お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ

世の中の情報を視覚障害者に「日本点字図書館」▼人権TODAY(4月15日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で、8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

視覚障害者のための図書館

今回は、東京・高田馬場にある「日本点字図書館」を紹介します。

まずは、この図書館がどんな施設なのかについて、ご自身も視覚障害者で、4月から館長に就任された長岡英司さんに聞きました。

日本点字図書館の長岡英司館長

点字図書や録音図書の貸し出しをはじめ、視覚障害者のための様々なサービスをしている福祉施設です。一般の図書館は、利用者が来館してそこで本を読んだり借り出したりするわけですが、この点字図書館は来館される方はごくわずかで、主に郵送で貸し出しをしています。

点字図書

録音図書

ここは一般の図書館のように書架がずらっと並んでいるというようなイメージではなく、目の不自由な方のための施設なので、リクエストに応じて職員が倉庫から本を取ってくるということでした。

書庫内の様子

長岡さんのお話の中にあった「録音図書」というのは、本の中身を朗読して吹き込んだCDのことです。「デイジー」という国際規格で作られていて、専用の小型の機械で聞くことができます。また、本のテキストデータを読み取って、機械がしゃべってくれるものも増えているそうです。

点字本の印刷・製本も手がける

この日本点字図書館には、点字図書が2万1000タイトル、録音図書(CD)が1万6000タイトルあるそうですが、これらはどこで作っているのでしょうか。

館長の長岡さんの話

録音図書とか点字図書は出版社から買うことができませんから、全部こちらで作らないといけないんです。朗読のボランティアの方とか、点訳のボランティアの方が中心になって作ってくださっています。例えば、村上春樹さんの最新作「騎士団長殺し」。実はもうこれも点訳されているんです。ちなみに第1部と第2部がありますが、それぞれ10冊に分冊されています。ですから合計20冊。かなりの かさ になりますよね。

活字の本を点字に直す作業もこの図書館で行われていて、一字一句、パソコンで点字に打ち直していく必要があります。非常に手間がかかるため、点字化される本はごくわずかです。点字に訳す「点訳」の作業や朗読のために、およそ100人のボランティアが関わっています。そして、点訳だけではなく印刷や製本もしています。この図書館は点字本の製本工場でもあるわけです。

金属板で版を作る

点字プリンターで印刷する様子(紙は左へ流れていく)

駅の案内板なども

さらに、日本点字図書館では、「点図」や「点字サイン」などと呼ばれる、さわってわかる案内板にも手がけています。たとえば、駅のトイレの平面図は壁や仕切りなどの線が盛り上がっていて、なぞると形がわかるようになっています。そこに点字で説明をつけるのですが、誤りがないかどうか障害のある人とそうでない人が2人1組で確認します。

間違いがないか確認

この時のチェックでは1か所修正が入りました。壁の線と点字が近すぎて読みにくい所があると指摘され、少し間をあけることになりました。

世の中の情報を視覚障害者に

点字図書館が果たす役割や今後の課題は何でしょうか。

館長の長岡さんの話

視覚障害があると、どうしても情報が得づらい。本もなかなか読めないわけです。世の中にあふれている情報を読みやすい形に変えて、視覚障害者にどんどん提供する。これがここの最大の使命です。あとは、いくらコンピューターが進んでも、点訳者とか朗読者という人による支援も欠かせないんです。そうした支援してくださる方たち、そういう人材の確保というのもこれからとても重要な課題になっていくんじゃないかと思います。

長岡さんも点字に触れると「ホッ」とする気持ちになるそうです。点字は視覚障害者にとって数少ない情報源ですから、設置個所を増やしていくべきだし、周りの人の理解・協力も必要です。

(担当:進藤誠人)

<参考>
■社会福祉法人 日本点字図書館
http://www.nittento.or.jp/

点字・拡大文字番組表