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聴覚障害者に異常を知らせる『光の警報』

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・聴覚障害者に異常を知らせる『光の警報』

聴覚障害者に異常を知らせる『光の警報』

今回は東日本大震災の発生から5年ということで聴覚障害者に向けた非常警報の取り組みを紹介します。通常、警報というとジリリリとベルが鳴ったり、放送が流れたりしますが、耳が聞こえない人にとっては通じません。今回、取材した目黒区にある心身障害者センターあいアイ館では、今年の避難訓練から、光で異常を伝える警報を取り入れました。

光の警報

光の警報

警報装置は直径13センチの目玉焼きのような白いもので、中央にストロボがついています。天井に設置して、1秒間隔で強い光を発するので広い会議室の隅に居ても分かる明るさですし、耳の聞こえない人でもわかるようになっているそうです。

先日行われた避難訓練に参加した、目黒聴覚障害者協会・会長の山下千惠子さんによりますと(※手話通訳は小林恵子さんです)

山下千惠子さん
「トイレに居て下を向いて手を洗っていても光で気付く。私たちは地震の揺れは感知できるが、その後どうしたらいいかわからない。神戸の震災でも、ろうあ者には情報が入らず困った経験があります。この装置でとても安心しています」

と話していました。

この光の警報は通常の火災報知機と同様に熱や煙を感知して自動で発光し、火事ではない地震などの災害時は、職員が手動で警報を動かすそうです。心身障害者センターあいアイ館のサービス相談課、植村課長は…

植村課長
「初めて光警報を使用した訓練でしたが想像より非常に強い光。下を向いていても床やカーペットに反射して緊急事態を認識できた」

と話しています。

目黒区の障害福祉課を担当している高橋さんは…

高橋さん
「この施設では14個光の警報を設置している。今後も普及していければ」

と話していました。

ただ、この光警報装置だけで聴覚障害者への情報提供を全てカバーできるわけではありません。合わせて、周りからのサポートも重要です。今回、山下さんからは以前、目黒区や渋谷区で大雨が降り、増水したときに、あわや、という事態になった体験を話していただきました。山下さんの話です。

山下さん
「夜でしたので雨戸は閉めていて雨の音も聞こえません。気がついたときには玄関が満水状態。大雨の警報無線があっても、その音は我々は聴こえません 聴こえる人たちは大雨くらいは分かるでしょうというけど、我々は分からないのです。聴こえていない人は皆、そういう不安は抱えていると思います」。

 

今は目黒区内で登録した人向けに携帯電話へのメールで警報を送っていますが、それでも耳が聞こえる人より「危険を知るチャンスが少ない」ということです。

そこで、山下さんに対して質問をしました。
私も含めて、いまラジオをお聴きになっている皆さんに伝えたい事、知っておいて欲しい事はありますか?と聞いたところ、手話が出来なくても、なんとか危険を教えて欲しいということでした。

山下さん
「近くに耳が聴こえない方が居る場合は、身振りとかで異常を知らせたり、肩をトントンと叩いて頂くと助かりますね。逆に家屋が倒壊して下敷きになった場合助けて欲しいというところで笛を吹く。私はココに居ますよと 分かってもらうために。これはたぶん聴こえない人は持ち歩く人が多いと思いますよ、この笛は」

山下さんはいろんなバッグやキーホルダーに笛をつけていました
他にも、東日本大震災が発生した後の避難所では、報道された情報を文字にして壁に貼ったり、筆談用の筆記用具などが役に立ったそうです。あいアイ館でも、職員全員が手話を使えるわけではないので、筆談用のボードを数多く設置しているそうです。いろいろな方へ向けた災害時の備えが大切です。

(担当:鳥山穣)