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知的障碍者の「親亡き後」について、学ぶ▼人権TODAY(8月5日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8時15分頃から放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…2017年8月5日放送「知的障碍者の親亡き後について、学ぶ」

 

担当:崎山敏也

 

東京・北区にあるNPO法人「勉強レストランそうなんだ」が

知的障碍のある人や家族を主な対象に開いている「自立支援講座」を

崎山記者が取材しました。

 

「勉強レストランそうなんだ」のコンセプトは「一生涯にわたって、学ぶ場を提供する」というもので、「自立支援講座」を12年前から、年に数回開いています。今年度は「親亡き後」がテーマです。

7月15日、北区・赤羽で開かれた今年度最初の講座では、自らも障碍のある子供がいる、理事長の福喜多明子さんが「発達の障碍のある次女の成長にあわせて、

その時、その時の課題を取り上げてきているんです。学校に在籍している時は学校のカリキュラムの問題。卒業したら、就労や様々な社会に適応していくための課題が出てくる。

それで、今は「親亡き後」というところにテーマが至ったわけです」とあいさつしました。

 

知的障碍者の保険について

この日の講座は「保険」についてで、少額短期保険の会社、「ぜんち共済」の社長、榎本重秋さんらが講師を勤めました。

「全国知的障碍者共済会」を前身にもつ「ぜんち共済」は2006年に設立され、通常の「保険」には入りにくい、知的障碍や発達障碍のある人を対象にしています。

例えば、地域や、通っている学校、施設で、他人のものを壊したり、怪我をさせたりした時の賠償の補償があります。

入院などの医療保障もあります。榎本さんは「障碍のある人は、医療では助成がありますが」と前置きした上で、保険が必要な理由について

「ひとたび、入院しますと、健常者と相部屋では困ります、という理由で、病院のほうから個室へ入ってくださいと言われるケースが多い。そうなると、差額ベッド代が生じてしまいます。

この差額ベッド代が正直言って、馬鹿にならない。それから、知的障害のある人には付き添いが認められている。家族が付き添い看護につくと仕事を休まなくてはならない。

病院が遠いと高い交通費をかけてお子さんのところに通わなければならないということがあって、費用負担が必要になります」と説明します。

 

そして、「ぜんち共済」の保険には「権利擁護費用補償」というものがあります。障碍がある人が地域で生活するリスクには様々なものがあります。

だまされて高い物を買わされた、とか、いじめや虐待の被害者になったり。そういう時、弁護士に相談したり、依頼する費用を補償して、権利を守ります。

榎本さんは他にもこういう例が、ということで「障害があっても逮捕されるケースが多々あります。本当に犯罪を犯したというケースもありますが、

場合によってはその行為はやってないのに、警察官から、お前やったのか、というのに対し、やりました、と鸚鵡返しに言ってしまって、刑務所に送られる。

そういうこともあったかもしれません。障碍者が地域で暮らす上では、いろんな時に専門家に相談するとかの社会の仕組みが必要になります」と話しました。

現時点で、「権利擁護補償」というのは、「ぜんち共済」の保険が国内で唯一です。

 

榎本さんからはこのほか、「ぜんち共済」の設立を決めた理由や設立までの経緯、苦労、 そして営業担当の方から詳しい商品の説明もありました。

終わった後、参加していた方に感想を聴くと、いずれも障害のあるお子さんがいる女性で、「勉強不足もあるし、自分でもどうしていいか。具体策がまだ出てなくて。

でも、正直言うと、子供の年齢、親の年齢を考えると、具体的にしなきゃいけないときにきているんですけど、まだ、準備不足で」

「自分も年取ってきて、これからどうしようかな、と。この子を残して。兄弟にも頼めないし、一人で暮らすにはどうしたらいいかなと。

そういう面では保険も必要だし、グループホームのことも考えたいし。あと弁護士さんですよね」といった声が帰ってきました。

 

「勉強レストランそうなんだ」の今年度の自立支援講座はこのあと、「信託」「年金」を学ぶ予定です。

障碍年金は、生活の基礎になる大事なもので、まだ子供が小さいという人にも、今から必要な知識をつけてほしいし、

「信託」はある程度お金のゆとりがないとできないものかもしれませんが、一から勉強してもらって、生きていくための「選択肢」を色々持ってもらいたいという考えからです。

参加者の方が話していたのですが、「親亡き後」、というのは、まさに「生活の全て」について考えなければならないんです。

こういう「学びの場」が地域にあるのは、大切なことだと崎山記者は感じました。