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見逃せない!美容医療トラブル。エステでの「HIFU」使用に注意!

森本毅郎 スタンバイ!

最近、美容医療で使う機械で、やけどなどのトラブルが数多く起きています。国民生活センターも注意を呼び掛ける事態になっていて、しかも、ここには医師法違反の疑いもあります。その問題の背景や対策などについて。5月8日(月)の松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。

★「HIFU」とは?

まず問題の機械についてですが、アルファベットで「HIFU」=ハイフというものです。HIFU、日本名にすると少しわかりやすいのですが、「強力集束超音波」といって、超音波を集めて強い力にして、、体の特定の部位に当てる機械です。

超音波は、耳に聞こえない周波数の音ですが、その周波数を調整することで、体の皮膚を傷つけず、通過させて、体の中まで音波を伝えることができます。その超音波を集めると、ちょうど虫眼鏡で太陽光を集め、紙を焦がすことができるように、体の狙った1点、焦点部分にエネルギーを集め、その部分を加熱することができます。

この機械を、体のどこに当てるかというと、脂肪が気になるおなかや、腕。そして中でも希望する人が多いのが、首から顔など。焦点となった部分は、だいたい50度くらいになり、脂肪は、高温で分解されていきます。

★神経を損傷する事例も

では具体的に、どんな問題が起きているのか、ご紹介します。国民生活センターが今年3月に、注意を呼び掛けていますが、その中の一例です。

「顔のリフトアップがしたい」と伝えたら、HIFUを紹介され、エステティシャンがHIFUの施術を行ってくれたそうです。この時、リスクの説明はほとんどなかったそうですが、2回目の施術では、左頬から左唇にかけて電気が走るようなしびれが出てしまいました。2~3日経ってもしびれが続いたので、神経内科に行ったところ神経の一部を損傷していると診察された、ということです。

こうしたケースでは、熱が広がるので、その焦点の周りの部分も熱くなります。そうなると、やけどや神経麻痺などの、合併症を起こすこともあります。

★リスクを伴う医療行為です!

ここではっきりさせたいことで、HIFUは本来、医療機関で治療などに使われる機械です。例えば、前立腺がんの治療などで使われているものです。そんな機械を使うのは、医療行為です。医師法では、第17条で、医学的判断および技術をもっていなければ、体に危害を及ぼす恐れのある行為を繰り返すことは、医師でなければ許されないとされています。つまり、医師免許が無いと使ってはいけないことになっています。

★怖い機械だと思っていないのが怖い

先ほどのケースでは、エステティシャンがこの機械を使っていたので問題です。エステティシャンは医師免許がいりません。HIFUについては、いわば素人。医療知識がないエステティシャンには、どこに血管や神経があるかなどわからずに、傷つける可能性があります。また、ちょっと効きが悪いと少しパワーをアップしたりすることがあります。そうすると熱が上がって皮膚に、やけどを起こしてしまいます。エステティシャンは、ただマニュアルにしたがって、超音波を当てているだけです。実際、エステティシャンの人たちは、やけどや神経麻痺の合併症が起こる怖い機械だと思って使っていないと思います・・・それが怖いことです。

★安さで選ばない

こうしたトラブルが増えてきている原因の1つには、金額の問題もあります。エステでは、金額が安く設定されているので、つい選んでしまうところがあるようです。

医師が施術する美容外科でHIFUを行うときは、1回、10万円くらいですが、エステだと1回5千円とかで施術する宣伝しているところもあります。違法行為と知らず、安いからエステで受けるのはよくありません。がんの治療をするときに「安い治療がありますよ」と言われ、それを受けますか?がんの治療を受けるときは、しっかり病院を選びますよね、それと同じです。

★甘いうたい文句にのらない

また、金額の他にも、甘い宣伝文句にのらないようにしないといけません。まるで、小顔になる、痩せるなど施術用の装置かのような、説明がされています。ネットの紹介文を見ると「エステの最新理論☆HIFU顔痩せ!小顔!引き締め美肌!全ての悩みを一度で解消!」と、これでもかというくらいに、並んでいます。また、皮下脂肪にだけ確実に作用するという夢のようなマシン・・・という言葉も。

★国も厳しくチェックすべき

ただ、一番問題なのは、医療行為であるのに、医師免許をもたないエステティシャンがHIFUを行っていることです。エステティシャンに使わせている会社、そしてその状況を見過ごしている国の責任は重大ではないでしょうか。特に国は、もっと取り締まらなければならないでしょう。機械の数や導入については、経済産業省が把握しているはずです。一方、その機械を使ってよいかどうかは、厚生労働省がチェックすることになっています。2つの省庁が連携してチェックすべきです。

★美容外科で、医師のもと受けましょう。

そして、どうしてもこの施術を受けたい人は、医療行為であることを知って、そしてリスクがあることも知った上で、エステではなく、美容外科で受けるようにしてください。HIFUは、たとえ医師が使っても、時には合併症が起きるケースもあります。ただ、エステと違うのは、基本的に医師は、起きた合併症に対して、対応できます。エステではクーリング・オフ通知を出しても「全額返金はしない。文句があるなら弁護士に相談しろ!」などというケースが多くあり、問題になっています。

 

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170508080000

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