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暑い夏注意の「尿路結石」その治療と再発防止策は!

森本毅郎 スタンバイ!

この暑い時期、汗をかき、尿が濃くなることで、発症が増える病気、それが尿路結石です。とにかく痛い!というイメージもありますが、治療後の再発率は5割を超える、という特徴もあります。そんな尿路結石について、その原因や治療、再発防止策について。8月28日(月)の松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。

★尿路結石の特徴

尿路結石とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道に至るおしっこの通り道に出来た、石のことです。その通り道のどこに結石があるかで、腎結石、尿管結石、膀胱結石、などと呼ばれます。そして、何よりその症状のイメージとしては、とにかく「痛い」というのがあります。

もともと結石のほとんどは腎臓の中にできますが、そこに石がある内はまだ痛くないです。その後、石はコロコロと尿路を進んでいきますが、一番痛いのが、尿管で詰まった時です。尿管は、腎臓と膀胱をつなぐ、直径5ミリの細い管で、石が詰まりやすい構造です。石が尿管に擦れる事で痛みがでますが、激痛は尿管からだけ出ているわけではありません。問題は、石が尿管を通る尿をせき止め、腎臓にたまり、腎臓の表面を覆う膜が、その水圧で引き伸ばされることで、わき腹あたりに激痛を引き起こします。そうなると、救急車で運ばれるしかありません・・・。

また結石が膀胱にある、膀胱結石の場合は、色が、赤っぽい、茶色い「血尿」や、残尿感など、膀胱炎と同じような症状が現れます。他にも、両側の尿管に結石があると「腎不全」を引き起こす危険性があります。

★あなたもその一人かも!?

この尿路結石は、男性では7人に1人、一方女性は15人に1人が、一生に一度は発症するというデータもあります。女性ホルモンには結石を予防する力があるので、女性の方がかかりにくいですが、その女性でも、15人に1人なので、多くの方が悩んでいる病気だと言えそうです。

★結石って、そもそも何もの?

結石は、カルシウムが主な成分で、カルシウムとシュウ酸という成分が結びついてできます。シュウ酸は、ホウレンソウなどの緑色の葉に多く含まれる成分です。正式には「シュウ酸カルシウム結石」と言われ、これが結石全体の8割を超えます。

また食生活の欧米化で、尿管結石は、この40年で3倍になったというデータもあります。特にコレステロールが影響すると言われていて、肥満がある方には結石が多いとされます。実際、動物実験でコレステロールを多く与えたら、結石ができたという結果もあります。糖尿病、痛風、脂質異常症など生活習慣病のある人は注意です。

★石によって異なる治療

結石を取り除く治療は、石の構成成分や大きさなどに合わせて、何通りかあります。直径5ミリ以下の石であれば、自然に体の外に出てくるように治療します。一方、5ミリ以上、特に8ミリを超えると、自然に出すことは難しくなります。

まず5ミリ以下で、自然排出を目指す場合は、石を出しやすくする薬「鎮痙剤」を使うなどして、水分をとにかく摂ります。1日2リットルを目安に飲み、一方で縄跳びのような上下運動をします。それでも石が出てこない場合は、次の治療に切り替えます。この切り替えは、状態にもよりますが、早ければ1〜2週間、遅くても1か月程度で、自然排出をあきらめて、外科的な治療に入ります。昔、開腹手術しかなかった1990年代前半くらいまではギリギリまで排出を待ちました。しかし、今は外科的治療といっても、負担が軽くなったので、早めに切り替えられます

★自然排出がダメなら砕く!

結石の外科的治療は「石を砕く」手術です。今、よく行われているのが、「衝撃波」もしくは「内視鏡」を使った治療法です。

まず「衝撃波」を使う方法は、体外から衝撃波を、結石に当てて細かく砕きます。衝撃波の力を数ミリの結石に収束させる方法は、虫眼鏡で太陽の光を集める要領です。衝撃波という名前ですが、麻酔無しの日帰りか、1泊の入院ですむ体に優しい手術です。ただそれで粉々に割れないと、また尿管の途中で石が止まり、再発の可能性もあります。

一方「内視鏡」を使う方法は、尿道から、先端に小型カメラのついた内視鏡を挿入します。この内視鏡は、細くて曲がりやすいので、尿道から膀胱を経由して腎臓の隅まで届きます。そして、結石のある場所で、内視鏡の先端からレーザーを出して、結石を砕きます。こちらは、3泊4日から一週間程の入院が必要になりますが、石を完全に取り除けます。

★衝撃波?内視鏡?どっちがいい?

簡単なのは衝撃波ですが、結石を完全に取り除いて再発を防ぐなら内視鏡になります。結石は、治ったと思っても、ほぼ半数の人が再発を繰り返しています。体に負担の少ない衝撃波で治しても、その後再発するようなら、内視鏡がいいようです。簡単だからといって、衝撃波を何度も行っていると、腎臓の周囲が出血したり、まれに腸に傷をつけることもあるので注意が必要です。

★そもそも結石を作らないために!?

尿路結石の予防はやはり食生活。まず水を1日2リットル、取るのがいいとされています。その他、海藻、納豆、豆腐、青魚、緑茶などは、結石を防ぐとされています。意外なのは、カルシウムの豊富な乳製品や小魚、緑黄色野菜、ゴマもいいとされています。カルシウムを取ると結石ができそうですが、ほうれん草や紅茶などのシュウ酸を含む食材と一緒に食べると、腎臓ではなく腸で結合するので、便として排出されやすくなるそうです。

こうした食生活、十分な水分補給と適度な運動で、結石の予防と同時に、再発も減らせます。再発は、通常50%と言われますが、食生活の見直しで10%まで下げられるそうです。

一方、控えるべき食品は、結石を作りやすくする動物性脂質=脂身の多いお肉の他に、プリン体の多い食材牛レバー、アンキモ、カツオ、クルマエビなどです。

 

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170828080000

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