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亡き妻のひと押しで実現した夢のMyファーム~鎧塚俊彦さん

コシノジュンコ MASACA

2017年9月10日(日)放送

ゲスト:鎧塚 俊彦さん(part 1)
パティシエ。1965年京都宇治市生まれ。関西のホテルで修業後、スイス・オーストリア・フランス・ベルギーで8年間修業を積み、ヨーロッパで日本人初、三ツ星レストランのシェフパティシエを務めたあと帰国。Toshi Yoroizukaのオーナーシェフとして活躍するかたわら、小田原市に「一夜城ヨロイヅカファーム」を設立し、洋菓子と農業、地産地消をコラボレーションした活動に取り組んでいます。

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JK:今日はコックコート姿! さっそく何か作ってくれるんですか?(笑)美味しそう!

鎧塚:僕らの正装ですので(笑)すぐ近くで働いておりますので、ちょっと車でそのまま来ちゃいました。

JK:でも、そうやってユニフォームを着てらっしゃると、すぐに目の前で作ってくれそうな感覚になりますね。

鎧塚:僕、酔っぱらうとすぐデザートを作りたくなっちゃうんです(笑)楽しくなってくると、やっぱりおもてなしをしたくなる。ケーキを作ると喜ばれますからね。それもしっかり準備するんじゃなくて、そこにある材料で作るとすごく喜んでもらえます。

出水:いい酔い方ですね~! 例えばどんなもの?

鎧塚:僕、スフレが得意です。

JK:時間かかるんじゃない?

鎧塚:いいえ、かかりません。あまり時間をかけるとしらけちゃうので、瞬間的に作ります。あと、どの家庭にも必ずあるのが卵と砂糖。それだけあればできます! あとはオーブンと泡立て器・・・一度画家の先生のお宅に行ったときに、泡だて器がない時がありまして、困ったな~と。そのとき奥様がお持ちになられたのが、茶筅。不思議と、卵を茶筅で点てると、背筋が伸びます(笑)本当です。でもやっぱり、点ちにくくて、すごく時間がかかりました。でもやっぱり、僕はライブ感を大切にしますので、そういうのが喜んでいただけますね。

JK:いま一瞬、刷毛かと思った(笑)masaca_170910h

鎧塚:刷毛では泡立たないですね~(笑)もう少し固くないと。空気を含ませないといけないので。いまジュンコ先生がしているイヤリング。それはひょっとしたら立つかもしれない?!

JK:やだ、見るもの全部お菓子につなげちゃうのね!

出水:そもそもジュンコさんと鎧塚さんの出会いはいつごろ?

鎧塚:先生は何度かパーティでお見かけして、ご挨拶したことはあったんです。ただ仲良くさせていただいたのは、女房と婚約した後ですね。よく世間からは「川島なおみ夫妻」「コシノジュンコ夫妻」と言われるんですが、面白い名言がございまして、ジュンコ先生のご主人が、「コシノジュンコの夫妻じゃないよね。俺は鈴木だから。それを言うなら、俺たちは夫妻じゃなくて『妻夫』だよね」とおっしゃられまして。

JK:サイフの持ち主、だからとか(笑)

鎧塚:それから神田うの『妻夫』、大黒摩季『妻夫』と4組が結束して、「妻夫の会」というのを作りました。女房がわがままなんだよね~、いや俺たちの女房はみんなわがままだよ、とか言って、お酒を酌み交わしました。メンバーの中の1人が続けられなくなった時期もあったんですが、一番安泰だと思っていたうちが一番先に脱退してしまいました。

出水:川島なお美さんが亡くなられたのが、2015年。

JK:早いですね。三回忌。

鎧塚:はい、今年9月4日で三回忌を迎えさせていただきました。

JK:なお美さんとは、ワインですね。グラスによって味がこうも違うんだっていう「グラスの会」があって、そこに来ていただいて。やっぱり普通のグラスと、ワインに合わせたグラスとでは味が違う、というのが分かったの!その研究会にいらしていただいて。

鎧塚:たぶん、ジュンコ先生は僕よりもずっと前から女房のご存じですよね。

JK:そしたらあの方ね、ワインをプッと紙に落として、その色を見るの。えっそんなことしていいの? みたいな。

鎧塚:女房が亡くなってから、昔勉強していたワインの本が出てきて、本当に勉強した跡が残ってましたね。

JK:だって、すっごい真面目で、ひとつのことを頑張ってやるからね。女優さんっていうのじゃなくて、研究者ですよ。

出水:その川島さんが大切にしていたワインをチャリティオークションに出品されたんですよね。

鎧塚:そうなんです。素晴らしいワインがいっぱいあって、お医者さんに止められていたわけではなかったので、女房に「もう飲んでいいんじゃないの?」って言ったんですけど、でも「いや、飲まない。絶対治すんだ」って言って、全部置いて行ったんですね。で、これをどうしようかと思って。女房が一番大事にしていたワイン1本だけは残したんですが、それ以外は20本ほどオークションに出させていただいて、女房の志に賛同してくださる方が高額で落としてくださいまして。僕自身も200万ほど出させていただいて、ワンちゃんの殺処分をゼロにする「川島なお美動物愛護基金」というのを作りました。いま準備段階なので、今月後半には場を設けて、どんな活動をするのかということを発表したいと思っています。

JK:ワンちゃん好きだったものね。

鎧塚:本当に愛情豊かなひとでしたね。

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出水:一夜城ヨロイヅカファームを開業するときも、川島さんの後押しがかなりあったと伺っています。

鎧塚:畑をやりたかったんですね。電気もガスも水道もない山のてっぺんで、人が誰も来ないような山奥で・・・交通の手段もないんです。車で来るか、タクシーで来るか。駐車場もいれると4000坪ぐらい、どうしようかなーと迷っているところへ、女房が「ちょっと見せてよ」って言って来たんです。やっぱり数億のお金がかかってしまいますからね、妻としては「どうなの?」と言われるかと思ったら、「絶対やったほうがいい」って。この土地はものすごくオーラがある、必ずあなた成功するからやりましょうって言ってくれて。

JK:まぁ~! その一押しがものすごく心強いですね!

鎧塚:その根拠のない自信はなんなんだろうな、と(笑)

JK:いや、ピンとくるんですよ、勘。

鎧塚:おかげさまで土日などは人でいっぱいになりまして、ものすごく手ごたえを感じています。やっぱりメディアにのると行列になったりもするんですが、でも一夜城はそうじゃない、地元の人たちに愛される実感というのがものすごくあるんですよね。

JK:そこでは何を栽培してるんですか?

鎧塚:ちょっと前まではブルーベリーがたくさん採れました。もともとは相模湾に面した南斜面で、柑橘類の耕作放棄地だったんですね。昔はそこでミカンなどを作っていたところです。だから温州みかんであったり、神奈川県が力を入れている湘南ゴールドであったり、レモンであったり。さまざまなものが植わっています。

JK:じゃあヨロイヅカファームは、自分の手で作ったものを使って料理やお菓子を作っているのね。人は?

鎧塚:人はこれからのキーポイントになってくるかなと思います。おかげさまで、そういう場所でもやりたいという子もいっぱい集まってきてくれますし、志をともにできる人を集めてやっていきたいなと思っています。

JK:それだけ大きな土地だと、例えばヨロイヅカファーム・スクールを作って、生徒と一緒に耕したり作ったり、研究をしたり、っていう可能性もいっぱいあるんじゃない?

鎧塚:ありがとうございます。実はスクールも来年開校で考えておりまして。パティシエというのは技術や知識はもちろん必要なんですが、やっぱり人としての軸が重要になってくるんですね。僕は、そこを教育するのは農業がひとつの手段だと思っています。うちのスタッフも、素材を自分たちで作りたいという意識も強いんですが、農業を通してモノづくりの大変さや大切さを学んでいただきたい。僕自身も学びたいという思いが強いです。

JK:成長していくわけだから、やっぱり気持ちをかけないと、すくすく育たない。しょっちゅう行くわけですか?

鎧塚:ぼくは週に1度必ず行っています。畑作業をしているとお客様が「あれっ、鎧塚さんじゃないの?ご自身でやってらっしゃるのね、えらいわー」と言われるんですが、実は偉いこともすごいこともなくて、気分転換になるんですね。

出水:そのぐらい景色もすばらしくて、流れる空気も素敵なんでしょうね。

JK:川島なお美さんに会いに行く感じね。

鎧塚:そうですね。女房が遺言で、「私は蝶になってここに戻ってきて、桜の花となってみなさまの上に散り、そしてたわわに実る果物となって、あなたの作品としてお皿の上にのりたいです。この農園を立派にしてください」と書き残していて。石にもそう刻んであります。

=OA楽曲=
M1.  Danzteka / Fuerza Bruta

M1.  Summer Wine / Lee Hazlewood & Nancy Sinatra