれも、花粉症を起こすヒスタミンという物質を抑え、くしゃみや鼻水を抑える、抗ヒスタミン薬です。この抗ヒスタミン薬は「グレープフルーツジュース」と一緒に飲むと、薬を飲みすぎた状態になり、効果が不安定になりますので、ご注意を。

と言っても、薬と一緒に飲まなければいい、というだけでもないんです。グレープフルーツジュースの成分は、体内で2日間くらいは抗ヒスタミン薬に作用してしまうこともあるので、花粉症シーズンは、グレープフルーツに注意が必要です。

なお今回紹介した中では、処方薬の「デザレックス」については、グレープフルーツジュースの影響を受けない、といわれています。

★鼻づまりには、鼻噴霧用ステロイド

抗ヒスタミン薬以外では、ステロイド系の薬もあります。くしゃみ、鼻水がひどければ、抗ヒスタミン薬ですが、鼻づまりには、鼻に直接スプレーする鼻噴霧用ステロイドが有効ですので、お医者さんに相談を。花粉症対策では他にも注意点があります。

★寝る直前に目薬はダメ!

目のかゆみには目薬ですが、目薬は寝る直前にはささないようにしてください。そのまま眠るとまだたきをしないので、涙の分泌が減り、薬が強い刺激を与える危険があります。少なくとも、寝る5分前にさして、全体にならしてから寝てください。

★「洗眼薬」の使いすぎでドライアイに

それから、目が痒い時に、目を洗う「洗眼薬」を使う人も多いと思います。おちょこのようなカップに液体を入れて、眼に当てて瞬きして眼を洗う、「アイボン」とか「フレッシュアイ」とか色々ありますが、使いすぎは危険です涙を洗い流してしまうので、ドライアイになる可能性があると言われています。決められた回数を守る、また元々ドライアイの方は、お医者さんに相談をして下さい

★効果が出ている舌下免疫療法。

最後に、花粉症を根本的に治す治療として期待されるのが、舌下免疫療法です。ベロの下に花粉のエキスを少しずつたらして、体を慣らして、免疫を作る治療法です。ただ、治療には3年かかるとされているのがデメリットでした。

舌下免疫療法

これが保険承認された2014年から去年で3年経ちましたが、千葉大などが2年目の2015年と、3年目の2016年に行った調査では、7~8割の患者は例年より症状が軽減。すでに薬を使わなくても済んだという患者さんも、2割程度いたそうです。

治療後は、7〜8年は効果が持続すると言われていて、治療費も、保険適用で、3割負担なら、1か月1000円程度なので、この舌下免疫療法はオススメ。

ただし、花粉シーズン中にこの治療を始めると症状が重くなったり、副作用が出ます。始める場合は、今のシーズンが終わってからスタートしてください。

 

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170220080000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)