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四苦八苦する”花火大会”の舞台裏

森本毅郎 スタンバイ!

今週から、各地で花火大会が続々と始まっていて、いよいよ花火の季節がやってきましたね!そんな中、いくつかの花火大会でちょっと大変なことが起きているんです。6月1日(木)は、レポーター中矢邦子がTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で『四苦八苦する花火大会』について取材報告しました。

★中止じゃなくて“休止”の横浜

まずは、神奈川新聞花火大会についてです。詳しいお話を神奈川新聞の長倉勉さんに伺いました。

神奈川新聞 長倉勉さん
神奈川新聞社が毎年8月にやってきた県民に長い間愛されていた花火大会は、1986年が第1回なんです。ですが、残念ながら今回休止というカタチをとらせていただきました。

神奈川新聞花火大会は、30年以上続いてきた”みなとみらい”の花火大会です。毎年20万人以上が集まって、1万5千発以上あがる首都圏最大級の花火が・・・残念なことに今年は「休止」となりました。

★理由は“安全”と“場所”が確保出来ないから!

どうして休止になってしまったのか?再び長倉さんに理由を伺いました。

神奈川新聞 長倉勉さん
年々、みなとみらい地区が整備されて、“空き地”が減少してしまいました。元々まだみなとみらい地区が空き地だらけだった状況だったので、20万人近くが来てもゆとりある状況で安全に見ていただくことができました。ですが、建物がどんどん建って、街が整備されたことで空き地がなくなって、来場者の安全に見られるところが確保できなくなったことが休止発表の主な理由です。

開催当初は、みなとみらい地区には、“ランドマークタワー”と“パシフィコ横浜”くらいしか大きな建物はなくて、ほとんどが空き地だったんですね。

時は経ち、今は開発が進んだことで、建物が増えて、花火を見る人が地上にあふれてしまい、海で船を出して花火を見たり、空ではヘリコプターを出して見るレベルまでになってしまいました。

その結果、この陸海空の警備の費用だけでなんと3億円近くかかってしまう規模になりました。

休止理由は、費用もそうですが、物理的に見る場所がなくなったことが大きかったんです。そのため、道路にも人があふれてしまい、緊急車両も通れないことや住居に侵入する人なども現れ、安全が守れないと判断したことで、今年から休止。残念ながら再開のメドはたっていません。

去年まではこの花火が当たり前に見ることができたんですね・・・

去年まではこの花火が当たり前に見ることができたんですね・・・

★予算がおりずに一旦“中止”した鎌倉

そうした中、もうひとつ、大変なことになっているのは鎌倉の花火大会なんです。詳しいお話を鎌倉市役所の中澤準さんに伺いました。

鎌倉市役所 中澤準さん
従来の花火大会ですが、実行委員会の中で主な役割を果たしていたのが“観光協会”でした。協賛金の集め方とか運営のノウハウがあるこの協会。ですけど今回、今年度の予算に関して、4月の段階で鎌倉市議会で観光協会の運営経費について、市議会で審議するときに必要な書類が揃わなかったということで、そこの予算を削除した形で予算が決定されました。そのため、夏に開催される花火大会まで、責任もって事務局の機能を担えないということで、一度は花火大会の実行委員会で中止を決定しました。

鎌倉の花火大会は“観光協会”の予算問題に巻き込まれる形で中止になってしまったんです。

・・・というのも、鎌倉の花火は観光協会が市の委託で運営しているんですが、花火大会以外にもお祭りや鎌倉市内のイベントをたくさん運営しています。いま、鎌倉にはたくさんの外国人観光客が来るので、警備や安全対策、更には外国人対応のできるスタッフを雇うなど幅広い対策が求められているそうです。

そんな中、これからどうやって対応していくのかと市議会が、観光協会に全部の行事の細かい資料を要求したところ、準備が間に合わず予算カット。その予算の中に、花火大会の予算も含まれていたので大会が中止となりました。

★市民の一致団結で費用の工面!無事達成!

ですが、このままでは70年近く続いた伝統がなくなるという事で、鎌倉の皆さんが動き出したんです。どういうことなのか?花火大会を支える有志代表の林正嗣さんにききました。

花火大会を支える有志代表 林正嗣さん
今回の花火大会にむけて、市民である私達が、花火はあったほうがいいという話があって、それを少しでも形にしようと動きました。一番困るのはお金なので、クラウドファンディング・募金等でお金を集めています。1000万円のクラウドファンディングの目標に対して、見事達成できまして支援者としては609人の方がスポンサードしてくれたというカタチになります。

ちょうど昨日、クラウドファンディングの締め切りだったんですが、無事に目標額の1000万円を達成!そして、市民の皆さんは、今回お金を集めるのと同時に“観光協会”とは別の花火部門だけを切り離した「実行委員会」を設立しました。

そして、市長へのさまざまな働きかけの結果、市長から花火大会の開催のOKも貰うことができました。

ちなみに実行委員会では、クラウドファンディングの他に市内店舗などに募金箱を置いて資金を募る”市民玉プロジェクト”というものもやっています。市内を中心に40カ所以上に募金箱が設置されていて、資金集めに加えて開催のPRもしています。

みなさんの力で花火を!”市民玉プロジェクト”

みなさんの力で花火を!”市民玉プロジェクト”

★人生そのもの!花火への熱い思い

・・・ということで、今年もいつも通り「7月19日」に鎌倉花火大会の開催が決定しました!

4月の花火大会中止からわずか1ヶ月で中止から開催へと状況を逆転させた鎌倉市のみなさん!そんな中で、鎌倉に古くから住む商店の方にきくと熱い花火への思いがありました。

鎌倉でお団子と食事が楽しむことができる鎌倉季草庵の店主、田村徳幸さんのお話です。

鎌倉季草庵 田村徳幸さん
なんか、寂しい。今までずっと続いていたものがなくなる寂しさがありました。それと毎年、7月には2人の娘が誕生日を迎えるので、いつもサポーターズ花火でメッセージと同時に花火をあげてるんです。私は、娘たちのためにあげてやりたいということで毎年あげてやっていて、その時は自分たちの名前を呼んで、花火があがった瞬間に大泣きしたんです、ありがとうって。その感動が今も忘れらない!それでテレビや新聞で、花火がなくなるって書かれて、娘たちも『今年花火ないねーおとん』っって。一緒に食事するときに、寂しそうでした。花火のどっかーん!ぴっかーん!の光を見るたびにほっとしますよ。今までの苦労がぽっと飛んだような感じです。だから、市民が協賛金集めようと聞いた時は武者ぶるいしましたね!これでずっとできると感動を覚えましたね。
田村さんとお店に設置している貯金箱と。

田村さんとお店に設置している貯金箱と。

熱い思いを話して下さった田村さんから、この花火大会がかけがえのないものであることをひしひしと感じました。私が、以前横浜で何気なく見た花火にも裏では、それぞれ地元の事情や思いが深く関わっていることを思い返しました。

夏の風物詩だけに、なくなるのは寂しいですが、安全や場所がない“神奈川花火大会”はこれからの工夫が必要で、一方、手続きの問題で予算がつかないで伝統がなくなりかけた“鎌倉”は市民の支えで中止を阻止したという意味では今年の大会は盛上がりそうですね。

中矢邦子

中矢邦子が「現場にアタック」でリポートしました!