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赤くて痛い発疹「帯状疱疹」その原因と治療について

森本毅郎 スタンバイ!

帯状疱疹は、皮膚に、痛みを伴って、赤い疱疹が帯状に現れる皮膚の病気です。50歳以上は誰でもかかる可能性があり、早めに対処しないと重症化する恐れもあります。そうしたことから国は大人を対象に帯状疱疹の予防ワクチンの定期接種化を検討しています。病気の原因や治療は?6月19日(月)の松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。

★「痛い」帯状疱疹

まず帯状に赤い発疹が出る帯状疱疹についてですが、辛いのは、その「痛み」です。痛みは千差万別で、中には痛みでなく「かゆい」「しびれる」と表現する人もいます。しかし、多くの患者さんは、「痛みで眠れない」・「衣類が触れるだけで痛い」など「激しい痛み」に襲われ、日常生活にも大きな影響が出ることがあります。

その原因となるのが、水痘ウイルスです。水痘とは、一般的には水ぼうそうと呼ばれ、水ぼうそうは多くの人が5歳ごろまでに一度は、感染しています。

★水痘ウイルスが潜んでいる・・・

一度水ぼうそうにかかった人が、年をとって発症するのが帯状疱疹です。水ぼうそうのウイルスが、体内に残っていて悪さをしているんです。

どういうことかというと、水ぼうそうを引き起こす、水痘ウイルスは子供のころに初めて感染した時は、喉の粘膜に感染して、全身に散らばります。そして、皮膚に水ぶくれをたくさんつくりますが、やがて抗体ができて、一旦治ります。

治ったといっても、表面的に水膨れが治っただけで、ウイルスが消えたわけではありません。実は、水痘ウイルスは、脊髄や脳、そして神経の奥深い部分の神経節というところに、まるで平家の落人のように、じっと潜んでいます。

確かに、一度、水ぼうそうにかかると、二度とかからないとは言われています。これは、インフルエンザウイルスを予防するワクチンと同じ原理で、体の中に、水ぼうそうのウイルスが入り、水ぼうそうになると、その免疫ができるので、普通は、二度とかからない、というわけです。

★ウイルスが目覚める時

ではなぜ水ぼうそうのウイルスがまた元気になってしまうのか?それは様々な要因で、水ぼうそうに対する免疫力が弱くなるからです。

1つは、自然と弱くなっていく、というケースです。水ぼうそうになって、一度獲得した免疫も、年が経つと力が弱まります。通常は、身の回りの子供が、水ぼうそうにかかったりするのでで、定期的にウイルスを浴びて、免疫の働きはその都度、強化され、維持されます。しかし最近は、予防注射の発達や少子化で水ぼうそうの子に接する機会が減りました。そのため、時間が経つにつれて、免疫力が弱っていく、というわけです。

これに加え、もう1つ、その人自体の免疫力の低下も影響します。年をとったり、病気をしたり、ストレスが多いと、免疫力が低下します。こうした時に、体の中に潜んでいた水ぼうそうのウイルスが活動を再開し、帯状疱疹となるわけです。

年齢で言うと、50代からの中高年で急激に患者数は増えていて、80歳までに、3人に1人が帯状疱疹を起こすともいわれています。また、季節的には特に夏バテの出やすい夏から秋にかけて患者さんが増えるようです。

★帯状疱疹が出やすい場所

増殖したウイルスはやがて、神経を伝わって、皮膚近くまでモソモソと出てきます。ウイルスが伝ってくる神経は、知覚神経といって、痛みなどの感覚を伝える神経です。そこをウイルスが攻撃することで、神経が痛み皮膚に赤みを帯びた水ぶくれができます。

発症しやすい場所は、胸、背中、おなか、顔や頭と言われていますが、知覚神経は、全身どこでもあるので、人によっては口の中に帯状疱疹ができることも。

顔回りに出てくる場合は、少し注意が必要です。目に出てくると、角膜が障害されて、視力が下がります。耳に出てくると、聴力が下がるのに加え、顔面神経麻痺が高い確率で起きます。

★早めに気づくためには!?

ここで大事になってくるのが、帯状疱疹に、やはり早めに気づくことです。ウイルスが伝う知覚神経は、体の表面を半周しているので、右か左の片側に症状がでます。原因不明の痛みが体の片側にある場合は、そこに水ぶくれがあるかどうか注意しましょう。

ちなみに、一般的には、水ぶくれが出る4日から5日前に、痛みが出てきます。できれば、痛みが出てきた後に、すぐ治療に取りかかりたいところです。

治療は、ウイルスをやっつける薬を使ったり、場合によっては一週間程度、入院します。放っておくと、辛い後遺症に。すぐにその治療に取りかからずに、そのままにしておくと、「帯状疱疹後神経痛」という、重い後遺症に、長い期間悩まされる可能性が高くなります。

「帯状疱疹後神経痛」・・・これは本当に辛い後遺症です。発症から1か月もすると、放置していても大抵は皮膚が元通りになって、痛みも消えます。しかしその後も、痛みだけが残っていて3か月もすると、それが後遺症に変貌します。表現すると、万力で締め付けられるような痛みや、何度も針を刺すような痛みこれが1日に7、8回、1分から、数分間続きます。こういった痛みが、長い人だと、「2~3年」、中には「10年」続く人もいます。四六時中痛みが続くと、患者さんはやる気がなくなるばかりかうつ症状もでてきてしまう。そして、治療の選択肢は、痛みを抑える薬を使いながら、ゆっくり治るのを待つのみです。

★目安は発疹ができて、3日以内

目安は、水ぶくれが出きて、3日以内に治療を開始することです。そうすれば、かなり高い確率で、後遺症は避けられます。病院がお休みとなる週末にかかった場合は、受診しにくいことがあります。それでも、週明けまで待たずに、土日に空いている病院や地域の休日当番の病院で、診断・治療を受けるようにしてください。痛みと、特徴的な皮膚の症状が揃えば、帯状疱疹の診断は、比較的早くできます。

★ワクチンで予防も可能!

なお、帯状疱疹の予防は、ワクチンを接種することで、可能です。以前から海外の研究では報告されていましたが、去年日本でも、水痘ワクチンの効能として「帯状疱疹の予防」が追加されました。それを、今、大人を対象に定期接種化しようという検討もされています。今はまだ保険適用ではないですが、保険適用になれば効果はあると思います。

 

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170619080000

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