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町の産業と歴史を知る「きねがわスタンプラリー」▼人権TODAY(10月28日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で、8:20頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

地域のことを学ぶスタンプラリー

東京・墨田区の木下川(きねがわ)地域は、皮革と油脂に関わる産業が集まっています。この地域の歴史と現状を学び、町の将来に興味を持ってもらおうと、10月15日に行われた「スタンプラリー」を取材しました。

スタートの社会福祉会館

スタートの社会福祉会館

スタート地点は「墨田区社会福祉会館」。普段行われている地域のサークル活動の様子などの展示のほか、牛の皮を使った犬のキーホルダー作りが体験できました。年配の方や、こどもたちのおしゃべりで終始にぎやかでした。

犬のキーホルダーを作る参加者

犬のキーホルダーを作る参加者

うまく出来たかな?(手前は見本)

うまく出来たかな?(手前は見本)

次の目的地へ向かう途中、公園にチェックポイントのテントがあり、地元の方がスタンプを押してくれました。地元の町会や業界の組合が協力する、街をあげてのイベントなんです。

スタンプを押してもらう

スタンプを押してもらう

そして着いたのが、「産業・教育資料室きねがわ」です。皮をなめす工程の説明や、昔使われていた道具の展示、なめした皮がどんな革製品になっているのか、また油脂からどんな製品が作られているのか、木下川の町の歴史と共に、「産業」について学べます。そして、「教育」の展示資料では、2003年に廃校になった木下川小学校でどのような人権学習、人権教育が行われてきたのか、知ることができます。また、この日は「きねがわ」地域の未来を考える特別展「未来へ紡ぐ革の街」も開かれていました。

皮をなめす作業で使われていた道具

皮をなめす作業で使われていた道具

最後は、年1回の公開日になっている「東京都立皮革技術センター」で最新技術などを見学したあと、スタート地点の「社会福祉会館」に戻って、ゴールです。

スタンプラリーを終えた人たちの感想

「墨田区民なんですけど、こういう施設があること全く知らなかったので、新たな発見ができていい体験ができました。いろいろ無料でいただいちゃって、革製品って高いじゃないですか。ホントにありがたいなと思います」
「楽しかったです! 生の皮からいろんなものに変わっていくということとか、いろいろ学べた」
「今回初めてなんですけど、革の製品の奥深さっていうんですか、どういう工程で作られるか知らなかったので、勉強になりました。すごく良かったです。」

「豚革生産日本一」木下川地区の歴史と今後

木下川地域が「皮革と油脂の町」になったのは、明治の中頃。都市化が進んだ浅草付近から追い出される形で、業者が移転してきました。昭和の始めには再び移転を迫られましたが、住民の力で押し返したそうです。工場の数は最盛期よりかなり減りましたが、現在でも革製品の素材としての「豚の皮」は、日本で使われるほとんどを木下川で生産しています。スタンプラリーのスタンプにも「豚革生産日本一 きねがわ」とありました。また、皮なめしの副産物である油やゼラチンは、石鹸や食品、化粧品、肥料など様々なものの原料になり、私たちの生活を支えています。

スタンプに「豚革生産日本一 きねがわ」

スタンプに「豚革生産日本一 きねがわ」

皮なめしの副産物は様々なものに利用されている

皮なめしの副産物は様々なものに利用されている

ただ、木下川の町も変わりつつあります。廃業した工場の跡地にはマンションなどが建てられて、この町の成り立ちやどういう工場があるか知らない新しい住民からは、皮をなめす作業で使う薬品のにおいや機械の騒音などへの苦情もあるということです。
「産業・教育資料室きねがわ」のスタッフで、木下川地域の未来を考える特別展を企画した岡田伊代さんは、そうした新しい住民と昔からの住民の関係を作っていくことが、これからの「街づくり」には大事だと話しています。

岡田伊代さん

新しい人たちや仕事をリタイアした人たちの関係性をどう作っていくか。元々革の仕事をしてた人が辞めて、そこにマンションとかアパートを建てて大家さんになりました。大家さんなので、新しく入ってきた人たちの苦情や要望を聞かなきゃいけない。そこで、仕事をしてた人と今仕事をしてる人が衝突するという、結構悲しいことになってしまう。お互いどこか譲り合いながら、関係を作っていけるような下準備をここで少しでも出来ればいい。

顔の見える交流、接点が必要だからこそ、今年3回目になる「きねがわスタンプラリー」も開かれているわけです。新しく住み始めた方が、住んでる地域のことを知りたいと資料室をちらほら訪れているということで、岡田さんは「そうやって知るところからスタートすればいい」と話していました。

皮革や油脂産業のこととあわせて人権教育のことを学べる「産業・教育資料室きねがわ」。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

(担当:進藤誠人)

■産業・教育資料室 きねがわ
住所 東京都墨田区東墨田2-12-9 東墨田会館2F
(京成線・八広駅から徒歩約10分)
開館時間 10時~18時
休館日 水曜、日曜、祝日
電話 03-3617-9004
入館無料
※団体は要予約