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超人気の高級白衣を支えた相馬の縫製工場

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
3月25日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、福島県相馬市の縫製会社「テイクオフ」の代表・小島臣仁(こじま・とみひと)さんをお迎えしました。今年2月18日にご紹介した高級白衣メーカー「クラシコ」の白衣を作っている方です。

小島臣仁さん

小島さんは1972年、福島県相馬市生まれ。高校卒業後、地元の縫製工場に勤め、22歳の時に独立してからは主にほかの工場からの下請けの仕事を引き受けていました。縫製の仕事は、アパレルメーカーから工場に直接発注というのはほとんどありません。商社や「振り屋」と呼ばれる業者がその間に入ってアパレルからの発注を受け、それを工場に振り分けています。工場といっても、家族でやっていたり、数人の従業員でやっているような小さなところが多く、全ての製作工程を一つの工場でやることはほとんどありません。小島さんの工場も小島さんと奥さんの2人だけです。工場にはそれぞれ得意な作業工程があって、振り屋さんはアイテムごとに得意な工場に振り分けます。小島さんのところではボタンホールの加工が多かったそうです。そして小さな工場同士が仕事を分担することもあります。そうやって分業して、助け合って製品を作っているのが縫製の仕事なんですね。福島県の相馬市と南相馬市にはそんな小さな縫製工場がたくさん集まっていました。

スタジオ風景

2008年の夏、小島さんのもとを2人の若者が訪ねてきます。既存のぺらぺらな白衣とは一線を画した、イタリアンスーツのような白衣を作ろうと「クラシコ」を立ち上げたばかりの大和新(おおわ・あらた)さんと大豆生田伸夫(おおまめうだ・のぶお)さんです。普通の白衣は1着だいたい4000~5000円なのに対し、随所にこだわりがちりばめられたクラシコの白衣は1着およそ2万円。そんな白衣が、はたして売れるのか。ましてクラシコは当時、法人にもなっていなくて、信用も実績もありません。当然のごとく、どこの振り屋さんも工場も協力してくれません。そんな中で小島さんだけが「面白いね。じゃあ、やってみようか」と言ってくれたそうです。小島さんも当時は仕事が少なかったので引き受けましたが、半ば賭けでした。

資本がなかったクラシコは当時、料金前払いで注文を受け、それを生産の費用に回そうとしていました。ところが肝心の工場が見つからなければ、「カッコイイ白衣」は絵に描いた餅。小島さんが引き受けてくれたことで、クラシコの白衣は世に出ることができたのです。小島さんが最初に受注した白衣は13着。それが2~3年のうちにひと月500着になりました。ところが…。

スタジオ風景

2011年の東日本大震災と福島第1原発事故。相馬市と南相馬市に集中していた縫製工場は大変苦しい状況になりました。「福島県で作られた製品は放射線が心配…」というような風評被害も追い打ちをかけ、多くの小さな工場がやめていく中、小島さんは奥さんと2人で仕事を再開。クラシコの白衣は作れなくなりましたが、ほかの仕事を請け負ってなんとかしのぎました。

それから2年。なんとかやっていけるようになった頃、小島さんの電話が鳴ります。クラシコの大豆生田さんからでした。「また、小島さんと仕事がしたいですね」。小島さんが知らないうちに、クラシコはさらに急成長を遂げていました。アイテムも大幅に増え、国内はもとより世界中から注文が来るようになっていました。

小島臣仁さん

今、小島さんの工場ではひと月に600~700着のクラシコ製品を作っています。社員2人の工場だけでは間に合わないので、まわりの工場にも協力してもらいながら、毎日忙しく働いています。震災を境に相馬市の縫製業は、中堅どころの50代の職人がたくさんやめてしまいました。残された職人の多くは60代。小島さんのような40代半ばの職人はまわりにはほとんどいなくなりました。これから10年後には相馬の縫製業はどうなっているか…。そんな不安が頭をよぎることもありますが、小島さんは前向きに仕事に取り組んでいます。クラシコの白衣やスクラブ(作業着)がここまで広がった礎を築いたのは自分。そんな自負を胸に秘めているという小島さん。クラシコの製品のタグに「02」という番号がついていたら、それは小島さんの工場で作られた印です。

小島臣仁さんのご感想

小島臣仁さん

楽しかったです。

久米さんが「クラシコ」のデザイナーの大豆生田(おおまめうだ)さんの名前をお友達感覚で呼んだり、なごやかになって、大変、助かりました。今度は大豆生田さんと二人一緒にスタジオに、というのも面白そうですね。ありがとうございました。

2016年3月25日(土)放送「今週のスポットライト」ゲスト:小島臣仁さんhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170325140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)