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新元号が早く決まらないと2年後のカレンダーが間に合わない!?

森本毅郎 スタンバイ!

天皇陛下の退位を実現する特例法が6月16日(金)公布されました。これに先立つ6月14日(水)、カレンダーのメーカーで作る団体『全国カレンダー出版協同組合連合会(全カ連)』が記者会見を開いて、『新しい元号は今年中に公表してください!』と訴えました。そうでなければ新しいカレンダーが作れないというのです。新しい元号に変わるタイミングは、2019年の1月1日という案と、2019年の4月1日という案が政府内で出ていると伝えられています。だとすればまだまだ余裕がありそうなのに。なんでなのでしょう??そこで・・・。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日6月20日(火)は、レポーター近堂かおりが『新元号が早く決まらないと2年後のカレンダーが間に合わない?!』をテーマに取材しました!

そこで、どうしてカレダー業界はそんなに急ぐのか、お聞きしました。全カ連の特別理事、強口邦雄さんのお話。

★2年前から作っているんです!

強口邦雄さん
「実は、カレンダーは2年前に製造しはじめているんです。例えば来年のカレダーだと、今年の3月ぐらいにはできあがっているんです。それで同時進行で、4月1日から各メーカーが新しい、2年先のカレダーの基本データを作り出すんです、社内で。春分の日とか秋分の日とか、ただ日にちや二十四節気だけじゃなくて、八十八夜は何日だとか、土用やお祭りの行事などを、ぜんぶ確認作業していくんです。そして最終的に組合として暦の原本を夏前ぐらいには完成させるんです。」

カレンダーって日付や曜日をちょっと修正すればすぐできるんじゃないの…なんて思ったら大間違い。ほかにも六曜(大安、仏滅とか)二十四節気(立春とか夏至など)、雑節(八十八夜、土用、二百十日など)、九星や干支、地域の行事やお祭りなどなど、暦にまつわるいろいろな情報を、その年に合わせて変更するという大変な作業がある。そうやって全国のカレンダーの見本になる”暦原本”を毎年夏までに完成させる。それから各メーカーでデザインして、12月から翌々年のカレンダーを印刷し始める。だから少なくとも1年前(つまり今年中)には新元号を教えてもらわなければ、2019年のカレンダーは作れない! …ということらしいです。印刷が1ヵ月遅れるごとに10億円の損失が見込まれるというから業界は焦るはずです。

★祝日シールを貼ったこともあったな。

ではカレンダーを扱うお店はどうなんでしょう?のお話。
東京・台東区にあるカレンダー販売店『小川笙船堂』の小川さんに聞きました。

『小川笙船堂』の小川さん
「我々小売店にとりましては、直接的な影響について恐れは感じていないんですけど、ただ、30年ほど前だったと認識しているんですが、休日の変化が突然あったときがありまして、そのときには在庫で抱えているものが多少売りづらくなるというか、まあ全体的な変化だったので対処しようがなかったんですが、ものによっては、透明な”休日シール”を上から貼って対処したりしました。」

新元号の公表時期については心配していないけど、休日の変化はちょっと心配・・・。実は、先ほどのカレンダー業界の訴えも、新聞などでは、『元号について要望』と報じたところがほとんどなのですが、実際、業界が心配しているのは、今の天皇陛下が退位したあとの祝日のことなのです。

★元号だけじゃなくて祝日も!!

再び、全カ連の強口さんのお話。

強口邦雄さん
「どちらかというと祝日がいつどう変わるかというほうが我々にとっては重要で、12月23日の天皇誕生日が今度、今の皇太子殿下の誕生日の2月23日になります。(元号が変わるのが)例えば1月1日からであれば、2月23日は祝日(アカ)になりますが、4月からですと、2月23日は平日(クロ)のままだと思うんです。それで、12月23日は平日扱いになるのか、べつの扱いで祝日になるのかとか。これを直すとなると大変な作業なんです。」

最初にご説明したように、天皇陛下の退位と皇太子さまの即位のタイミングは、2019年の『1月1日』案と『4月1日』案が出ています。どっちになるかで、新しい天皇誕生日の祝日が2019年からか、翌20年からか変わってくるのです。

さらに今の天皇誕生日は祝日になるのか、祝日なら名称はどうなるか、も問題。そしてこの修正が大変なのは、12月と2月だけじゃ済まないから。カレンダーには、一枚の紙の中に、その月と前後の月(つまり3ヵ月分)の日付が印刷されているものが結構ありますよね。この場合、5枚分の修正が必要になるのです(11月、12月、1月、2月、3月)。つまり1年12枚の半分近くが刷り直し!(これは大変ですよね!)

★いっそ西暦だけではダメ?

実は今回お話をお聞きした強口さんが代表取締役を務めるカレンダーメーカー『トーダン』は、1903年(明治36年)創業、今年で創業114年の老舗。これまでに明治、大正、昭和、平成と、3度の改元を乗り越えてきた。ただ、新元号でこんな大変なことになったのは今の西洋式のカレンダーが普及した戦後以降のことだそうです。21世紀の今、西暦だけでもいいのでは、という声もありますが、強口さんに聞いてみました。

強口邦雄さん
「元号不要論という方もいらっしゃいますが、賛成か反対かは別として、例えば『昭和』といわれたら、昭和はああいう時代だったよねと、元号の表記だけでその時代が表現できる。これも日本人的な細かさというか、心の豊かさだと思うんです。(では、カレダー業界にとって「平成」はどんな時代でした?)平成は穏やかな時代ですね。平和ぼけといわれて、平和を享受しながらありがたみを感じていないけれども、後から歴史を振り返れば、日本は平穏な時代だったと見られるのではないかと思います。」

くしくも『共謀罪』法案が可決されたりいろいろあった…。平和が続くことを祈る気持ちになってしまいました。
いずれにしてもカレンダー業界は、今年いっぱい、気をもむことになりそうですね。

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。