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作品総数3万曲、最高傑作はいつも最新作~小六禮次郎さん

コシノジュンコ MASACA

2017年11月5日(日)放送

ゲスト:小六禮次郎さん(part 1)
1949年、岡山市生まれ。東京芸術大学音楽学部作曲家を卒業後、映画「激動の1750日」で日本アカデミー賞優秀音楽賞、「オーロラの下で」ではアジア太平洋国際映画祭の最優秀音楽賞を受賞。映画・テレビ・ミュージカルから、オペラ・交響詩まで、第一線で活躍する作曲家、編曲家です。現在は北海道を拠点に活動中。奥様は女優の賠償千恵子さん。

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JK:すごいよね、奥様とも活躍されていて。この夫妻にはホッとする。

出水:奥様の賠償さんにもこの番組にご出演いただいて。

JK:あの時、小六さんがお誕生日だったのよね。

小六:私のためにハッピーバースデーを歌ってもらっちゃって、ラジオ聞きながらびっくりしちゃいました(笑)

出水:今年の神楽坂合唱団の課題曲「光の彼方へ」、難しいんだ~というお話をさっきジュンコさんから伺いました。

小六:課題曲?! コンクールみたいですね(笑)

JK:ゴスペルシャワーとでもいうのかしらね?

小六:もともとは組曲で、いま神楽坂女声合唱団を指導なさっている辻志朗先生のお父様、辻正行先生が率いていた合唱団から委嘱された曲だったんです。合唱曲っていうとクラシックでしっかりしたものが多いんですが、みんなで歌える曲が欲しい、という辻先生の思いで作った曲です。そういう意味では、歌いやすく書いたつもりなんですけれども(笑)

出水:今年の神楽坂女声合唱団のクリスマスディナーショウには、倍賞千恵子さんと小六さんがスペシャルゲスト。

JK:もともと倍賞さんは合唱団に入っていただいていて、その時に出会ったんだけれども、本当に律儀な方で、合唱団を辞めてもゲストで来てくださるの。

小六:10年在籍して、そのあとは卒業ということでね。だいたい2年に1度ぐらいですかね、こういうコンサートに出ていますね。

出水:今年、倍賞さんはどんな曲をやるんですか?

小六:いろんな曲をいままで歌ってきたので、彼女のファンの方には「下町の太陽」とかそういう曲もあるんですが、いま私たちがコンサートで歌っている曲とか、レコーディングした曲も聞いていただきたいなーと思いながら、考え中です(^^)こないだ「愛の讃歌」をいっしょに出したんですよ。これはいいかなーと思っています。

JK:帝国ホテルなので、盛り上がりますから! 小六さんも一緒に歌うってことはないの?

小六:カラオケ持ってきてくれたら、歌いますよ。「銀座の恋の物語」とか(笑)

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出水:倍賞さんとはどんな風にご一緒に練習しているんですか?ご自宅にスタジオがある?

小六:いや、自宅のリビングで練習しています。二人だけですしね。

出水:えっ、ご近所の方はびっくりしますね??

JK:近所もなにもないわよ、回りには何もないもの。

小六:あ、北海道の家のことですね。二人だけでステージをやっていますが、一応台本もあるし、セットも照明もあるので、結局10トントラック1台分ぐらいの設備は持っていかなきゃならない。そういう意味では決まりごとのあるステージなんですが、中身は家で二人で冗談を言いながらたまに歌っている。そういうアットホームな感じです。

JK:倍賞さん、よくおっしゃるもの。「話は歌うように。歌は話すように」。とにかくプロだからね、歌いながら話してる。

小六:そうですね、朗読をしたりとか。2014年より前は、コーラスやブラスが入った7-8人のバンドで演奏してたんです。ところがお客さんの年齢があがってきて、「伴奏がうるさいな」って言うんです。それでどんどん音を小っちゃくしていって、8人が4人になって、3人になって、今は2人。いまは一番歌が聞こえて、声が聞こえていい、って言われます。2人だけっていうのが、また特別な感じもして。

JK:ピアノと歌って素敵ですよね。いいコンビね~!

出水:作品リストを見てみると、ものすごい数になるんですが!

小六:う~ん、40年くらいだから、多分・・・編曲もたくさんやってますので、自分で作曲したオリジナルと合わせると3-4万曲ぐらい。

JK・出水:ええっ?!

小六:でも、私の師匠の服部克久さんは6万曲とか。だから、20~30代のころは、毎日2~3曲は書いていました。短い曲もあるんですよ、30秒のコマーシャルとか。ドラマの曲も1分とか。そういう曲も入れてですけれど。

JK:でも、そういう1分がすごい印象的だったりするのよね。

出水:1996年のNHK大河ドラマ「秀吉」のオープニングも手掛けていらっしゃいました。どのようにして音楽はふってくるんですか?

小六:「ふってくる」じゃなくて、「搾り出す」というか(笑)

JK:ストーリーがあるでしょ? ストーリーからイメージがわいてくるわけ?

小六:そうですね、まず台本があって、次にみなさんが演技なさったVTRを見ます。そこでプロデューサーやディレクターと打ち合わせをして・・・テーマ曲の場合は、ドラマが始まる半年ぐらい前から作りますが、その時はまだ何もできてないので、イメージというか、このドラマは何を表しているのかという打ち合わせに時間をかけます。「秀吉」を例にとると、我々が持っている「立身出世」というイメージ、でもそのあとの朝鮮出兵のような負のイメージもありますから、捉えようによって人間のイメージは変わります。今回はどういう表現方法にするのかという話し合いをして、曲調はこうしよう、というアイデアを僕が出す。

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小六:大河ドラマの場合はテーマ曲はNHK交響楽団が演奏すると決まってますから、「秀吉」の時はアイデアを出したらN響のトランペットマスターの方にお願いして、普通のトランペットよりも小さい“ピッコロトランペット”をフィーチャーした曲にして、秀吉が若いころからどんどん階段を昇って行って、どんどん盛り上がっていくっていうのを表現しました。

出水:どのぐらいの期間をかけて作ったんですか?

小六:これはですねぇ、録音の前にデモテープを作ったんですが、録音の3日前ぐらいに「あれは方向性が違うかもしれない」っていう話があって、2日前に書き直しを初めて、書き終えたのが1日半。まあ1分半ぐらいの曲だからそんなに長くないんですが、そういうときって火事場のバカ力、みたいなね(笑)

JK:そうね、いざとなったらね。

小六:こういうことを言うのはあんまりよくないですが、そういう曲って結構あるんですよね。かの有名な曲の中にもそういうのはありました。

JK:だけどオーケストラでしょう?ひとつひとつ、楽器の譜面も書くわけでしょう?それが不思議でしょうがない。

小六:まあ、そういうのは慣れているというか、パッと書ける訓練を子供のころからしていますから。60人分の楽譜ですね。

JK:60人分!全部違うものね!

出水:まさか手書きではないですよね??

小六:そのころは手書きだったんです! 何十段っていう五線譜を、上からおたまじゃくしのちっちゃいのをトントントンって。訓練すれば書けるんです。

出水:書いているときは頭の中で音は鳴っているんですか?

小六:そうですね、基本的には鳴っていて、ピアノで確かめるという感じ。途中でメロディが浮かぶこともありますけれども、頭の中で鳴っているからそのまま譜面にすぐ書けます。

JK:三枝さんに「ヤマトタケル」のスコアを見せてもらったけど、10cmぐらい厚みがあるの! 分厚い!

小六:紙が何千枚にもなりますからね。コピー用紙が重なってるみたい(笑)

JK:そんなに厚いと、間違えて2ページいっしょにめくっちゃったら大変! 自分でめくるわけでしょ?忙しいわね。

小六:私たち作曲家は全部書きますからね。たとえば、さだまさしさんはメロディとコードを書くけれど、バックの音は作曲家が書くとか、そういうような仕事をずっとしてきています。音を全部作るという仕事。当たり前のように毎日たくさん譜面を書く。

出水:頭のなかをのぞかせていただけるなら、じっくり拝見させていただきたいです!

小六:うちなんか大変ですよ、オタマジャクシだらけ(笑)
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出水:数多くある曲のなかで、一番好き・一番気に入っている曲は?

小六:だってジュンコさんだって、いままでお作りになったものでどれが一番、って言われたら・・・

JK:困っちゃいますよねぇ! ぜんぶ! やっぱりね、一番最後にできたものが一番。できたてのほやほや、っていうの。

小六:そうですね、一番新しいものが一番いい。僕も、昨日書いたラジオドラマの曲が一番いいかな? 誰もまだ聞いてないけど(笑)

JK:自分の中での一番よね! それが次につながるエネルギー。

=OA楽曲=
M1. Die Fledermaus: No. 11 Finale “Im Feuerstrom der Reben”
(喜歌劇「こうもり」 第3幕 第16曲 フィナーレ?V:おお、こうもりよ、こうもりよ! )
/ ユリア・ヴァラディ, ルチア・ポップ, リスト, ヘルマン・プライ, ベンノ・クシェ, ベルント・ヴァイクル, Ivan Rebroff, バイエルン国立歌劇場合唱団, Bavarian State Orchestra & カルロス・クライバー

M2. 秀吉メインテーマ / 小六禮次郎