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あらゆる子供のために作られた絵本「LLブック」とは?

ジェーン・スー 生活は踊る

あらゆる子供のために作られた「LLブック」という本、ご存知でしょうか?スウェーデン発祥の本で、今、日本でも普及させようとする活動が行われています。ぜひ、名前だけでも覚えてみてください!DSC_9036

LLブックって?

スウェーデン語の「LatteLast(ラッテ・ラースト)」の頭文字を取って「LLブック」。LatteLastとは英語で「Easy to Read」と言って、つまり、誰でも読めるように工夫された「優しくて読みやすい本」のことです。「誰でも読める」の「誰でも」というのは、具体的に言うと知的ハンディキャップがある子供や大人、または外国人など「日本語に明るくない人」。つまり、普通の本がなかなか読めない人たちのことです。スウェーデンでは移民が多いこともあり、実に全国民の25%がこのLLブックの読み手ということで、80年代から政府主導でつくられ始めたそうです。
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日本の状況は?

実は昨年4月に、「障害者差別解消法」という法律が施行され、日本図書館協会がガイドラインを発表しています。その中には「大学図書館 及び 学校図書館においては、個々の学生・児童生徒の状況に合った資料を購入、または製作する」として、「特に購入したいもの」の中に「LLブック」が名指しで指定されています。ただし、このガイドラインの中では「LLブックの出版はまだ少ない」と書かれていて、日本のLLブックはゼロではないものの、大変少ないというのが現状です。そこで、埼玉県の埼玉福祉会が、LLブックを日本に定着させるべく、この春、5冊のLLブックを発売しました。今回新しく出たのは、「地震がきたらどうすればいいの?」「ぶんぶくちゃがま」「さんびきのこぶた」「アサガオをそだてよう」「セミがうまれるよ」
地震がきたらどうすればいいの? (LLブック)ぶんぶくちゃがま (LLブック)さんびきのこぶた (LLブック)
セミがうまれるよ (LLブック)アサガオをそだてよう (LLブック)

このLLブックのプロデュースを手がけたのは、児童文学評論家で、学校図書館のプロデュースも手がける赤木かん子さん。赤木かん子さんによると、実は知的ハンディのある人は読書好きが多く、ある東京の養護学校では、図書室を徹底期に見直して改造したところ、月間5千冊ほど借りられるようになったとか

新しいLLブックの特徴は……

▼漢字は使わない。
▼ひらがなが長く繋がるところは、「わかち書き」といって、スペースを空けて読みやすくする。
▼本によっては、「ピクトグラム」と呼ばれる絵文字を文章の上につける。例えば「たぬき」という文の上には、挿絵と同じ顔で描かれたたぬきの
マークが付いている。

もちろん、「知的ハンディ」と一口に言っても、症状は人それぞれなので、「LLブックなら絶対に読める!」というものでありません。ただ、だから言って手をこまねいていては、知的ハンディの人が楽しめる本が一冊もないという状況は変わらないため、とにかく出すことが大事だったということです。発行元の埼玉福祉会によれば、今後はスウェーデンのように、大人向けのLLブックも出していきたいとのこと。実際にスウェーデンでは、「料理や編み物」といった趣味の本や、「恋愛・性・結婚と」言った生活にまつわるものまで、多岐に渡るLLブックが出版されています。
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もちろん、普通の本として読んでもまったく問題ないので、自分の子供用やプレゼントしても大丈夫。日本で、この先LLブックが定着するかどうか、関心がある人はぜひ一度、実物を見てみることをオススメします。