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「指導死」という言葉がなくなる日がくるように

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
11月18日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、「指導死」親の会・共同代表の大貫隆志さんをお迎えしました。

大貫隆志さん

福井県で今年(2017年)3月、中学2年生の男子生徒が自殺したことが大きな問題になっています。この生徒は担任と副担任から厳しい叱責を繰り返し受けていました。副担任らは「なぜこうなったか分からない」と話しているということです。大阪では生まれつき髪の毛が茶色の女子高生が、黒く染めるように学校側から何度も強要されて、不登校になってしまいました。

行き過ぎた指導がなぜ起きてしまうのか。どうしたらそのような指導を改善できるのか。そのことに取り組んでいるのが大貫さんです。大貫さんは2000年、当時中学2年生だった次男・陵平くんを指導死で亡くしました。学校や教育委員会に何があったのか事実関係の説明を求めてもあやふやにされ、またPTAからは、学校の指導に間違いはないと反論され、孤立してしましました。その後、同じように子供を亡くした親が数多くいることを知り、生徒指導による子供の自殺を「指導死」と名付けて問題提起。2008年、指導死を考える会を設立。現在は「指導死」親の会として、教育現場や保護者たちに、指導死に対する理解を深めてもらう活動をしています。

指導死

現状では、指導死という言葉はまだそれほど広く知られていません。でも、平成に入ってから現在まで指導死は71件起きています(教育評論家・武田さち子さんの調べ)。これはあくまで把握できた件数で、実際にはその何倍も起きているかもしれません。そのほとんど(80%ほど)は体罰を伴わず部活動にも関係していないケース。つまり通常の生徒指導の中で起きているのです。

指導死の例を調べてみると、いくつか共通点があります。教師が複数で生徒を取り囲む、長時間(長いケースでは8時間)指導が続く、教師たちが生徒に対して厳しい言葉を繰り返し浴びせる、仲間の名前を言うことを強制する…などです。このようなことが生徒指導という名目で行われるようになったのは、学校での体罰禁止が浸透したことがあると大貫さんはいいます。つまり生徒に対し絶対に手を上げない代わりに、指導が長時間化し、厳しくなってきたというのです。

学校では「指導が入る」「指導が通る」という言い方があるそうです。これは教師の指導が効果を発揮した状態をいう言葉です。指導の効果があったと判断するのは、生徒がしゅんとする、涙を流す、うつむくという状態を基準にしているケースが非常に多いのだそうです。生徒をそういう状態にしないと指導が行き届いたと思わない。だから指導の時間は長くなるし、厳しい言葉を浴びせるようになる…。それが本当に指導といえるでしょうか。しかし教師側には「子供のためを思ってやっている」という意識があるので、その行為が子供たちを追い詰めていると自覚することができないのです。

スタジオ風景

「今の教師はかなり忙しいうえに、校長や教頭、保護者、地域などの目を気にして、余裕がなくなっているのかもしれません。どこから矢が飛んでくるか分からないと言っていた先生もいました。そういう中で、子供たちが自分の言うことを聞かなかったり反発してきたときに、困った行動としてみるか、成長の証とみるかで、対応は大きく変わってくるでしょう」と大貫さん。これは教師だけの話でなく、親や、大人たちも同じですね。自分の思いと違うことをしている子供をどれだけ温かい目で見られるかが問われています。

久米宏さん

スウェーデンの社会科の教科書が教えているように、子供も人権を持っているという目でみることがいかに大事か。これは他人事と思わない方がいい。どこにでも起こりうる話です」(久米さん)。

大貫さんたちが「指導死」という言葉をつくってこの問題を訴えるようになって10年になりますが、教育現場にその認識はまだ十分広がっていません。

「僕が指導死という言葉をつくってしまったので、僕の命がある間にこの言葉を消し去りたいですね」(大貫さん)

大貫隆志さんのご感想

大貫隆志さん

久米さんがご自分のこととして話を聞いてくださったので、それがとても嬉しかったです。受け止めてくださるので、ものすごく話しやすかったです。

話をしていると、その人がどんなふうに聞いているか分かりますよね。頭だけで聞いているのか、心で聞いて分かろうとしてくれているのか。子供もそうなんです。先生に話をしたときに、分かろうとしてくれているのかが大事なんです。

久米さんみたいな方が先生でいてくれたらいいなと思いました。ありがとうございました。

2017年11月18日(土)放送「今週のスポットライト」、ゲスト:大貫隆志さんhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20171118140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

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11月25日の「今週のスポットライト」には、新人作家の登竜門といわれる文藝賞を史上最年長の63歳で受賞した若竹千佐子さんをお迎えします。

2017年11月18日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20171118140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)