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性別適合手術のドキュメント映画「女になる」▼人権TODAY(9月21日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・『性別適合手術のドキュメント映画「女になる」』

「性同一障害」に悩む若者を取り上げたドキュメンタリー映画

今回は10月28日から公開される映画「女になる」を紹介します。「性同一障害」、医学上判断される性別と自分が意識する性別が一致しない状態をこの映画の中では「性同一障害」と表現していますが「女になる」は性同一障害であることに悩み続けていた男子大学生の中川未悠さんが就職にそなえて性別適合手術を受けることを決心し身体を女性に変えるまでを記録したドキュメンタリー映画です。
    
「性別適合手術」というのは、かつては「性転換手術」と呼ばれていた手術です。2000年代に性同一障害は一般的な現象であると法律で位置づけされ戸籍の性別変更が認められるようになって以降、性同一障害に悩む人たちが心理的な性と外見的な性を一致させるため、性器などの形状を変える形成手術を「性別適合手術」と呼ぶようになりました。
    
性別適合手術は日本では合法的行われた例がまだ少なく難しい形成手術です。この映画は手術そのものを記録したものではなく、性同一障害の大学生、未悠さんの日常生活や手術の日までの心の動きを追っています。

 

中川未悠さん
「もともと女の子の物が好きな男の子っていう感じだったんですけど、小学校高学年から中学生になる時にテレビではるな愛さんとか、佐藤かよさん、椿彩菜さんを見て、『これちゃうかな、私も』と思って。悩んでいる状況も一緒だし、私はこういう人間かなとメディアを見て実感しました。男性器が自分についていることに対して、いやな部分があったり、男性を好きになっていた自分もいたし、男の子として生きていくのはしんどいし、自分を苦しめてるだけやし流れ的に自分は女性になっていくものだなあというのはありました」

映画「女になる」は性同一障害に悩んでいる当事者の本当の気持ちに触れることが出来る内容です。映画では彼女のお母さんやおばあちゃん、友達、大学の先生や仕事先の人々、治療に携わった医師などにもインタビューしています。お母さんはカミングアウトされた日に衝撃を受けながら「男の子と女の子、両方産んだと思うようにした」と語り、おばあちゃんは女性ファッションの未悠さんと町を歩きます。登場する人たちは、性同一障害の未悠さんの性別が変わってゆくのを受け入れて、彼女のあるがままを応援します。周囲の人たちの見守る姿勢や優しい言葉も、このドキュメンタリーの見どころです。それが彼女にとって心の支えになったそうです。   

中川未悠さん
「お母さんに初めてカミングアウトしたんですけど、もう親子の縁が切れる覚悟でカミングアウトはそれぐらい重みがあると。おばあちゃんは性同一性障害という言葉のまったくない時代に生まれてる方なので、『勘違いや』って何回もいわれました。でも、最終的には手術の日もついてきてくれるぐらい理解してくれました。友達からはいつ『手術するん?』って逆に言われて自分自身、そろそろしないといけないという思いもありました。友達とか家族とか、背中を押してくれる人が多かったので、周りの環境が良くなかったら、いまの私もいないと思いますし、手術ももっと先になっていたのかもしれないです」

「性同一障害」は13人に1人

「性同一障害」に悩む人が周りにいるという方たちにも、この映画は参考になるかもしれません。映画の中では性的少数者、いわゆるLGBTと呼ばれる人たちと一般的異性愛、いわゆるストレートの人たちが交流するイベントや同性婚、パートナー婚と呼ばれる新しい結婚に関する情報も盛り込まれています。LGBTの人たちとどのように接するべきか、支えてゆくべきかを学ぶことができると思います。また劇中、臨床心理士の先生が性同一障害の人は、13人にひとり、左利きや血液型のAB型と同じぐらいの割合でいる、というデータを語り、悩んでいる人にとって、打ち明ける環境や、受け入れる体制が整ってないと指摘します。観客も身近なこととして考えるきっかけになると思います。未悠さんは今年6月に戸籍上も性別変更して女性になりました。現在は大学卒業後ファッション関係の会社への入社を目標に就活中ということです。
    
  

中川未悠さん
「手術する前はどうしても自信がなくて、自分の体にもコンプレックスがあったので、人としゃべるのもどうしても、下向きな感じもあったんですけど、手術してから女性になって、自分らしく生きられるなって思いが強いですね。前向きに、人と会話できるようになったのかなと思います。当事者の方、私と同じ悩みを持っているという人たちに、この映画を見てちょっとでも勇気をもっていただけたら、この映画を撮って良かったなと思っています」

このドキュメンタリーは奇抜さを狙った内容ではなく、とても優しい、暖かみのある映画に仕上っています。こうした作品を見ることで、LGBTの人たちへの理解が深まって偏見・差別などがなくなればと思います。この映画は10月28日から新宿ケーズシネマで公開されます。

中試写会で映画を見たお客さんの感想
「中川さんは普通にかわいい子だったし、いるべきところにいったっていうか、良かったね、という感じがしました。中で13人に一人とかって数字が出たんですけど、その割りに私の周りにはいないなって。上手に隠しているのか、つらい思いをしてるのか分からないですけど」●「彼女はとても逞しいし、母親も祖母にも愛されて、良く理解されて、3人の協力がないと成立しなかったと思うので。その彼女のキャラクターに引きつけられました」

映画に関する情報はホームページなどでご確認ください。

「女になる」 正ポスター

(担当:藤木TDC)