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自殺相談ダイヤルの相談員研修、大切なのは「聴く」姿勢▼人権TODAY(4月8日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・「自殺相談ダイヤルの相談員研修」についてです。

厚生労働省によると、一年で一番自殺者が多いのは3月、2番目に多いのは5月という傾向が出ています。ひとりでも命を救おうと、東京都では7年前から「自殺相談ダイヤル」を開設しているのですが、今回は相談員を育成するための研修を取材しました。

★「自殺相談ダイヤル」相談員の研修内容

研修を主催している、NPO法人メンタルケア協議会の西村由紀さんのお話です。

NPO法人メンタルケア協議会 西村由紀さん
今年も1月末からだいたい2ヶ月間、毎週ほぼ土日、研修をやっています。
全部でメニューは11個用意されているんですが、自殺に関する全般的なお話とか、基本的な精神疾患や周辺領域に関する勉強会。それから、ロールプレイの研修が3種類。それ以外に、電話相談をやっている現場とか、訪問看護ステーション、精神科救急の場面などに出向いて、実際の支援の現場を見てもらいます。
人権トゥデイ

研修で使用する冊子。精神疾患や思春期の悩み、認知症への理解など、幅広い知識を学びます

電話をかけてくる人の中には、家庭環境、経済的な事情、病気など様々な背景があり、その人が何を、どんな風に困っているのかを理解するためには、幅広い知識を身につけることが必要ということです。

★ロールプレイで「相談者」の気持ちを疑似体験

今回、私は研修の最終回にお邪魔しました(20代~50代の男女約30人が参加)。写真は、「相談者役」と「聴き手役」に分かれて行われた、ロールプレイの様子です。

人権トゥデイ

二人一組で行われたロールプレイ。「最近ちょっと悩んでいること」について、「相談者役」と「聴き手役」が話します

大切なのは、悩みを解決することではなく、「相手に寄り添って話を聴くこと」だそうです。どんなに辛くても「誰かに分かってほしい」と思って電話をかけてくる人も多いようで、そうした相談者の思いを疑似体験することこそが、ロールプレイの目的ということです。

★参加者「人の役に立ちたいから相談員になった」

では、参加者たちに相談員になろうと思った理由を聞きました。

●「(30代・女性)私の友人で、友達が自殺しちゃって。そういう経験をしている方がいたときに、周りの家族や知人が罪悪感を何年も背負い込んでいる方が多いので、そういうのが無くなれば良いなと思って。
●「(50代・女性)自分もすごく辛い思いをしたときに、知人や家族が気持ちを受け止めてくれたことで、前向きになれたことがある。今度は、自分がそちら側の人間になりたい。
●「(30代・男性)どういう人だったら救ってあげたいかって、人それぞれだと思うんです。小さい子が転んでいたら手を貸そうと思うのと同じような感覚。それが「死にたい」という人だっただけ。

相談員になるには、「看護師や社会福祉士、臨床心理士などの資格を持っている」などの条件があり、その上で、研修を受ける必要があります。現在は60人近い相談員が年間2万件を超える電話に対応していますが、全ての電話に対応しきれている訳ではなく、飽和状態だそうです。

★相談員のメンタルケアも重要

多いときだと一日に4~5件、長い人は何時間も話を聴くこともあり、負担も大きいそうです。

NPO法人メンタルケア協議会 西村由紀さん
相談員も長くやっていると疲れてしまうので、相談員のメンタルケアが結構大事になってきますし、そうじゃないと長く続けられないお仕事だと思います。
相手の感情をモロに受けながら相談を受けるんです。だから、すごく辛い、すごく苦しい、泣きたい気持ちを共感しながら聴くと、そういう気持ちが乗り移ってきちゃうというか、自分の方が辛くなっきちゃうこともありますし、そういうことをリセットしなきゃいけないときもありますね。

中には実際に自分を傷つけたりと、“実行中”の人からも電話がくることもあるそうです。
人の絶望感と向き合うのは、技能を持った相談員でも苦しくなることがありますが、そんなときは、経験豊富な相談員にカウンセリングを受ける態勢を整えているということでした。

「東京都自殺相談ダイヤル~こころといのちのほっとライン~」
0570-087-478
14時~翌朝6時(受付は翌朝5時半まで)、年中無休

(担当:田中ひとみ)