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日本の”熟成肉”もアメリカ注視 トランプさんには通じるか??

森本毅郎 スタンバイ!

日米首脳会談では、「牛肉」というのも焦点の一つになるのではと言われていました。トランプ大統領は日本の市場開放を求めていますから・・・。一方、日本の業者は、なんとか日本の牛肉もアピールしたいと気をもんでいるようですが・・・。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!11月7日(火)は、レポーター近堂かおりが『日本の”熟成肉”もアメリカ注視 トランプさんには通じるか??』をテーマに取材しました!

★日本古来の熟成肉”枝枯らし”

来日初日は、銀座の高級鉄板焼きのお店で夕食でしたが、東京・立川市にある食肉の卸会社『ミートコンパニオン』の植村光一郎さんは、ぜひ和牛の『熟成肉』の良さを知ってほしいと言います。日本ではいまアメリカから来た熟成肉がブームだけれど、実は、日本にも熟成肉がもっと昔からあるそうなんです。

植村光一郎さん
「みなさんがご存じなのはアメリカの『ドライエイジング』で、肉に風を当てることによって肉の表面を乾かすんです。一方、日本でも古来、『枝枯らし』というものがあるんですけど、和牛というのは肉が円熟して、風を当てなくても十分熟成ができるんです。それが果物のような甘い香りがしてくるんです。これは”和牛香”というんですけど、素晴らしい香りが出てくるんです。ニューヨーク方式(ドライエイジング)だと果物みたいな甘い香りはしないんですね。そのように熟成されて素晴らしいお肉になったものは、80gぐらいでもアメリカの牛肉を300~400g食べたのと同じぐらいの満足度が得られる。トランプさんもびっくりされているんじゃないかと思います。」

熟成させる方法が違うんですね。アメリカのドライエイジングという熟成方法だとナッツのような芳ばしい香りになるそうですが、日本古来の熟成法だとフルーティーな香りになるそうです。でもトランプさんはハンバーガーが大好物というように、味の好みは食べ盛りの十代のよう・・・。お肉はとにかく硬くなるまでしっかり火を通して、ケチャップで食べるに限る! ・・・らしいのです。そんなトランプさんに、植村さんが言うような味や香りの違いが伝わったかどうか・・・ちょっと心配です。(今回、銀座のお店でケチャップで食べたかどうかは不明!)

★アメリカ式熟成、日本にもメリットあり!

でも、いま日本でブームの熟成肉の多くは、アメリカ式のドライエイジング。日本古来の熟成方法があるのに、アメリカ式のドライエイジングが広がったのは不満なのかと思ったのですが、植村さんによると、これはこれで日本の牛肉にとってはメリットが大きいとのこと。

植村光一郎さん
「枝枯らしのお肉には素晴らしい高品質のものを使うんですけど、それだと値段が高くなってしまうんです。それほど最高級でない和牛や国産牛でもいいものはたくさんあるんですけど、そういうものに風を当てることによって、水分が多いお肉でもそれはそれなりに素晴らしくおいしいものができあがります。今、高齢化と人口減で国内だけで需給関係のバランスを保とうとすると無理があるんですね。ただ、アメリカへの輸出は260tほどいっています。日本の農産物は素晴らしい評価を受けているんですね。」

今まで熟成肉にできなかったちょっと水分が多めのお肉も、ドライエイジングで熟成することで、付加価値が付いて人気が広がり、海外への輸出も広がりそうと期待しているのです。

★熟成肉、大量生産へ!!

ところが、ここでネックになるのが、大量生産したいけど時間がかかること。熟成には2~3ヵ月の期間が必要になる。これをなんとかしようということで、熟成期間を一気に1ヵ月まで短縮する製造法が開発されました。開発を手がけた明治大学農学部・准教授の村上周一郎さんのお話です。

村上周一郎さん
「そもそも熟成肉はどうしておいしくなるのかというところからスタートしたんですね。長期間置いたらすごくいい香りがしてくるんですけど、どういうふうにしてこの香りができてくるのかとか、そういうことに関してはほぼ誰も調べていなかった。熟成庫というところにお肉を入れていたら、飛んでいるいいカビの胞子が肉に付いて、いつの間にかカビが生えてきて、時間が経っておいしくなってきている。その胞子を布に付着させたものを作ったんです。その布を巻けば、布に付いている胞子がばあっと一気に発芽して増えます。そうすると一挙に菌糸がお肉を覆うわけです。ひと月しないうちに、10日から15日ぐらいで肉のほぼ全面を菌が覆いますから、それでもう熟成に入っていく態勢になったということです。」

熟成を早めるシートを巻いて、ただいま熟成中・・・!


熟成のメカニズムってよく分かっていなかったとは!!そもそも熟成にはどの菌が作用しているかも調べられていなかったというので、びっくりしました。村上さんはその菌を特定することに成功。今までの熟成は自然まかせなので、菌がお肉に付着して増えるまで・・・つまり熟成するまで時間がかかった。そこで、その菌の胞子を付着させた布を巻くことで、熟成期間が一気に短縮した。短期間でできるということは、人に良くない菌が付着する確率も減らせるので、食の安全にもつながる。その『人工短期間熟成』のお肉、実はもう商品化されていました。ハンバーガーチェーンの『ファーストキッチン・ウェンディーズ』で『発酵熟成肉バーガー』として、先月26日から登場。値段は1000円、1060円、1800円の三種類。ファーストフードとしては高い!でもレストランで熟成肉を食べるよりは、ぐっと安く食べられます。
実際に食べてみましたが、ほんとに、お肉が違う!!ハンバーガーなのに、ケチャップやソースなどは入っておらずシンプルな味付けで、お肉の味をしっかり味わうことができました。

これが発酵熟成肉バーガー!!肉の厚みがすごい!


こちらは、ウエンディーズバーガー。

★レアに焼いて、薄味で、肉の味を楽しんで!!

最後に明治大学の村上さんにも、熟成肉のおいしい味わい方について研究者としての見解を伺いました。

村上周一郎さん
「熟成肉でいちばん大きいのは”香り”だと思うんですよ。ひと肌で香りがふわっと立つような気がするんです。だから僕らも味を比べるときはレアでしか焼かないんですよ。真ん中がまだ赤いような感じで食べた時がいちばん違いがはっきりするようなきがするんです。”和牛香”というのは火をかけたときにできてくる香りなんです。僕らが言っている”熟成香”というのは、生肉ででている香りをみようとしているので、本当の熟成香、熟成肉の良さはあんまり焼かない方がいいような気がします。(そして薄味ですね?)はい。塩ぐらいだけで。」

この熟成を促進するシート、アメリカをはじめ、ほかにも国内外から問い合わせがきているそうですから、今後広がっていって、熟成肉が身近なものになっていくかもしれませんね。(トランプさん、ぜひレアで薄味でその味を試してみてください!!)

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。