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【相談】息子が結婚…私はいったい何に執着しているのでしょうか?

ジェーン・スー 生活は踊る

ラジオパーソナリティであり、作詞家・コラムニストでもあるジェーン・スーさんが皆さんの悩みにお答えする人生相談コーナー。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」の中で月曜日から金曜日まで、お相手のアナウンサーと共に毎日一緒に考えたり悩んだりしています。

TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」7月7日(金)放送
ジェーン・スー/堀井美香(TBSアナウンサー)

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【ジェーン・スー 今週の金言】
「何をやっても、どんな鏡でも、自意識は乱反射するんですよ」

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【相談】匿名希望(女性)さんより――

先週の土曜日、27才の息子の結婚式でした。地元を離れ1人遠方に就職し、2年後にはその土地で将来を誓い合う彼女を見つけ、無事27才で結婚式を終えました。もともと私は子供は親元を離れ、遠くで幸せに暮らしてほしいというのが希望で、それはいまも変わらないし、息子に対してはよくやったという感じです。主人と私は家族以外の人間関係はあまり深く持たず、2人の子供(27才の息子と22才の娘)と4人で暮らしてきました。そんな親に反して息子は人付き合いもマメで、結婚式ではすでに彼女の家族に溶け込み、その親戚とも仲良くし、上手に、しかも自然な感じで楽しそうにしていました。

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人付き合いが苦手な私にとって、息子の行動は自分の子供とは思えないし、すごいなと思うのと同時に息子がとても遠くに行ってしまったように感じて、意外にも打ちのめされている自分にいま、愕然としています。これでよかったのです。何の問題もないのです。問題は、自分自身の何かに対する執着なのです。息子自身は、本当はもっと家族で仲良くしたかった、兄妹で仲良くしたかった、親戚でワイワイしたかったのではないか? 主人と私が人付き合いを敬遠してきたこと。幼少の頃から出来のいい妹に萎縮しながらも、息子なりのプライドから兄の権力を利用して妹に強気な態度で接し続け、いま兄妹に微妙な確執があること。それらを払拭するかのように、彼女の親戚と仲良くしているようで、胸が詰まって涙が出そうになるのです。

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親には親の価値観があり、どんな子供でも何かしら親に不満を持っているもの。だから気にする必要はない。子供は結婚して自立したのだから、親は自分の人生を生きてください。そう、その通りです。でも、私はいったい何に執着しているのでしょうか?

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■ジェーン・スーとTBSアナウンサー堀井美香の回答――

スー:うーん……。27才の息子さん。ご結婚をされて、しかも相手の家族とも上手くやっている。どう聞いてもパーフェクトな状態。ですが、お母様は……さびしさともまた違うのかな? なんなんだろう。「愕然としています」「遠くに行ってしまったように感じて」「打ちのめされている」と。堀井さんは息子さんがいらっしゃいますけども、こんな日の自分を想像できますか?

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堀井:息子も、自由に遠くで、いろいろと幸せだったらそれでいいという思いはこの匿名の方さんと一緒で、あります。でももしね、自分がそういう風に考えていても、息子が知らない家族とすごく仲良く和気あいあいとしているところを目の当たりにしたら、結構ショックなのかも。「あ、もう自分のものじゃなくて、他の家の人になっちゃったんだな」っていうのは、わかっていても実際に目にしてしまうと、ちょっと悲しくなるかもしれないですね。

スー:ねえ。びっくりしちゃうのかもしれないですね。でも、向こうの家族と上手くやっていけてるっていうのは、私が知る限り、結婚においてかなり大きいファクターになるじゃないですか。私は対岸で見ているだけだから、よく知らないんだけどさ。

美香:いま、口がひん曲がってましたよ。

スー:まあまあまあ。だから、外から見ると入り口からすごく上手くいっているようなんですけども、実はいろいろとあったんですね。もしかしたら、息子が望んでいた家庭というのは私たちが作り上げた家庭とは違うものだったんじゃないか? とか。だからなんか、「彼にとっての正解はこっちだったんだ(ピーン!)」みたいなふうに見えちゃったのかな?

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つまり結局、息子さんの大きな変化をきっかけに、自分自身の内面がボロボロボロッて出てきちゃったっていうことなんじゃないですかね。 息子さんがどうのというよりも。さびしいとか、あと子供を無事育て上げた安堵感もあるんでしょう。あと、後悔ね。「こうした方がよかったんじゃないか、ああした方がよかったんじゃないか」とか。異性の子供だからというのもあって、失恋みたいな気持ちもあるのかね?

堀井:
なにか失ったっていうのはあるのかもしれない。でも失ったぶん、なにかまたここから手に入れられることはあるかもしれないですしね。

スー:そう。だからこの相談、実は息子さんはあんまり関係ないかなって思うんですよ。「息子」という外壁がベロッと剥がれたら、内側からボロボロッと漏れてきたもの。それはたとえば、自分自身が自分の家族にOKを出していないところが実はあったりね。人付き合いができないことをやっぱり自分では良しと思ってなくて……「うちはこういう家なんだよ」ってやってきたんだけど、息子が他のところと仲良くしていたりすると、「ああ、やっぱりああいうのが正解なのかな?」とかさ。

堀井:うんうん。

スー:自分で納得していても、やっぱりそうじゃないものを見せられるとさ。ちょっと思ったりするじゃん?

堀井:そうですね。

スー:必ず隣の芝生は青く見えるんですよ。どんな芝生が出来ても。だから私もこういう生活をして、「わが人生に悔いな~し♪」みたいな感じだけど、結婚して子供を連れてる人を見ると……私、全然違う話をしていい? 30秒だけ。

堀井:いいよ。うん、七夕だし。

スー:大家族ものがつらくなってきちゃった。

堀井:えっ。どんなつらさ?

スー:昔は大家族ものってすっごい面白かったの。「なにこれ、うちと全然違う!」みたいな。「なんでこんないっぱい子供がいるの?」とか「楽しそう!」とかさ。「俺はこういう人間だ!」((c)ビッグダディ)とか、いろいろとあったじゃない? そういうのをいつも楽しく見ていたんだけど、最近なんかね、自分が責務を果たしてない感みたいなのがすごい……「ああ、わたしは産んだり育てたりしてないな」っていう。

堀井:そうなんだ。

スー:なんかね、産んだり育てたりしなくてもぜんぜん人生いいはずなの。後悔もないの。「産みたかった」とか「育てたかった」もないの。どっちかって言うとなんか……未納。税金未納感がすっごいあるの。わかる?

堀井:わかる!

スー:脱税している感じがすごいするの!

堀井:わかる~!

スー:で、なにが言いたいかっていうと、この匿名の方も、親戚と仲良くするとか周りと人付き合いをするとか、大人としてちゃんと納税している感じ、するじゃん? でも、今までやってきた自分の隠れ脱税がわかっちゃって、それでちょっと後ろめたくなっちゃったんじゃないの? だって息子がじゃんじゃん納税しているわけじゃん。親戚と上手くやるとかさ。でも誰にだって未納しているもの、あるよね?

堀井:そうそうそう。隠している人もいますしね。

スー:美香ちゃんはなに、未納してるの?

堀井:未納しているものはいっぱいですよね。そりゃあね。

スー:世の中でね、やった方がよしとされるべきことはいっぱいあっても、できないこと、したくないことあるわけじゃないですか。だから、たまたまだと思うよ。今回の息子さんの件は。「親には親の価値観があり」って書いてあるけど、それこそ「子供には子供の価値観があり」でございますから。

 

堀井:あと、やっぱり今はそういう時期なんでしょうね。「○○ブルー」じゃないけど、この時期いちばんショックなんじゃないですか?

スー:「マリッジされブルー」ね。

堀井:そういう時期もあるのかもしれないですね。

スー:どうする? この匿名の方さ、10年後にさ、「娘がどこにも行くあてがなく──私が悪かったんでしょうか?」って。

堀井:フフフ……「娘が親戚付き合いが悪く、私が悪かったのでしょうか?」

スー:結局、なにをやっても、どんな鏡でも、自意識が乱反射するんですよ。だから、時期を待ちましょう。もう少ししたら落ち着くと思います。でもね、子育て、そして息子さんひとりを結婚させたのはもう、素晴らしいと思います。お疲れさまでした!

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