お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ

AV出演強要問題に対処する団体・AVAN▼人権TODAY(4月22日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・「2017年4月22日放送『AV出演強要問題に対処する団体AVAN』」です。

AVAN=アダルト・ビデオ・アクトレス&アクターズ・ネットワーク

昨年来、アダルトビデオ、いわゆるAVへの出演強要の被害が問題になっています。「出演強要」とは、騙されたり、意に沿わない条件でAVに出演させられることです。

本人が拒否しているのに衣服を脱がされたり、性的な演技を要求される出演強要の被害相談が相次いでいるのをうけ、政府が対策会議を開いたり、警察庁が取締強化を通達しています。とくに4月は進学や就職で一人暮らしが増えるなど生活環境が変わり、スカウト等による被害のリスクが高くなるといわれ、政府は「被害防止月間」と定めています。

こうした動きの中で、独自の被害対策を進めているのが、表現者ネットワーク・AVAN(アヴァン)という団体です。一般社団法人AVAN(アヴァン)は「アダルト・ビデオ・アクトレス&アクターズ・ネットワーク」の略で、去年7月に設立されました。AV出演者や監督・スタッフの労働環境を改善することや出演強要、出演料の搾取などの問題をなくすことを目的としている、AV業界のユニオン(労組)的な組織をめざしている団体です。
AVを発売しているメーカーによる団体はありましたが、出演者やスタッフを中心に組織される団体はこれまでありませんでした。

AVAN代表の川奈まり子さん
まず出演強要は一件でも在ってはならない、未然に防ぐためのAVANです。AVANとしての考え方は、AV出演をまず肯定していくということです。本人同士が合意している場合のAV出演はまったく犯罪ではないし、社会的に差別されるいわれはない、と考えています。たとえば、AVに出演したことがバレてしまって、今勤めている会社をクビになてしまった場合は、解雇した雇用主側が責任を問われるべきだと我々は考えています。

AVAN代表の川奈さんは、もとAV女優であり、出演者、表現者に寄り添った立場をとっています。出演強要問題を受けて、一部にAV自体が社会悪、存在悪だから国内からなくしたほうが良いという主張があります。しかし、AV業界を悪いものとの前提にすると、過去の出演歴から差別を受けたり、出演をばらすと脅迫される被害にあったり出演者が二重、三重の被害を受ける可能性が生じます。そうしたことから、AVANは、AV出演を肯定的にとらえた上で、犯罪行為、人権侵害を厳しく監視し取締まるべき、という立場をとっています。

AVANの活動内容とは

AVへの出演を志望する人に仕事の性質や、作品の内容などを充分理解してもらい、その上でAVANに会員登録してから仕事を始めてもらう取組みを進めています。取材の時点では、AV女優・男優が約170人、会員登録しているとのことでした。現状はおもにメーカーなどからの寄付を資金として運営されていますが、将来は会員の登録料・会費による運営を目指しています。会員の相談窓口になって、会員に代わって所属プロダクションやAVメーカー、制作会社との交渉を中立ちするほか、AVの仕事から引退した後のセカンドキャリアを支援して、出演経歴を「被害」とせずに生きていける「生き方支援」を考えているということです。

AVAN代表の川奈まり子さん
実際に強制わいせつとか、暴力的な強要がない事態でも出演強要にあたってくるのかな、と考えます。つまり合意が完全にとれないままプロダクションと契約を結んで、釈然としないまま出演してしまう、これでもAV出演強要なんですよ。AVANに入るということは、AVに出たくて出ている、AVを作りたくて作っている人、ということになります。騙されて出させられているとう出演強要にはあっていないということが保証される、そういう仕組みです。

「出演強要」という問題は、入口の問題、AV業界にスカウトされて出演に至る段階の問題と思われがちですが、実は入る時だけではありません。出演を続けている間に、意に沿わない、説明を受けていない演技を求められたり、引退しようと思っても数百万円の違約金を求められ辞められないというように途中経過や出口の段階でも起きる「強要」もあります。行政など従来の相談窓口、対応機関は、こうした業界の内側で起きる問題の把握が難しいという課題がありました。なので、業界事情に詳しい組織が出演者とメーカーやプロダクションの間に入って専門的に交渉したり、ケアすることが必要だということです。

AVANは設立して間もないこともあり、まだ深刻な相談内容のケースはないということですが、出演料が最初に説明された額よりも少ない、あるいはまったく貰えなかったトラブル、またAVの出演料はどのように確定申告すればいいか、なにが経費になるか、とか、業界特有の悩みが寄せられているそうです。

AVANの川奈代表が示す今後の課題

AVAN代表の川奈まり子さん
電話で簡単にその場でお悩み相談を受けられるホットラインを引いてほしいといわれてます。無料の電話を用意してホットラインを引くことは簡単なことではないですが、なんとかしたいと思っています。できれば人権団体とか内閣府とも強調し合って実効性高く出演者が強要被害にあわないように守っていけたらいいなと思っています。

アダルト映像表現は成人向け映画の時代から始まって50年以上の歴史があり、AVを社会の中でどのように位置づけるかは結論をだすのに時間のかかる問題です。それを拙速になくしてしまうことで、問題の解決とするのは難しいと思われます。AVANはまず出演強要などの被害をなくす、悩んでいる人にハードルの低い相談窓口を提供することを喫緊の課題として取組んでいます。相談のある方はPC、スマホなどで「A・V・A・N」と検索すると、一般社団法人表現者ネットワークのHPが検索結果の先頭に出てきます。メニューの「お問い合わせ」をクリックするとメールフォームが出ますので、そちらからご相談ください。

(担当:藤木TDC)