東京の浅草や亀有などで制作体験できる江戸切子。ラジオパーソナリティのジェーン・スーさんが体験して、激推しするその理由とは?
そもそも江戸切子とは?
江戸末期に江戸で始まったカットグラス工法のガラス工芸・ガラス細工。東京の地域ブランドの一つ。赤、青、紫など色とりどりの色被せグラスに切子を入れてデザインを施す。大正時代になるとカットグラスに使われるガラス素材の研究や、クリスタルガラスの研磨の技法が開発されるなどして、江戸切子の品質はさらに向上した。
江戸切子体験とは?
都内には浅草、日本橋、亀戸あたりに10軒ほどの体験教室がある。所要時間は1時間から3時間、グラス込みの値段は3000円台から6000円台。体験できる内容、作れるグラスの模様によって値段が違う。スーさんは、やるならみっちりやろうと、3時間で6480円の亀戸にある彩り硝子工房さんへ。
1、カットの練習
まずは、ガラスのペーパーウエイトで切子の練習。思ったところに刃が当たらず、集中していないと真っ直ぐ線が描けない。
2、グラス選びと模様の説明
削りの練習をしたら、グラスを選ぶ。色付きグラス、実は色がかぶせてある二重のグラスの2種類。模様は伝統的なものから動物やスカイツリー、花火のモチーフまでいろいろ。難しい模様は職人さんがサービスでやってくれる。複雑な模様も、ぐるぐる回っている刃へのガラスの当て方を変えるだけで描いていく。刃のアテ方、力の強弱によって彫りの模様は如何様にも変わるそう。
3、グラスに模様を描く(割り出し)
カットの目安になるガイドライン。15cmほどの木の定規に等間隔に穴が開いた器具(座高を測る計測器のイメージ)をあて、油性マジックで模様を描く。
4、彫り出し
体験した工程は三段階。粗摺り(あらずり)で大まかな線をとり、もっと細かく削れる機械で模様をより細かく滑らかにし、最後は職人さんに渡して磨いて貰うのを見学。(本当はもっと長い工程があるらしい)。機械は水で濡らされており、目に水が入らないよう念のため眼鏡をかける。これが中々、難しい。刃とガラスの接点が全然見えない!!! 削りは刃に対してグラスを押したときではなく、グイッと引く時に模様が描かれる。手前に引く度に集中力が増していくのを感じる。力のいる繊細な作業。ふと気を抜くと変なところまで削られてしまう。でも、職人さんが隣でびったり手取り足取りサポートしてくれるので安心。
スーさんが感じた江戸切子体験の魅力とは?
3時間あっという間。めちゃくちゃ楽しかったし、なんなら感動。激しく人に勧めたい。職人さんでもない限り、大人になると形ある残るものを手作業で作ることが日常でほとんどない。子どものころは工作とかあんなにしたのに…脳の使う場所が全然違う。集中力がすごくて、ゾーンに入る感覚がする。また、自分で作ったものは愛用したくなる。いままでペットボトルから直接飲んでたのにグラスを使うようになった。これで、3時間6480円はお得。子どもはペーパーウエイト作りの体験とかあるらしいので、親子にもオススメ。
スーさんが作った江戸切子はこちら。
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