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おいしさ競うブランド米 なぜ選べない?

森本毅郎 スタンバイ!

新米の季節になりましたが、各産地から”ブランド米”が続々と登場しています。今年登場した新しい銘柄は、過去最多の41件!!”コシヒカリ1強”を脅かそうと、ブランド米の開発競争は、さながら『戦国時代』のようだ!と新聞などにあります。そこで・・・!

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!10月10日(火)は、レポーター近堂かおりが『おいしさ競うブランド米 なぜ選べない?』をテーマに取材しました!

★ポストコシヒカリ!!福井県”いちほまれ”

中でも特に鼻息が荒いのが、福井県。”いちほまれ”という新しい品種を引っ下げ、満を持して、関東に乗り込んでくるんです。今のお米の状況を、ずっと悔しい思いで見ていたのだそうです。福井県農業試験場の冨田桂さんのお話です。

冨田桂さん
「コシヒカリは福井県で開発されたお米なんですよ。新潟県がコシヒカリというイメージを持っている方が大変多いと思うんですけど、そういう誤解を解くためにも、コシヒカリに勝るようなお米をつくるということで、まずお米って見るところから始まると思うんです。白さが際立って、そのうえツヤが非常にある。その点はコシヒカリより勝っているというが一点。それから、私たちは”粒感”って言うんですけど、お米のひと粒ひと粒が感じられる、そのうえでそれを噛むと非常に粘りがある。そのバランスが非常によく取れているということが二点目の特徴です。」

コシヒカリ=新潟・魚沼というイメージを覆すような新しい米をつくったのです。冨田さんがいらっしゃる部署の名前が『ポストコシヒカリ開発部』。思いが伝わります。福井だけでなく全国各地の産地が『打倒・新潟コシヒカリ』で挑んできている。

★新潟は”新之助”で磐石の構え!

では、迎え撃つ新潟はどうするのか。新潟県庁の神部淳さんにお聞きしました。

神部淳さん
「今、全国で流通している3割以上はコシヒカリですので、日本の米の頂点に立っておりますが、コシヒカリ以外のおいしさを求める方がいらっしゃるので、そういう方に新しいお米”新之助”をぜひお召し上がりいただきたいと思います。新之助はキャッチフレーズとして『きらめく大粒、コクと甘みが満ちている。』と表現しております。ひと粒ひと粒が口の中で主張する、大変食べがいのあるお米です。さっぱり口の中に召し上がっていただいたあと、噛むほどにコクと甘みが広がる、そういった独特の食感を持ったおいしいお米です。」

新潟も新しい米”新之助”を開発して、盤石の構え。というのも、今から10年ほど前に”ゆめぴりか””つや姫”というブランド米が登場し、それらが人気となり、しっかりと定着したことから、ほかの地域も次々にブランド米を出してきました。
さすがの新潟県も、コシヒカリが『1強』でなくなりつつあることを感じているのかもしれません。

 

★コシヒカリはもはや最強ではない!?

そのことは、消費者と直接接しているお米屋さんも感じています。常に60種類以上のお米を扱っている東京・目黒の販売店『スズノブ』の西島豊造さんのお話です。

西島豊造さん
「消費者目線でコシヒカリって、もう『最強』じゃないんですよ。もしいまだにコシヒカリが最強の品種なら、ゆめぴりかやつや姫はここまで話題にならなかった。あの2つの品種を食べているのが、コシヒカリが苦手になった人たち。ゆめぴりかを欲しがっている人は、コシヒカリに物足りなさを感じている人なんです。つや姫を求めている方は、コシヒカリがもう重たくなっている。その前の時代は、コシヒカリ、あきたこまち、ササニシキが横一線に並んでいて、あきたこまちがちょうど特徴のど真ん中にいるような感じなんです。コシヒカリ、つや姫、ゆめぴりかというのはそうではなくて、三角形みたいになっているんです。どこにも交わらない、各々別の特徴を持っている。その3つに対して、どの産地がどこに挑むかというような状況なんです。」

実はこの西島さん、五ツ星お米マイスターの資格を持っていて、全国各地のブランド米の開発にも協力している方。その西島さんに拠れば、以前とはタイプの違う味や食感を持った新しいお米が、今はたくさん出ているのだから、コシヒカリだけを相手に考える、という状況ではなくなっている、ということでした。

★どれを選んでいいか、分からない!

これまでの人気米に加えて、全国各地のブランド米が入り乱れての『戦国時代』。街のみなさんは普段お米をどんなふうに選んでいるのか、聞いてみました。

●「いつも”ゆめぴりか”。私あんまり違いが分からないから何でもいいんですけど、主人に言われているからそれを買っているだけで。」
●「今はたまたま”はえぬき”を買って。基準なんかあんまり考えてなく買ってる。」
●「地元の米。山口の”ヒノヒカリ”というんですけど、魚沼産よりおいしいんじゃないかって。」
●「私は山形の”ササニシキ”。うち、主人がかたいゴハンがだめで、やわらかめに炊くのね。だからササニシキが合うみたいね。」
●「コシヒカリ。いちばん食べてます。今のお米ってみんなおいしいから、あんまりありすぎて、どれがおいしいか分からないから、昔からのイメージで買っちゃうんです。」
●「明らかにこのお米はここがウリですよ、みたいのがあれば、それに惹かれて買うんでしょうけど、あんまり書いてないじゃないですか。書いてくれれば買いやすいのにと思います。」

いろんなお米の名前が出てきました。ここ数年いろいろなブランド米が一気に増えたけれど、実はみなさん、『特徴の違いが分からない。どれを選んだらいいか分からない』という声が多かったです。

★特徴を伝える”表現”も開発して!!

それはどうしてなのでしょうか。先ほどのお米販売店の西島豊造さんにお聞きしました。

西島豊造さん
「どの産地も『おいしい』とか『安全・安心』とか、言い方が同じなんです。粘りがあるとか、ツヤがあるとか、甘さがあるとか、または、温暖化に強いとか、収量が取れるって、よく言いますよね。それ、今の新品種ってみんな対応しているんです。その同じことをいろんな品種で言われても、分からないですよね。今回の選挙がまさにそうですよね。いろんな人たちがいろんな言い方をしていますけど、『どこが違うんですか?』って逆に、聞きたい。お米も今、そういう戦いをやっているんですよ。コシヒカリの表現を真似してしまってはだめ。
あきたこまちとも違う。はえぬきとも違う。今までと比較する相手がいない米なんです。だから日本酒やワインのような表現、自由な発想の表現がほしい。それがこの頃の新品種なんです。」

産地の米はみんな個性的なのに、特徴を伝える言葉がどれも似てしまって選べない、という状況なんです!もったいない!!

お米の開発の技術はすばらしい!どれもおいしく、それぞれに際立った個性を持っている。しかし、その伝え方が同じでは、その個性は伝わらない・・・消費者の目には混沌としてしまって『応仁の乱』状態、となってしまう。しかも、開発に何年もかかっているものがほとんどなのに、個性が伝わらず、あっという間に市場から消える、なんてことがあったら、残念ですよね。だからこそ、西島さんは、産地や販売店は消費者に届く『表現も開発』していかなければ、とおっしゃっていました。

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。