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“1円買収”で進化を遂げた「那須ハイランドパーク」

森本毅郎 スタンバイ!

夏休みはお子さんを連れて遊園地に、という方もいらっしゃると思いますが、きょうは、栃木県の遊園地「那須ハイランドパーク」が密かに迎えた転換期について、8月16日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

「那須ハイランドパーク」は、那須高原の自然に囲まれた遊園地です。どんな転換期を迎えたのか?この遊園地を去年から運営している、日本テーマパーク開発株式会社・矢澤剛志さんのお話です。

★「1円買収」で来場者数増加!

日本テーマパーク開発株式会社 矢澤剛志さん
北関東最大の遊園地『那須ハイランドパーク』を運営している藤和那須リゾートを、日本テーマパーク開発が、金額としては1円という形で買収しております。
スキー場のビジネスが伸びてきた時に、スキー場は冬を中心に利益・収益が上がるんですが、一方で夏のシーズンはどうしても下がります。このバランスを取るために、夏、売り上げが上がる遊園地事業を、たまたま縁あって取得する経緯になりました。集客のための投資という意味でいくつか仕掛けていることがありまして、当社に経営が変わってから、入園者数は45万人。ここ10年で過去最高だと思います。
森本毅郎スタンバイ!

那須ハイランドパーク。あいにくの雨でしたが、レインコートを着て遊ぶ家族連れがたくさんいました

なぜこんなにも安く売られてしまったのか?お客さんは毎年42~43万人来ていて利益も出ていたそうなのですが、きっかけは2年前に遡ります。この遊園地でジェットコースターの部品が落下し、男性の頭を直撃する事故が起きました。

原因は、設備の老朽化…。開園からおよそ40年という中、同様の事故を防ぐために古いアトラクションは修繕の必要がありますが、将来的にかなりお金がかかります。そのため保有していても儲かりにくいとして、売却価格1円で元の株主が遊園地を手放し、レジャー業界でノウハウがある日本テーマパーク開発が買収したということでした。

★犬と一緒に観覧車やメリーゴーランドに乗れます

買収から約1年。スキー場運営の弱点だった夏の収益に期待した日本テーマパーク開発は、早速来場者を増やすことに成功しています。一体何をしたのか?実は昨日、遊園地の客層に、ある特徴が見られたんです。

●「観覧車にワンちゃんと一緒に乗ってました。有難いですねワンちゃんと一緒に来れるのは。去年愛知に行っている間に預けたけど結構体調崩しちゃったんで、今年は一緒に行ける所を探してたんでよかったです。
●「ここは3度目位。いつもワンちゃん連れてます。那須は結構色々ワンちゃんが入れる場所が食べ物屋さんもアトラクションもあるんで、そこらへんがメリット。
●「やっぱし犬も家族なので、色々私も連れていきたいなと思うんですけど、なかなかペット連れでというのが難しいので、助かりますね。
昨日は雨の中、犬にレインコートを着せながら園内を歩いている方がいました。
森本毅郎スタンバイ!

パーク内を歩いていたわんちゃん。飼い主さんも、わんちゃんも、レインコート着用

また、犬1匹1,000円の「わんっダフルパス」を買うと、観覧車・メリーゴーランド・ゴンドラに一緒に乗り放題。ドッグランも使えます。他にも犬専用のメニューがあるカフェや、犬と一緒に泊まれるホテルなど。
森本毅郎スタンバイ!

パーク内で見た、犬同伴でも楽しめる様々な工夫。(左上から時計回りに)「わんっダフルパス」で乗れるアトラクション/ペット専用ゴミ入れ/おしっこポール/ドッグラン

森本毅郎スタンバイ!

パーク内にある「ワンダフルカフェ」。(上から時計周りに)店長の吉海良子さん/各テーブル下に設置されたリードフック/わんちゃんメニュー

今回の買収を経て、全国的にも珍しい「犬同伴で楽しめる遊園地」に変わったということです。

★「プロレス」「ウルトラマン」などイベントを重視!

更に、犬以外にもこんな集客の工夫があるようです。日本テーマパーク開発・矢澤さんのお話です。

日本テーマパーク開発株式会社 矢澤剛志さん
 大きなアトラクションを何十億とかかけて投資をして集客するというよりも簡単に作れて、でも話題性のあるようなイベントを毎年入れていく。例えば遊園地の中でプロレスの全日本さんの試合をやったんですけど、プロレスのリングを1日で作って1日で撤去する。そういったことで集客も行っています。

老朽化したアトラクションの修繕はしても、新しいものは作らない。代わりに今年度限定のウルトラマンの展示や2か月限定の宝探しゲームなど、比較的安くできるイベントを次々入れ替え、集客増につなげています。

★時には入園ゲート係、時にはレジ係。一人何役もこなす従業員

さらに、コスト面では買収後従業員の働き方も変わりました。今年新卒入社の19歳、堺玖瑠実さんのお話です。

2017年度入社 新入社員 堺玖瑠実さん(19歳)
 朝は入園券を売るところ。お昼はレストランだったり、帰りは皆様お土産を買っていくのでショップに行ったり。一人がひとつのことをやらないで、何役か。一番混雑をしてる時に手伝いに行って、みんなで協力して仕事を回しています
森本毅郎スタンバイ!

一日に一人何役もこなす、堺玖瑠実さん。(左)トランポリンゲームの案内/(右)お土産店のレジ

例えば、開園後すぐお土産売り場に行く人はあまりいないので、そこに人を割くよりチケット売り場のヘルプに入ったりすそうです。こうして人を余らせないようにすれば、その分人件費を削減できるという訳です。

★那須を盛り上げて、軽井沢に追い付け追い越せ!

遊園地の閉園が相次ぐ中、コストを抑えつつも様々な工夫で順調に業績を伸ばしている日本テーマパーク開発。専務取締役の矢澤さんには、さらなる目標があるということです。

日本テーマパーク開発株式会社 矢澤剛志さん
 那須は、一大観光レジャー施設・別荘地である軽井沢と環境的には非常に近しい所だと思ってますが、残念ながら軽井沢の方が那須よりも観光客が倍近く来てるという所がまだまだ伸びしろだと思っています。その部分を伸ばすべく、那須町の町長に対して、『温泉で有名な湯本の再生・活性化を一緒にやりませんか?』というプロジェクトを立ち上げたりとか。『那須ブラ―ゼン』という自転車プロチームのスポンサーになったり、精一杯頑張ってるところですね。

ライバルの軽井沢に追いつくため、那須全体を活気づける取り組みも行っているということでした。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!