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廃業の危機から起死回生「センベイブラザーズ」

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
9月30日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、創業から半世紀以上続く東京・江戸川区のせんべい工場「笠原製菓」の4代目兄弟、笠原健徳(かつのり)さん・忠清(ただきよ)さんのお二人をお迎えしました。

笠原兄弟

笠原製菓の創業者は兄弟の祖父・徳清(とくせい)さん。戦後、新潟から上京し、1948年に新宿区下落合で「笠原屋煎餅」を始めました(当時は作ったせんべいを一斗缶に入れて自転車で売っていたそうです)。そして1960年、葛飾区に有限会社笠原製菓を創業。その10年後に江戸川区船堀に工場を移しました。そして1975年に兄・健徳さんが、1978年に弟・忠清さんが生まれます。二人の名前は祖父から一字ずつもらったんですね。当時は自宅も兼ねていたせんべい工場は父が2代目を継ぎ、その父が46歳の若さで他界してからは、叔父(父の弟)が3代目として引き継いでいました。

2014年、弟・忠清さんが26歳で家業に入りますが、その頃からおせんべいの需要は減っていきました。リーマンショック(2008年)と東日本大震災(2011年)で消費者に節約志向が広がると、それまで売れていた贈答用の高級せんべいの注文は以前のように入らなくなりました。下請け専門だった笠原製菓は経営が悪化し、気が付けば巨額の負債。2014年には3代目の叔父が体をこわし、工場は廃業の危機を迎えたのです。

スタジオ風景

話を聞いた兄・健徳さんは20年続けたデザインの仕事を辞め、4代目社長として家業を継ぎました。「せんべい屋でなくても、笠原製菓という屋号は何かの形で引き継ぎたいとはずっと思ってました。家の状況は聞いていましたし、苦しくなった10年ぐらいの間、弟がずっと一人でせんべいを作っていたことも知っていましたから、もう迷む時間もなく、自分も工場に入ろうと決断しました」 健徳さんには確信がありました。このまま下請け専門では先はない。幸い、弟・忠清さんの作るせんべいの味は評判がいい。ならば見せ方を工夫すればきっと売れるはず。

SENBEI BROTHERS

そして、兄弟でオリジナルブランド「SENBEI BROTHERS(センベイブラザーズ)」を立ち上げました。キャッチフレーズは「せんべいを、おいしく、かっこよく。」ニューヨーカーが歩きながらホットドッグをほおばる姿は絵になります。そんなふうに、表参道を歩くOLの人たちがカバンからさっと取り出しても絵になるせんべいです。健徳さんがデザインしたパッケージは従来のせんべいのイメージを大きく変えました。パッケージだけではありません。デパートの催事やイベントに繰り出す時の兄弟は、紫のハットと「SENBEI BROTHERS」のロゴが入った紫の前掛け(イメージカラーは醤油からきています)。

堀井美香AN

もちろん味には自信あり。当初は醤油だけでしたが、今やそのラインナップは20種類以上。ダントツの1番人気は「バジル」。2番人気は、完成したばかりの「飛騨山椒」が一気にランクイン。ほかにも、パンチが最高に効いている「にんにく」、鼻を突き抜ける刺激がたまらない「極みワサビ」、予想を上回る香りが口いっぱいに広がる「塩ごぼう」、スタジオに持ってきていただいたせんべいはどれもクセになるおいしさ! ビールがほしくなります。味つけもさることながら、ベースになっているせんべい自体がとてもおいしいんです。試食した堀井さん、久米さんと笠原兄弟のお話がすっかり上の空…。

スタジオ風景

つい3年前まで地元・江戸川区の人にもその存在が知られていなかった下請け専門のせんべい工場。誰にも知られないまま廃業する寸前で、起死回生となった笠原センベイブラザーズ。SNSで爆発的に人気が広がり、今では工場の通販は1~2ヵ月待ちという状態。「さぼっているわけではないのですが、なかなか追いつかなくてすみません!」嬉しい悲鳴の弟・忠清さんと、さらなる飛躍のアイデアを練る兄・健徳さん。実は、以前この番組に出ていただいた東京・北区の老舗ソース会社「トキハソース」とコラボした新商品を現在開発中。完成したアカツキには、またぜひスタジオに!

兄・笠原健徳さんのご感想

笠原健徳さん

ラジオだということを忘れてしまうぐらい楽しい30分でした。どちらかというと商品よりも人にフォーカスしていただいて、僕らがやってきたことで表には出ていない部分の話を掘り下げてくださったので、嬉しかったです。

僕らは本当に久米さんの番組をよく見ていたので、まだ工場の上に住んでいた子供の頃を思い出しましたね。母と父は夜も1階のせんべい屋で働いていて、僕らは親のいない2階でボロいテレビで『ザ・ベストテン』を見て。「寺尾聰が○週連続1位!」なんて、本当によく見てましたよ。その久米さんとお話しできて、その頃のことをすごくしみじみと思い出しました。

今日はほかではできない体験をさせていただきました。ありがとうございました。

弟・笠原忠清さんのご感想

笠原忠清さん

今日は一言でいうと、疲れました(笑)。カウントダウンもなくいきなり本番が始まったので驚きました。頭の中が真っ白な状態で、何を話したのか憶えてないです。僕は兄と違ってしゃべるのが得意ではないのですが、久米さんに質問していただいて、話をぐいぐい引き出してもらいました。

久米さんには、僕が実際に作ったせんべいを食べていただいたので、作り手としては緊張する部分もありましたが、おいしいと言っていただいて、ありがたかったです。

次回のゲストは、専修大学教授・山田健太さん

10月7日の「今週のスポットライト」には、ジャーナリズム論が専門の専修大学教授・山田健太さんをお迎えします。政治とメディアの関係についてお話を伺います。

2017年10月7日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20171007140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)