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声や楽器を重ねてとる「多重録音ソング」を夏に聞くべき理由とは?

ジェーン・スー 生活は踊る

暑い夏に、なぜか涼しげに聞こえる「多重録音ソング」。音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんが解説!

生活は踊る20170805

高橋芳朗のミュージックプレゼント 多重録音ソング特集http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170804112248 #radiko

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

※以下、番組内容書き起こし by みやーん(文字起こし職人)

【高橋芳朗】
本日のテーマはこちら! 「納涼サウンドシリーズ〜なぜか涼しげに聴こえるレトロな多重録音ソング特集」。

【ジェーン・スー】
ほう。レトロな?

【高橋芳朗】
うん、レトロです。いまうしろで流れているのは、パティ・ペイジというカントリーシンガーの「Tennessee Waltz」。1947年の作品です。70年ぐらい前の曲になるんですけど、これは多重録音を駆使したごく初期の楽曲になります。多重録音というのは、その名の通り声や楽器をいくつも重ねて録るレコーディングの手法です。たとえばこの「Tennessee Waltz」だと、パティ・ペイジのボーカルを4つ重ねているんですね。一説によると、彼女がこの手法を取り入れるようになったのはバックコーラスを雇うお金が無かったからという。

【ジェーン・スー】
うーん!

【高橋芳朗】
それで多重録音の手法を用いて曲を出したら、これが評判になって以降定着していったなんて話もあったりします。

【ジェーン・スー】
へー! 知らなかった。

【高橋芳朗】
そして、こういう多重録音の黎明期の曲、1940年代後半から1950年代初頭につくられた多重録音の曲には不思議な涼しさや清涼感があるんですよね。というわけで、7月21日放送のスティールパン特集に続く納涼サウンド特集の第2弾として、今回は体感温度を2度下げるレトロな多重録音作品を紹介したいと思います。

【ジェーン・スー】
よろしくお願いします。

【高橋芳朗】
で、この多重録音の手法を広めた最大の功労者といえるのが、ギタリストのレス・ポール。あのエレキギターのレスポールの生みの親ですね。いま流れているのが、そのレス・ポールの「Lover」という曲になります。1947年の作品。このレコーディングでレス・ポールはギターを8本も重ねているんですよ。

【ジェーン・スー】
へー!

【高橋芳朗】
で、さらにテープを高速再生するなどしてこういう幻想的なサウンドをつくり出していると。

【ジェーン・スー】
涼しげですね、たしかに。

【高橋芳朗】
なんか風鈴みたいな音だよね。では、今度はこの「Lover」のカップリングだったラテン調のナンバーを聴いてもらいたいと思います。これも「Lover」と同様の手法でつくられている曲です。

M1 Brazil / Les Paul

【高橋芳朗】
曲がかかっているあいだに「アバンギャルドだけどチャーミング」みたいな話をしていましたけど、まさにそんな感じですね。

【ジェーン・スー】
涼しげだねー。

【高橋芳朗】
で、このレス・ポールは多重録音のパイオニアとして最初に紹介したパティ・ペイジに対抗意識を燃やしていたそうで、やがて彼は奥さんのメリー・フォードとコンビを組んでボーカル入りの多重録音作品をつくるようになります。これもやっぱり清涼感のあるかわいらしい曲が多いので、ちょっと代表的な作品を1曲聴いてもらいましょう。

M2 Tiger Rag / Les Paul & Mary Ford

【ジェーン・スー】
なんかかわいい。ミャオミャオ言ってたね。

【高橋芳朗】
で、個人的にこのレス・ポール&メリー・フォードの「ベスト納涼多重録音ソング」として強くおすすめしたいのが、1952年にリリースされた「Smoke Rings」。これは普段の『生活は踊る』の選曲のなかにはちょっと入れ込みづらいぐらい超絶にまったりした酩酊感のある曲なんですけど、多重録音の魅力が最大限に活かされていると思います。

M3 Smoke Rings / Les Paul & Mary Ford

【ジェーン・スー】
素敵ねー!

【高橋芳朗】
ね。夜の浜辺を恋人と散歩しながら聴きたい感じかな?

【ジェーン・スー】
恋人つなぎ!

【高橋芳朗】
最後はレス・ポールやパティ・ペイジを追随するような格好で出てきた作品を紹介したいと思います。ジェーン・タージーという女性シンガーの「Good Morning Mister Echo」。1951年の作品です。これはマーガレット・ホワイティングというシンガーのバージョンが有名なんですけど、こちらがオリジナルになります。日本では雪村いづみさんだったり、あと細野晴臣さんとコシミハルさんがデュエットでカバーしていたこともあるので、きっと聴いたことがあるという方も多いと思います。当時日本では「おはよう、山彦さん」というタイトルでリリースされていたんですけど、このタイトルと多重録音というところからどんな曲かはなんとなく想像がつくのではないでしょうか。

【ジェーン・スー】
ヤッホー感があるのかな?

M4 Good Morning Mister Echo / Jane Turzy

【高橋芳朗】
なんか時間の流れがゆっくりになりますね。というわけで納涼サウンドシリーズ第2弾として多重録音特集をお送りしましたが、今後はウクレレやビブラフォンをつかった曲の特集予定しているのでご期待ください!

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア(稀にかかる邦楽はディレクター選曲)。最新1週間のリストは以下です。

7/31(月)

(11:05) Brandy (You’re a Fine Girl) / Looking Glass
(11:46) A Friend of Mine / Gilbert O’Sullivan
(12:19) Drifter / KIRINJI

8/1 (火)

(11:04) There She Goes / The La’s
(11:44) Far and Away / Friends
(12:17) My Other Life / Max Eider
(12:51) Together / The Lilac Time

8/2 (水)

(11:04) Rag Doll〜悲しきラグドール〜 / The Four Seasons
(12:17) Denise / Randy & The Rainbows
(12:51) I Do / The Castells

8/3 (木)

(11:04) Am I The Same Girl / Charmaine Burnette
(11:42) Just The Way You Are / John Holt
(12:20) More Than I Can Say / June Lodge
(12:51) Feel Like Making Love / Elizabeth Archer & The Equators

8/4 (金)

(11:02) Once You Get Started / Rufus featuring Chaka Khan
(11:16) Baby That’s Backatcha / Smokey Robinson
(11:42) Check it Out / Bobby Womack
(12:17) Full of Fire / Al Green
(12:49) We Go Back a Ways / The Impressions