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早期発見が重要な“緑内障” 本当に使えるOCT検査って?

森本毅郎 スタンバイ!

緑内障は、日本人の中途失明の原因で最も多い、目の病気です。この病気の難しいのは、緑内障の多くはかなり症状が進行しないと、自覚症状がでないことですが、最新の検査の精度は極めて高く適切に治療すれば、生きている間の失明を避けられます。病気とその検査について。9月11日(月)の松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。

★進行になかなか気づけない・・・

緑内障は自分ではなかなか気づくことができない病気です。患者さんは、40歳以上の17~20人に一人、全国に数百万人います。放置すると10~15年で失明の可能性がありますが、治療を受けているのは、その2割。というのも緑内障は、早期どころか中期になっても症状がありません。視野は鼻側から欠け始めますが、欠けた部分が暗く見えるようなこともない。片目の視野が欠けても、もう片方の目で補ってしまい、見えていると脳で錯覚が起きます。字を読みづらい運転がしづらい、という症状が出ているとそれはかなり進行した段階です。

★視神経の圧迫が原因

早期発見が重要になるんですが、そのためにも緑内障が起きる、仕組みを知ってほしいです。緑内障は、眼球の後ろ側にある視神経が徐々に障害されることで起きます。視神経が障害を受ける理由は「眼圧」です。眼球では房水という液体が作られては排出され、眼球の圧力がコントロールされています。しかし、その排出口が、詰まることがあり、そうなると、眼圧が上がってしまいます。眼圧が上がると、眼球の後ろ側にある視神経が圧迫され、緑内障が進むわけです。ただ、日本人の緑内障患者の7割は、眼圧の数値は正常なのに、発症します。最近の知見では、「体質的」なもので、視神経が徐々に障害されると考えられています。しかし、眼圧が正常数値の範囲内であっても、視神経に圧力はかかるわけですから、体質が原因である人であっても、眼圧を、さらに下げる必要があります。

★第一選択は目薬

そうしたことから、今ある治療の目的は、眼圧を下げ、進行を止めることです。視野を回復させるとか、視神経を元の状態に戻すなどの治療法はまだ開発されていません。第一選択は「目薬」、それで進行が止められない場合、「レーザー治療」「手術」となります。点眼薬はどんどん進化しているんですが、その作用から大きく2種類に分けられます。房水を「流れやすくする薬」と房水の「作られる量を少なくする薬」です。房水を流れやすくする、プロスタグランジン関連薬を中心に、患者さんの症状に合わせて、他の薬を組み合わせていくので、2つ使っている人がおよそ4割います。多い場合、3つ以上を併用している人もいます。確かに、その数の目薬をこまめにさすのは面倒ですし、最近では、2種類の薬を組み合わせた配合薬も使われていますが、初期段階の人ではその効果もわかりづらいので、中断する人が4人に1人いるのが現状。ここは失明を避けるために、mまた進行をできる限り抑えるため、続ける必要があります。そうした根本的な治療法のない現状を踏まえると、まずは、早期発見が大事になります。

★OCT検査とは!?

発見するための目の検査としては「眼圧検査」「眼底検査」「視野検査」などがありますが、今回は、新しい検査で、診断の精度が極めて高い「OCT検査」に注目したいと思います。OCTは、日本語では光干渉断層計といいます。赤外線の光を使って、網膜の断層の状態を映した画像を撮影する機械、という意味です。緑内障は視神経が眼圧によって、障害を受ける病気と言いましたが、このOCTの機械を使えば、網膜の中にある、視神経の状態が画像で詳しくわかります。マイクロメートル単位で、網膜の厚み、を測ることによって視神経の状態がわかります。1マイクロメートルは0.001ミリです。毛細血管の断面が10マイクロメートルなので、その10倍、細かくチェックできます。緑内障が進行すると、10層からなる網膜の第7層の視神経の通う部分が、薄くなります。これは、直接目で見ても、薄いかどうかなんて判別できない、微妙な変化です。OCTだとそれを細かくチェックして、色分けした画像で示してくれるので、一目瞭然でわかります。具体的には、網膜の状態が正常な場合は緑色、要注意のレベルは黄色、そして神経が薄くなっている異常なレベルだと、赤色で示されます。

★検査は楽ちん、40歳になったら受けるべき!

一方検査を受ける側としては、他の目の検査と同じように、台の上にあごを乗せるだけです。機械内部の青い光を見るだけ、解析時間も含め、10分程度で終了します。保険がきいて、600円程度で受けられます。それで、いままでとは比較にならないほど正確な診断が下せます。40歳になったら、ぜひ受けてほしいです。特に緑内障を発症する前の段階で、発見ができるので、その段階だと、発見の時期が40代と早くても、中途失明は避け、天寿をまっとうできます。

★OCTは他の病気にも対応!

実は、このOCTは、いま他の病気にも使われ始めています。「血管OCT」といって、血液の異変の兆候も確認できます。具体的に使われるのが、緑内障の次に、中途失明原因として多い、糖尿病網膜症です。以前は造影剤を点滴して血液の流れをチェックしていましたが、 造影剤を使うと、患者さんにショックが起きたり、糖尿病の人は、腎機能が悪くなってしまうなどのリスクがありました。「血管OCT」であれば造影剤を使うことなく、血流のあり・なしを判別できます。また、今開発中で、注目されているのは、内視鏡でOCTを使う方法です。完成するとOCTでガンがどこまで浸潤、広がってしまっているかを正確に確認できます。今は直接目で見たり、色を染めるなどしないといけないことです。他の臓器でも使えるとして注目されるOCT検査、一度目で試してみてはどうでしょう?

 

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170911080000

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