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東京湾を襲う「赤潮」その解決策は!?

森本毅郎 スタンバイ!

“海の日”の今日は、千葉で最近確認されている「赤潮」について、7月17日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

千葉市役所には、市民の方からも相談が寄せられているそうです。まずは、相談内容について、千葉市・環境規制課の秋山智博さんのお話です。

★「赤潮がにおう!」対応に追われる千葉市役所

千葉市・環境規制課 秋山智博さん
7月10日(月)から電話が殺到していて、14日(金)のお昼の時点で環境規制課に109件頂いております。通常の赤潮だとただの潮のにおいなんですが、『生臭い』、『生ごみの臭いがする』という風に、何かおかしいという電話が、市民の方から入っていた。
赤潮自体は東京湾から対岸の神奈川県まで広域に広がっているが、この時期、南西の風が比較的強く吹いていて、千葉市側に流れてきているため、どうしても千葉市周辺の海側の方から、連絡を頂く事が多いです。
森本毅郎スタンバイ!

今回私は、「いなげの浜 海水浴場」と「千葉みなと」で現地取材しました

「いつもと違うにおいがする」、「何かおかしい」と市民の方から相談が相次いでいて、相談件数は先週までに109件!においの原因について千葉県などが調査したところ、「赤潮によるものだ」ということは断定されています。

そもそも赤潮とは、プランクトンなどが大量発生し、色が赤っぽく染まって見える現象です。ただ、赤潮の全てがにおう訳ではなく、大量のプランクトンが死んで腐ったりすると、今回のようににおいを放つことがあるそうです。プランクトンが大量発生した原因は分かっていませんが、猛暑で高温が続いたことで増殖した可能性があるといいます。

千葉市役所の秋山さん曰く、赤潮は東京湾全体に広がっている状態で、風向きの影響で、千葉沿岸部ににおいが流れてきているのではないかと仰っていました。

★市民も感じていた、広範囲で拡がる異臭

では、どんなにおいがするのか?海はどういう状況なのか?先週金曜日に、JR京葉線「千葉みなと駅」の近くにある、千葉ポートタワーのふもとの海岸に行って、遊びに来ている方にお話を伺いました。

●「前来た時は入って遊べるくらい綺麗だったが、いまは臭くて、僕ちょっとこういうにおいは苦手なので、あまり近寄りたくない。ゴミ箱の臭いがしますね。赤っぽいというか茶色っぽいというか。
●「電車の扉開けた瞬間に臭かった。2日前くらいに海浜幕張の駅で。
●「千葉駅の方とかでも駅降りてすぐに臭かった。こんな色はしてなかった。濁っている。
●「家出たら生臭くて、最初、近所の家のごみかと思ったら違って、赤潮の影響なんだねと話していた。普段そんなに綺麗でもないけどここまで濁っている感じではない。

千葉駅は比較的海岸の近くにある駅ですが、それでも駅から海岸までは直線距離で2kmはあります。そんなところでも、電車のドアが開いた瞬間「においがした」ということです。

森本毅郎スタンバイ!

【千葉みなと】多くの魚の死骸が打ち上げられていました。地元の方によると、「こんなに大量の魚が死んでいるのは見たことがない」そうです

また、丁度きのう海開きした「いなげの浜 海水浴場(千葉駅から車で20分位の距離)」に行ったところ、やはり海の色が赤く、海にはちょっと入りづらいかなぁ・・・という印象でした。

森本毅郎スタンバイ!

【いなげの浜 海水浴場】確かに、錆びたような、赤茶けた色に見えます

森本毅郎スタンバイ!

【いなげの浜 海水浴場】押し寄せられた魚たち・・・。連日の暑さで腐敗が進み、こちらも異臭が漂っていました

ただ、赤潮のにおいは徐々におさまってきているということなんですが、完全になくなる見通しは、いまのところ立っていないということです。

★“ウイルス”を含む泥を赤潮に撒くと、赤潮が消える?!

どうにかして赤潮を抑え込む方法はないのか、取材を進めると、今年1月、“ウイルス”を使って赤潮を食い止める実験に成功した、というところがありました。詳しいお話を、広島にある瀬戸内海区水産研究所のセンター長、桑原隆治さんに伺いました。

瀬戸内海区水産研究所・センター長 桑原隆治さん
赤潮をなんとかやっつけられないかと考えていますが、自然の生態系の中にいる赤潮の天敵となるような生き物=赤潮のプランクトンに感染する“ウイルス”を見つけました。
ウイルスは海底の泥に溜まっているが、その泥を実際に赤潮が発生している海域に撒けば、赤潮のプランクトンに感染し、死滅させることができると考えています。今回、貝を殺すプランクトンが発生した時に試してみたところ、ウイルスを入れた方が少し早く赤潮が消えるというような結果は得ています。

瀬戸内海区水産研究所は広島にありますが、広島は牡蠣の養殖が盛んです。実は20年前、赤潮が発生したときにカキが大量死し、県全体で40億円近い被害が出たことがあるそうなんです。

そこで、「貝に被害を与えるプランクトン」を撃退する方法を研究し、プランクトンの天敵となる“ウイルス”の存在を突き止めました。ウイルスは海底にある泥の中に含まれているということで、その泥を取ってきて、船の上から赤潮めがけて撒くという方法で、赤潮が早く消えた、という実験結果を得ることが出来たそうなんです。

★赤潮対策の研究、今後に期待

この実験成功を受けて、赤潮被害で困っている漁業関係者からの問い合わせが相次いだということたっだので、「全国の赤潮被害はもしかしたらなくなるのではないか」とも思ったんですが、桑原さんは最後にこんなことを話してくれました。

瀬戸内海区水産研究所・センター長 桑原隆治さん
親潮のプランクトンはたくさんの種類があって、それぞれのプランクトンに特異的にウイルスが感染する。今回の千葉のプランクトンが何の種類かは分かっていないが、報道等で見る限りでは、私たちが持っているウイルスがそのまま効くかというと、そういうことではない。
ただ、千葉のプランクトンに対して有効なウイルスを探して、見つかればコントロールできる可能性はある。

赤潮と一言で言っても、赤潮の原因となるプランクトンは少なくとも数十種類あるそうです。今回の実験で使われたウイルスは、貝に被害を与えるプランクトン以外は効果がないんです。ただ、研究を進めれば、東京湾のプランクトンを撃退するウイルスは見つかる可能性があるということで、赤潮対策のため、今後も研究を続けるとお話ししていました。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!