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ひきこもり大学in下町。テーマは「ひきこもりと就労」▼人権TODAY(5月13日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・『ひきこもり大学in下町~テーマは「ひきこもりと就労」~』

ひきこもり当事者が就活で抱える悩みとは?

5月7日(日)、江東区の亀戸文化センターで行われた「ひきこもり大学in下町」というイベントを取材してきました。ひきこもりの当事者や支援者およそ50人が集まったこのイベントでは「ひきこもりの就労」をテーマに掲げ、講演やグループディスカッションが行われました。仕事探しは、ひきこもりから脱するためのとても大きな一歩ですが、その過程で当事者はどんな悩みを抱えているのか。このイベントを主催した40代の男性に伺いました。

40代 男性
困ったことは年齢のハンデと、職歴の空白は突っ込まれますよね。僕も20代中盤位で仕事をやめて、トータルで9年ぐらい空白だったので、それをどうしようかというのでかなり苦戦して、家業を手伝ってたとか言って、フリーペーパーでアルバイト情報で電話したりするんですけど、「うちは20代を優先します」とかそういうのはっきり言われるようになって、面接にすらたどり着けない。これが年齢のハンデなんだなと思って。

この男性は、親御さんの高齢化に直面し、実家暮らしでしたが経済的に自立しようと決心して、30代半ばで就活を始めました。ですが企業の側は、やはり若くて即戦力になる人材を優先してしまいます。この方の場合、9年間社会経験が無かったこともマイナスと見られてしまい、結果的には清掃業に就職できましたが、決まるまで何件も断られたそうです。今回の参加者の中にも25社目でようやく決まったという人もいました。
引きこもりからでも就職しやすくなるような支援として、「サポートステーション」という、厚生労働省の委託を受けてひきこもり対象の就活相談やビジネスマナー講座などを行う施設が全国にありますが、対象年齢が15歳から39歳まで。40歳以上になるとそういった支援が途絶え、何から手をつければいいのか分からない状態に陥ってしまう人もいるようです。またなんとか就職しても、仕事を続ける上で新たな問題に直面する方も多いそうです。先ほどの男性は、今こんな悩みがあると、話していました。

職場の同僚の会話に付いていけず、孤立してしまう…

40代 男性
休憩時間で皆話している内容に入っていけない。入っていけないから孤立しちゃって昼休み居づらい。30代40代になると普通の会話が家買うとか、保険とかの話をみんなしてて、僕そういうの全く分からないんで恥ずかしかったです。

そもそも、引きこもりから就職した方達は、その経験に負い目を感じて、周りには打ち明けずにいる人の方が多いようです。ですが同僚との日常会話の中で、他の人が知っていることを自分が知らないという場面に直面して、そんなことも知らないの?と内心思われているのではないかと考えてしまって、耐えられず仕事を辞めてしまう人も中にはいるということです。引きこもりの方は、既に社会に出ている人と比べて、仕事探しと、仕事を続けること、2段階のハードルがあるということですが、そのハードルを超えられるように、サポート活動をしている方もいます。

ひきこもり当事者を職場にスカウト!

産業廃棄物処理業で働く「エンジ」さん
私、都内にある、とある創業廃棄物処理業=ごみ屋において、ここ2年数か月ほどご飯を食べさせてもらってます。毎日ごみと格闘する日々なんですけども、それとはまた別に一風変わった活動を片手間にてやらせてもらってます。それは何かと言いますと、ひきこもりの当事者の方々を自分の働いている部署に招き入れて、一緒に切磋琢磨して働くという、彼らを引っ張るスカウトマンとしての活動もやらさせてもらってます。

エンジさんが働く産業廃棄物処理業は、高齢化が進み、慢性的に人手不足になっていました。そこでエンジさんは、ひきこもりの支援団体から就労意欲のある人物を紹介してもらい、既に3人を受け入れることに成功。しかも、エンジさんの会社では若くてすぐ仕事をやめてしまう人も多い中その3名は安定して仕事を続けているといいます。エンジさんは具体的にどんなサポートをしているのか?講演でこう語っていました。

就職した後も、職場に馴染めるようサポート

産業廃棄物処理業で働く「エンジ」さん
従来の支援は面接する前の段階が多いんですね。面接の仕方、履歴書の書き方、中間的な労働の場所を提供するというのが多いんですけども、実際に就労した後のサポート的なものが、なかなか今は見当たらないのではないかなと思います。そこのところを今回私が内部において動き回ると。私が引っ張った人達がいる現場に行って、「私が引っ張ってきた〇〇さん元気でやってますか?大丈夫ですか?」というようなことをやっております。

従来の支援…「サポートステーション」や「ハローワーク」は基本的に就職までしか面倒を見ません。ですがエンジさんの場合は、スカウトしてきた元引きこもりの社員と元々現場にいる従業員と橋渡し役を担うことで、職場に馴染めるよう、配慮しているということです。人手不足の企業と、働きたくても働けないひきこもりの人達のマッチングが、こういった形で広まっていくといいと思いました。

(担当:中村友美)