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視覚障害者のホーム転落事故を防ぐ取り組み▼人権TODAY(4月29日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・「2017年4月29日放送『視覚障害者のホーム転落事故を防ぐ取り組み』」です。

ハード面とソフト面で視覚障害者のホーム転落事故を防ぐ

去年8月には東京メトロ銀座線、10月には近鉄大阪線、そして今年1月にはJR京浜東北線・蕨駅と、1年間で3件、視覚障害者がホームから転落して死亡する事故が発生しています。この3件を含め、大体1年間に80件ほどの“ホーム転落”が起こっていると言われています。こうした事故防止のためハード面・ソフト面合わせて、大きく4段階の対策があると言います。「筑波大学附属視覚特別支援学校」の教諭、宇野和博さんにまずはハード面について伺いました。

筑波大学附属視覚特別支援学校の教諭、宇野和博さん
「ホームドアさえあれば、もう落ちようがないですので、これはもう100点満点の策と言えると思うんですね。ただ現状じゃ、ホーム柵がどの程度普及しているかというと、昨年3月の段階で655駅。そう考えると、やっぱりホームドアがない駅のホーム転落対策をきちんとやってこそ、車の両輪だろうなって思いますね。今のその駅ホームで、根本的に修正が必要なのは、私は点字ブロックの敷き方だと思います」

ホームドアが設置されている駅が655ということですが、全国に駅の数は9,500駅ということで、全体の僅か7%。1日の利用客が1万人以上の駅は2,100ありますが、その内でも3割強。国土交通省も、2020年の「東京オリンピック/パラリンピック」を控えて、整備を急がせてはいますが、現実的にはコストなどの問題もあって、そう簡単には進みません。

各鉄道の多くの駅の床には、視覚障害者の歩行用の点字ブロックが設けられていますよね。基本的な仕組みとしては歩く方向を示す“誘導ブロック”がホームのほぼ中央部に向かって敷かれており、そこから線路と並行に敷かれたブロックに接続します。このブロックは、ホームの端が近くて危険だと示すものなんです。視覚障害者は、この“警告ブロック”の所で、電車を待つわけですが、この“警告ブロック”に沿って歩いている途中に柱が立っていたり、他の利用客が立っていたりで、それを避けようとして、ホーム転落してしまう場合があるんです。つまり“ブロック”から多少ズレても転落しない位置に、警告ブロックを敷き直す必要があるというわけです。「ホームドア」、「点字ブロック」の設置場所への配慮。この2つの整備が、ハード面で求められる対策ですね。続いてソフト面の対策を伺っています。

筑波大学附属視覚特別支援学校の教諭、宇野和博さん
「一つは駅係員が出来ることは何なのか?ホームドアが付けられないのであれば、きちんと駅員さんを十分配置して、本当に利用客が多い駅についてはですね。やっぱり私は駅係員が、しっかりホームの安全を見守ると。そしてもう一つは、周りの人たちが出来ることは何なのか?周囲の人にも是非「危ない」とかですね「止まって」とか、そういうような声を掛けていただくことによって、事故が防げるんじゃないかと思います」

第4のセーフティネット

例えば今年1月に死亡事故が起こった蕨駅は、平日朝の1時間だけしか駅員をホームに配置してなかったと言います。また、仮に駅員が配置されていても、ホーム全体に目が行き届かない場合もあります。そこで第4のセーフティネットとして、鉄道の利用客の注意を喚起し、関心を深めようとしている団体があります。それが「ホーム転落をなくす会」。こちらで事務局を務めている、フリーアナウンサーの高山久美子さんに、会の取組みを伺いました。

ホーム転落をなくす会事務局・高山久美子さん
「あなたの一声が、目の見えない人の命を救います」というチラシを沢山作って、1人でも多くの人に貰ってもらって、あのーどのように声を掛けたらいいのか、そういうことを知ってもらいたいという活動をしています。このチラシで言いたいことは、まず一つだけです。というのは、とにかく危ない人が居たら、命の危険がある人が居たら、どうやってそれを救うか、その一点だけです」「チラシを作るには経費も必要なので、クラウド・ファンディングを活用しました。期間内に達成することが出来ましたので、イラストレーターさんに払うお金、それからチラシを沢山刷るお金が出来ましたので、
まだまだこれからも、印刷をして配っていきたいですね」

インターネットを通じて、多くの方々から事業や活動の資金を募るクラウドファンディング。こちらでは今月17日まで募集を行ったのですが、44人の方から242000円が集まりました。寄付して下さった方へのお返しとしては、希望者にチラシを送っています。

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そしてそれを受け取った方々は、例えばバンドをやっている方はライブハウスで配ったり、高校での講演を依頼された方は、全校生徒に配ったりしたそうです。今回のクラウドファンディングで、チラシの製作費を捻出すると同時に、様々な局面で様々な人達に注意喚起が行えたというわけです。「ホーム転落をなくす会」では、こうした取り組みを今後も継続していこうと、現在検討しているということです。
「ホーム転落をなくす会」の活動を詳しく知りたい方やメッセージを送りたい方は、FACEBOOKで検索して下さい。

https://www.facebook.com/stoptenraku/

(担当:松崎まこと)