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動物園の動物が高齢化している!問題と対策は?

森本毅郎 スタンバイ!

今年、上野動物園でジャイアントパンダの赤ちゃんが誕生し話題になりましたが・・・一方で動物園では「動物の高齢化」が問題になっているそうです。8月28日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

「動物の高齢化」とはどういうことなのか?まずは、東京都武蔵野市にある動物園「井の頭自然文化園」の、教育普及係長の大橋直哉さんに伺いました。

★動物の高齢化問題、全国で深刻化

井の頭自然文化園 教育普及係長 大橋直哉さん
昔は海外から野生動物を比較的簡単に購入できたんですが、いま自然保護の思想が非常に発達していて、野生の動物を新たに導入するというのが非常に難しくなっている。すると動物園の動物が高齢化し、繁殖ができないまま動物がいなくなっていくのではないか、という懸念があります。井の頭自然文化園では、高齢じゃない動物のほうが少ないんじゃないかと思います。飼育している約100種類の鳥と哺乳類のうち、今が繁殖適齢期・繁殖適齢期前の個体は約20種類。1つの動物園ではとても対応しきれません。
森本毅郎スタンバイ!

井の頭自然文化園に行ってきました

昔は、比較的自由に動物を売買できたようですが、1973年の「ワシントン条約(野生動植物の国際取引に関する条約)」が締結された頃から、輸入が規制され難しくなってきました。そのため基本的には、misueにいる動物だけで繁殖させていかなければなりませんが、つがいを作っても相性が合わなかったりと繁殖もなかなか上手くいかず、高齢化は進む一方…。

また、井の頭自然文化園の他にも、上野動物園や天王寺動物園など様々な動物園で高齢化が進んでいるようです。

★動物のレンタル「ブリーディングローン」拡がる

井の頭自然文化園の高齢化率が8割、というのは衝撃的な数字です。なにか対策は取っているのか?再び大橋さんにお聞きしました。

井の頭自然文化園 教育普及係長 大橋直哉さん
日本の動物園を1つの施設と考えて、『日本動物園水族館協会』に加盟している動物園は、繁殖のためにお互いの動物を貸し借りする“ブリーディングローン”を行っている。群れで暮らさないとなかなかうまく繁殖できないゴリラなどに関しては、1回集めようと。増えたらまたみなさんにお返ししますということで、上野動物園や東山動物園など大規模な施設があるところに集めるということをやっている。

国内の動物園同士で行われているのが、お互いの園の動物を交換して繁殖させるという「ブリーディングローン」という方法。井の頭自然文化園でも行われていて、例えば、大阪の天王寺動物園からタンチョウのメスを借りてきて、元々いるタンチョウのオスと掛け合わせ、2016年には繁殖させることに成功したそうです。

森本毅郎スタンバイ!

千円札でもおなじみ、鶴の「タンチョウ」。天王寺動物園から借り受けています

森本毅郎スタンバイ!

「フェネック」。寝ています。岐阜大学から借り受けています

現在も横浜の金沢動物園からニホンカモシカを借りてくるなど、借りている動物5種9頭、貸している動物5種12頭ということです(2016年12月末時点)。

★動物は常に世代交代している?動物園のお客さんの反応

こうした対策が全国的にかなり定着しつつあるということですが、そもそも、お客さんは「動物が高齢化している」という事実を知っているのか?井の頭自然文化園で聞いてみました。

●「全然知らなかったです。そんなことを考えずに、かわいいなぁ~と思って。
●「初めて知った。海外から輸入されてきて、中にいるって感じかなぁ。
●「全然知らなかった。動物って人間と比べてすぐに子ども作るじゃないですか。それで世代交代してるから、勝手に代替わりが激しいイメージだった。
●「知らなかった。ニュースで取り上げられるのって赤ちゃんが生まれましたとかでしょ?常に繁殖しているものだと。
●「知らなかった。動物って年齢わからない。でも結構深刻ですね。ここのメインの象がいなかったんで、そういうのも高齢化に関係してるのかな。
みなさん、動物は常に世代交代をしていると思っていたようですし、見た目にも年齢が分からないので、特に高齢化を深刻に捉えていませんでした(ちなみに最後の方が言う象とは、井の頭自然文化園で去年5月に死んだ、アジアゾウ「はな子」のこと。国内最高齢の69歳でした)。

★10年先を見据えたブリーディングローンに理解を

井の頭自然文化園の大橋さんは、最後に「こんなことも知って欲しい」と話していました。

井の頭自然文化園 教育普及係長 大橋直哉さん
人気動物がいなくなることもあると理解して欲しい。例えば、象が一時的にいなくなるのは、“ブリーディングローン”で繁殖のため。動物園で動物が見られなくなるのを防ぐためということを知っていただきたい。当然、動物園もお客様に来ていただきたいので、人気のある動物を借りたいし、逆に人気ある動物は貸したくない。ただそこは、10~20年後の日本の動物園のために、数年我慢しよういうのが趣旨なので、みんなで協力していきたい。

今後、ブリーディングローンによって、人気の動物が1つの動物園に集められて他で一時的に見られない可能性もあるようですが、これも、将来を見据えた取り組みだということを知って欲しいとおっしゃっていました。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!