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不眠・いびき・難しい自覚「睡眠時無呼吸症候群」治療は!?

森本毅郎 スタンバイ!

眠っている時に、大きないびきをかき、呼吸が何度も止まる、睡眠時無呼吸症候群。この病気の人は、2百万から3百万人いると推測されています。日中のパフォーマンスへの影響にとどまらず、命に関わる病気を引き起こします。その対策は?6月12日(月)の松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。

★睡眠時無呼吸症候群の診断基準について

寝ている時に、1回呼吸が止まっただけで、この病気と診断されることはありません。呼吸が止まった状態を、無呼吸といいます。時に1分ほど息が止まる場合もありますが、10秒以上呼吸が止まる無呼吸が1時間につき、5回以上あると、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。また、無呼吸と交代するように、特徴的な大きないびきが現れます。

★寝ながら運動しているようなもの

健康な人は仰向けに寝ても、空気の通り道、気道は保たれます。ところが、睡眠時無呼吸の人は、眠ると気道に関わる筋肉が緩みます。筋肉が緩むと、口の奥の天井部分の軟口蓋や舌の付け根部分の舌根が気道に落ち込みます。すると気道が塞がれて、無呼吸になり、体内に十分な酸素が行き渡らない状態になります。すると、脳が非常事態を察知し「おい、起きろ!」と体を目覚めさせる指令を出し、一旦呼吸は正常に戻りますが、また眠りに入ると、気道が塞がれることになります。

無呼吸時に、センサーを使って呼吸を測定してみると、目が覚めている時の、5倍から10倍以上も苦しい呼吸になっているという調査もあります。これではまるで、激しい運動をしながら寝ているようなものです。

★重い病気のリスクにも

こうして体内の酸素の量が低下する状態が繰り返されると、血管にストレスが加わります。すると血管は炎症を起こし、動脈硬化の促進につながり、高血圧になります。高血圧のリスクはおよそ3倍になり、その先の心筋梗塞や脳梗塞のリスクもアップします。

★加齢と肥満に注意

睡眠時無呼吸の原因の多くは、「加齢」と「肥満」です。年を重ねると、気道周辺の筋力や組織の弾力性が低下し、のどが塞がれやすくなります。50歳以上になると、注意したいところです。また、首回りが40cm以上ある人、二重あごの人は、注意したいところです。肥満は目に見えるところが太るだけでなく、内側も脂肪がたまり、喉が塞がれやすいのです。

★自覚するのが難しい

そして、この病気が厄介なのは・・・当然ですが、眠っているときに起きること。自分でなかなか気づけないので、実際治療している人も、病気全体の1割と低い状況です。パートナーの人に、『あなた呼吸止まっていたけど、大丈夫?』と言われて異常に気付く。

自分が睡眠時無呼吸だと気づくきっかけは、だいたい日常生活に支障が出てきてからです。まず、朝目覚めたときには、すっきり感がない、頭痛がする。日中は、眠気に襲われ、思うように生活が送れなくなったり、物事にも集中できない。そうした日中の症状の積み重ねで、最近おかしいな、と気づけるとよいのですが、気づけないと、実際に大きな事故につながることもあります。

無呼吸症候群の人が、交通事故を起こすリスクは、健康な人に比べ、およそ「2・6倍」にも上昇する、というアメリカの調査も出ています。パソコン作業では、振り込み金額を1桁間違えてしまう、という失敗も実際あるそうです。こうした支障が実際ある人や健康診断で指摘を受けた人は、まずは検査をおススメします。

★自覚するための検査は?

検査は、自宅で行う事前の簡易検査と、1泊2日の入院検査となります。まず、自宅で睡眠時の体内の酸素濃度や脈を測るモニター検査をします。これは、自分で機器のスイッチを入り切りして行えるもので、機器を検査機関に送ります。この検査で陽性と判定がでれば、入院しての本検査となります。脳波や眼球運動、いびきの音など7項目の測定を行い、診断が出るという流れです。

★治療について

重症でない場合は、まず生活改善となり、体重の5%を目安に減量していきます。また横向きに寝ることで、舌がのどに落ち込まなくなり無呼吸が改善することがあります。横向きに寝るために、抱き枕などを使うのも良いでしょう。また、それで改善されないような場合は、マウスピースを使うことになります。睡眠時無呼吸の人の中には、あごが後退していて気道が狭いことが原因の人がいるですが、下あごを前に数ミリ程度突き出せるように作られたマウスピースをつけ、気道を広げます。

無呼吸が1時間に20回以上ある、重症の場合は、「CPAP(シーパップ)」という特殊なマスクをつけて治療していきます。これは睡眠時に、鼻にマスクをつけて、鼻から空気を送り込み、気道を確保するものです。空気は、別途、ベッドサイドなどに置いた、小型の装置から送り込まれます。そして、マスクは寝ている間にズレないように、頭とアゴの部分でバンドを使ってグルっと一周、固定します。

「これは寝にくそう」と感じる方もいるかもしれませんが、無呼吸症候群の人は、むしろ、着けていた方が熟睡でき、次の日から眠気がなくなる人もいます。根治治療ではありませんので、外せばまた元の無呼吸症候群の状態になります。とはいえ、使っている間、日中の眠気が改善さえ、生活改善を行っていくことができます。

★米は購入・日本はレンタル

欧米でもシーパップは、最も普及している治療法で、アメリカでは、ネットなど一般の場所でも、シーパップを買うことができます。一方、日本では、病院からのレンタルで、月一回程度通院して、治療効果をみます。1台もっているのも便利ですが、日本のレンタルで十分です。治療として保険適用で出費は抑えられますし、メンテナンスなどもしてくれます。

★手術が必要なケースも

最後に、扁桃組織が大きくなって気道を塞いでしまっている場合は、手術を検討します。菌が外から、体に侵入しようとすることを防ぐ、扁桃組織はのどの奥=のどちんこ部分と、鼻の奥=アデノイド部分の2か所ありますが、喉奥のアデノイドが肥大する病気があります。大きくなるのは大体3歳から6歳の小さい子供に多いのですが、それが小さくならないと無呼吸症候群になる場合があるので、手術を選択した方が良い場合があります。

 

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170612080000

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