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「54年8か月」をかけてゴールした、日本マラソンの父

檀れい 今日の1ページ

女優の檀れいが毎回、その日にまつわる話題や風物詩などを交えてお届けする「檀れい 今日の1ページ」

みなさんは陸上競技のマラソンの世界記録をご存知でしょうか?2017年9月の時点で「男子が2時間2分57秒」「女子が2時間15分25秒」となっています。
陸上競技全体で考えると、世界記録がなかなか更新されない傾向の中で、男子マラソンは2000年代以降も記録が飛躍的に伸びているそうです。
いずれにせよ、42・195キロを2時間で走るなんて信じられませんね。私なら・・・2日ぐらいかかるかもしれません。

では、逆に最も遅い記録はどうなるのでしょう?8時間? 2日間? それとも途中で棄権した人? いいえ違います。
オリンピックのマラソン競技における記録は、なんと「54年8ヶ月と6日、5時間32分20秒3」となります。ちょっと理解できません。どういうことでしょう。

実は、こちらは、1912年にスウェーデンで開催された「ストックホルム・オリンピック」に出場した、日本のマラソンランナー「金栗四三(かなぐり・しぞう)」選手の公式記録です。
1891年(明治24年)熊本県で生まれた金栗選手は、長距離走で頭角を現し、日本が初めて参加したオリンピックであるストックホルム大会のマラソンに出場します。慣れない海外でのレースに加え、出場者の半数近くが棄権する環境もあり、金栗選手も途中で意識を失い、目覚めた時にはレースは終了。本来ならば棄権ですが、大会記録はなぜか「行方不明」となっていました。

それから50年以上が経った1967年。ストックホルムで「オリンピック開催55周年式典」が行なわれた際、不思議な記録に注目した関係者が金栗選手を式に招待、きちんとゴールをするイベントを考えます。競技場を走り、ゴールテープを切った際には「日本の金栗、ゴールイン。これを持って大会の全日程を終了します」とアナウンスされたそうです。

このタイムが「54年8ヶ月と6日、5時間32分20秒3」でした。

お正月の風物詩となった「箱根駅伝」の開催を提言するなど〝日本のマラソンの父〟とも呼ばれた金栗選手は1983年の今日、11月13日に92歳で永眠しました。頑張った選手と、そして関係者による粋な計らい。素敵な気持ちになるエピソードですね。

途中で行かなくなったピアノ教室、中途半端に終わらせた部活。読まないままの本。人間、誰しも、必ずそういうものがありますよね。50年かかってもいいと考えればなんだか気が楽になりますね。無理せず、今日も頑張っていきましょう!

TBSラジオ「檀れい 今日の1ページ」月~金曜日 朝6時20分頃~放送中です。

ラジオは、AM954kHz、FM90.5MHz。
パソコンやスマートフォンでは「radiko」でもお聴きいただけます。