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渋谷区・バリアフリー化のための「まちあるき点検」▼人権TODAY(7月29日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・『渋谷区が取り組むバリアフリー化のためのまちあるき点検』

再開発が進む渋谷で「とある取り組みが」

今日は渋谷区が取り組んでいるバリアフリー化のための「まちあるき点検」について報告します。JR、東京メトロなどの渋谷駅周辺は今、都市再開発のための工事が行われています。渋谷区は区が策定する「基本構想」ですべての人が暮らしやすいバリアフリーの街づくりをめざし、駅周辺の再開発も、段差の少ないフラットな動線を確保する開発になっています。しかし工事箇所以外、駅から少し離れた場所などにある施設、店舗などのバリアフリー化はなかなか進んでいません。そこで渋谷区の都市整備部が、障がい者、高齢者などの利用者目線でバリアの有無、改善策などを現場でチェックする試みを始めました。それが「まちあるき点検」です。

まちあるき点検は今年の5月末にスタートし、区から協力を求められた障がい者、高齢者が参加してこれまで14回、28箇所の点検が行われました。私は7月に行われた、公共施設2箇所の点検に同行しました。公共施設や民間施設などの出入り口、通路、お手洗いなどの幅、勾配、使いやすさ、表示の伝わりやすさなどの細かなバリアを、障害者、高齢者の方などが実際に歩いてみて使いながら点検、幅、高さ、勾配など計測し、評価、意見、要望などをボランティアがチェックシートに記入し、提出する作業です。
    

点検に参加した視覚障害者と足に障害がある人の声
「我々目が悪いから、受付の台とかお手洗いとか階段とか、いろいろ聞かれて、点字ブロック、足止めをつけてくれるといいかもしれないですね」私は小児まひで左足がダメなんです。渋谷は都心ちゅうの都心ですからバリアフリーの対応は先行してるはずなんですけど、こうやって点検してみるとまだまだ、それに障害によって、部位によってバリアが違うじゃないですか。(こうした取り組みで)少しずつでも街がバリアフリーになればいいと思っています」

健常者には気付きにくい「バリア」

この取り組みでは、実際に利用しながら点検するので、とても細かい課題まで気づきます。たとえば車椅子使用者向けの表示の位置が実際に車椅子を使用する人の目の高さに合っているか、道路に面した入口が斜面の場合、車道に車椅子が飛び出さないように柵などが作られているか、段差について、足に障害がある人、高齢者は大きな段差よりも小さいな段差がつまづきやすく、ちょっとした段差でも解消してほしいなどの指摘がありました。健常者には気づきにくい指摘が多くありました。
   
この「まちあるき点検」がユニークなのは、障害者、高齢者と一緒に区内にある大学の学生がボランティアの聞き取り役として参加し、一緒に歩いている点です。障害者、高齢者と大学生が二人一組になって、用意されたチェックシートにある点検箇所の使いやすさ、伝わりやすさについて意見を聞き取ります。大学生が、障がい者、高齢者の不便、使いにくさを、密接にコミュニケーションをとりながら理解していける作業になっています。
    

「まちあるき点検」を担当している、渋谷区都市整備部・中田和宏さん
「職員でやっても、自主的に書いてもらうのは難しいので、聞き取りでやっていくにあたって、職員もすごく勉強になって、このこと自体を研修でとり入れてる自治体もあるんですね。こういうことを広めていくために、ボランティアの方に知っていただくこと、パラリンピックも視野に入れて、そこに向けたソフト対策としても、ボランティアの方にも 参加していただこうと思っています」

この点検作業では大学生ボランティアが熱心に障害者、高齢者の方から意見を聞き、自分たちには分からなかったバリアの存在に驚いているようでした。またこの点検作業をバリアの発見だけでなく、障がい者、高齢者とコミュニケーションする貴重な機会ととらえているようです。
    

学生ボランティア
(男性)「思ったより障害(バリア)があるなと思って。鏡とかあってもそれが本当に使いやすいかは 障害者の目線になってみないとわからない、そういうところがためになりました」(女性)「大学2年生なんですけど、ちょうど卒業する年にオリンピック、パラリンピックの年になるので社会に出てゆくタイミングなので、こういう体験を活かした働きをしたいですし、自分たちの今の状況だと障害を持った方と話をする機会はないので、こういうところで体験することでいろんな理解ができると思ってます」

    
私(藤木TDC)が取材した日に参加したボランティアは、法律、経営など必ずしも福祉を専攻してる学生ではありませんでした。彼らはそれぞれ卒業後にめざす進路で、この経験を役立てたいと語っていました。こうした点検作業を、今後どのようにバリアフリー化に反映させるのか?点検先の施設が民間業者の場合、渋谷区として点検結果、意見をどう反映させ効果を出すか、今後その仕組みを検討していくとのことでした。また今回は点検をするのが身体障害者、高齢者でしたが、すべての人にとってのバリアフリーをめざす意味から、知的障害者、外国人、LGBTの方などの点検参加も構想されています。

渋谷区都市整備部 中田和宏さん
「今は課題出しの段階なので、どういう結果に結びつくかはこれからになると。まだまだ20数施設しかやっていないので、できるかぎり、障がい者の方、高齢者の方ができるというところまでは、ずっと続けていきたいなと思っています」

健常者の知識や感覚では分かりにくいバリアがかなりある、という点に気づくだけでも、こうした作業は有意義だと思います。「まちあるき点検」は次回は8月中旬以降に行われる予定です。2020年にパラリンピックもありますし、こうした作業をきっかけに、渋谷区だけでなく多くの地域にバリアフリーへの意識が広がっていけば良いと思いました。

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(担当:藤木TDC)