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「緩衝剤」が膨らむ背景に、工夫と競争!?

森本毅郎 スタンバイ!

通販などで商品を買うと箱に一緒に入っている枕型の空気が入ったクッションのようなもの、最近よく目にしませんか?調べると名前は、エア緩衝剤、というそう。”緩衝剤”といえば、他にも、繭玉状(発泡スチロールの丸い玉)のものや、いわゆるプチプチタイプのものもありますが、この枕型のエア緩衝剤の作られる現場から、いまどきのネット通販の少し背景が見えてきました。そこで・・・。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日9月6日(水)は、レポーター近堂かおりが『「緩衝剤」が膨らむ背景に、工夫と競争!?』をテーマに取材しました!

★エア緩衝材が手軽に作れます!!

まずそれを作る機械について、様々な「緩衝剤」を取扱い販売している株式会社アースダンボール代表取締役社長の奥田敏光さんのお話です。

奥田敏光さん
「エアー緩衝剤製造機ライト。これは中小の会社から個人向けの商品です。一番コスト的に安い機械なんですね。これで大体6万円を切った値段で、国内販売はうちだけでスタートしました。メリット的には、ここではエアーピロータイプと言っていますけど、使う時に空気を使って膨らまして大きくできるっていう、膨らむ前の状態から比べると大体300倍くらいの大きさになりますので、在庫の場所が少なくて済むのがメリットですね。繭玉みたいなのとか、プチプチみたいなものは巻きが大きくて玄関のドアを入らなかったことが実際ありましたね。」

荷物を送る側=業者が使う機械なので、業務用がほとんどで、値段は安くても20万円以上したそうで、これまで緩衝剤を必要とする荷物を送る人は、既に膨らんだ緩衝剤の完成品を買うか、大量生産の大手では、機械をリース=借りる形で緩衝剤を荷物の発送場所などで作っていました。最近では、中小の企業はもちろん、ネットオークションを利用される方も増えてきているので、個人の方でも、お客へ直接送ることが増えています。とはいえ、膨らんだ緩衝剤を置くスペースもないし、大手が使うような大量生産の機械は必要ない。それが、今では、税抜5万9千円の機械が出てきていて、ぐっと身近になりました。スタジオでも緩衝剤を作れてしまうくらいのサイズになったのです!これなら個人のお宅でも置いておけますね。

エアー緩衝剤製造機ライト。となりは500mlのペットボトルです。

エアー緩衝剤製造機ライト。となりは500mlのペットボトルです。

エアー緩衝剤ライトという名前のこの機械は、小さいミシンくらいの大きさです。

  • まず、その機械に、トイレットペーパーのようにロール状に巻かれた、フイルムを装着します。
  • フイルムは、とても薄く、元々ミシン目で小分けに区切られています。
  • そのフイルムが自動で帯が解かれるように次々と出て、一つずつ空気が入って勝手に膨らみます。
  • 出来上がった緩衝剤の膨らむ厚さは5センチで一つずつちぎれます。

★エアー緩衝剤ライト、便利です!

この機械は通販が盛んな中国製で、奥田さんの会社が2年前に初めて日本で取り扱ったそうです。そのエアー緩衝剤ライトを実際購入した会社の出荷担当者に、使う目的を聞きました。ゴルフの時にGPSで距離を測る機械を販売する株式会社MASAの早川愛子さんに伺いました。

早川愛子さん
「一台一台が高価なものなので緩衝剤がないと心配だという部分がありまして。今回のもの買う前は、膨らんだものを買ってたんです。でも場所がかなりとりまして、緩衝剤大きいまま来るので、圧迫されてました。また高いんですかなり経費がかかって、他に詰めなきゃいけないときは、紙とか使っていたんですけど、それでうちの営業が見つけてくれて検討しました。個人のお客さんが多いのでそこまでいらないのでうちの場合は。ほんとにちょっとほんとにちょっとだけ詰めるのに便利なので。自分で作るとなると大丈夫かなと、お客様の所に着く前に割れてしまうのではと心配していたけど今のところそういうことはないので安心。作るのが面白くなって今はポコポコで出てくるのを見て癒されてます。」

専用の箱を使っているが、形は腕時計型なので、どうしても隙間ができてしまいます。送るゴルフ用GPSの機械は、金額は2~3万円程度の高価なもので、大量のモノを一気に送るのであれば、大量のプチプチの大きなものや、繭玉状のものでも、かさばった緩衝剤を作ってもらった方が良いんですが・・・。でも、ホームページのネットで個人の客からの発注も増えているこの会社では少しずつ必要なんです。そこで、普段は、スペースをとらないぺったんこのフイルムと、ちょっと心配になるくらいの手軽な機械が便利だということでした。今のところクレームもなく使い心地は満足、何より自分の好きなペースで作り、癒されるまでになったそうです。

 

★環境配慮のエア緩衝剤!

そんな身近になった緩衝剤作りとは、また違った形で、緩衝剤に付加価値を探る会社もあります。
今度は、緩衝剤を作る株式会社ネクサスエアー開発部長 永崎孝彦さんに聞きました。

永崎孝彦さん
「バイオマスプラスチックというものを採用しております。石油からのプラスチックではなく、植物から作ったプラスチック、さとうきびから砂糖を取り除いた後に余った、廃糖蜜という材料を使っています。もう一つ利点は、広告、会社名、デザイン性のある印刷も、国内で作っているので簡単にできますね。新聞紙を詰めて出されるよりもエアー緩衝剤を詰めて出した方が、見栄えもいいですし、新聞紙が家庭にないんですよ。集めるのも大変。あと紙類は廃棄をしたときにCO2が出ます。エアー緩衝剤は大半が空気なのでCO2削減にもなります。」

そもそも、会社で「家から新聞紙持ってきて」と言っても、新聞紙が集まらないのはショック。また楽しみにしていた商品が、不幸なニュースを伝える新聞紙とともに届いたら残念です。そうした見栄えにもエアー緩衝剤なら、透明で何が入っているか見えるし、そこにデザインも入れられるのでイメージが良いですし、そしてもちろん、環境への配慮もしているので送る側の、イメージアップにつながります。ちなみに、ネクサスアーの緩衝剤の標準のデザインには、「MADE IN JAPAN」と印字されます。

バイオプラスチック採用のエア緩衝剤

バイオプラスチック採用のエア緩衝剤

★緩衝剤業界の厳しい競争!!

実は、永崎さんによると、競合となる緩衝剤メーカーは、国内よりも海外に多いそうで、そのため差別化が必要となり、環境対策や国産にこだわっているのですが、一方で、大変なこともあるそうです。再び永崎孝彦さんのお話です。

永崎孝彦さん
「ただ、どうしてもコストありきで話が進む場合がありますので、その場合は、バイオマスが入っていないものを選ばれる場合も。バイオマスの原料が高い。私どもも100%バイオマスにしたいけど、今は10%だけ入れています。やっぱり価格コスト競争がありますので。市場的には、アメリカ中国は人も多いですから、モノも動いていますし日本にも入ってきますので。コストはかなり厳しい。ヤマトさんなども値上げするというところで、輸送コスト上がりますということで、その分何かは抑えたい・・・となるとバイオマスを採用するのはなかなか厳しいとなります。」

バイオマスを紹介するけれども、どうしても価格を抑えたい!と言われてしまい、バイオマスではない方の商品が選ばれる・・・

会社の生き残りを考えたら、断れるものではない。環境を考慮し、デザインまでこだわるという進化をしてはいるものの、コストや数の論理にどう立ち向かうか。

実際、最初に紹介した自分で緩衝剤を作れる機械は・・・中国製。みなさんの品物は、どんな緩衝材が入ってきていますか???

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが
「現場にアタック」で取材リポートしました。