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最新カラス対策は「カラス語」で?

森本毅郎 スタンバイ!

多くの自治体が頭を抱えている、カラスによる被害。天敵のタカを使った追い払いやレーザーポインターなど、全国で様々な対策がとられていますが、今回、新たな「カラス対策」について、12月4日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

これまでにないカラス対策とはどういったものか、詳しいお話を、総合研究大学院大学の助教・塚原直樹さんに伺いました。

★「カラス語」で、カラスと対話を!

総合研究大学院大学 助教・塚原直樹さん
カラスの鳴き声を使って、カラスとコミュニケーションをする。カラスがどういうことを喋っているのかということを理解する研究なんですが、さらにその先に、鳴き声を使ってカラスの行動をコントロールしたい。“居て欲しくない場所”から、“ここなら居ても良いという場所”まで連れて行く平和的な解決方法で、カラスの鳴き声で呼びかけて誘導することができれば、わざわざ捕まえて駆除しなくても済むのではないかと思います。
森本毅郎スタンバイ!

カラスを追いかけ早15年の、塚原さん。車や自転車で、空飛ぶカラスの声を録音して回っていたそうです

塚原さんは、カラスとコミュニケーションをとって誘導するという、これまでにないカラス対策の研究をしています。現実的にカラスとコミュニケーションが取れるのか…、信じがたい話でもありますが、少なくとも40種類の鳴き声(カラス語)を使いわけているのではないか、ということを突き止めたそうです(ちなみに塚原先生は元々カラスに興味があった訳ではなく、学生時代に知り合った先生がカラスのコミュニケーションの研究をしていたため、この研究に従事するようになったそうです)。研究を始めて15年、今度は、この「カラス語」を世の中に役立てる方法を模索しています。

実際に、「カラス語」は聞き分けられるのか?いくつか聴かせて頂きました。ここでは、それぞれの声の“声紋”をご紹介します。それぞれの画像の波形の下、黄色っぽい筋が“声紋”です。

①「カー!」挨拶の声

森本毅郎スタンバイ!

「よっ!」の意。2~3回繰り返すときもあり、コンタクトコールとも呼ばれる

②「ガーガーガー!」威嚇の声

森本毅郎スタンバイ!

天敵の猛禽類と戦ったときなどに出す、少し濁ったしゃがれ声

③「カァ、カァ、カァ…」ねぐら入りの声

森本毅郎スタンバイ!

集団で発する。夕方によく聴きます

この3つは比較的聴き分けやすく、意外と違いが分かります。街のカラスがどんな声を発しているのか、気にして聴いてみると面白いかもしれません。

★利口なカラスを騙すため、巧妙な状況を作り上げた

果たしてこの「カラス語」で、利口なカラスを騙せるのか。実は先日、山形市で、ある実証実験が行われたんです。どんな実験だったのか?山形市役所・雇用創出課主事の芳賀貴明さんのお話です。

山形市役所 雇用創出課主事・芳賀貴明さん
「カラス語」を用いてカラスを誘導するという実験なんですが、山形市役所・山形地方裁判所・郷土資料館の3地点にスピーカーを設置し、市役所から裁判所、そして資料館に誘導するという内容。まず、「天敵と争う声」を流すことで避難を促した。その後「ねぐら入りの声」を流すことで、安全な場所に来てくれというカラスの声を表現した。
先生方は、誘導したい場所にカラスを誘導することができて、世界で初めての実験に成功したと言っていた。実験するまでカラスが反応するのか半信半疑だったが、「カラス語」は本当なんだな、と実感した。

山形市でも、カラスの糞害や農作物への被害などが多く報告されており、タカを使った追い払い実験などを行ってきたそうです。しかし、被害を完全になくすということが出来なかったため、他の対策を探して神奈川の塚原先生に辿りついたということでした。

森本毅郎スタンバイ!

山形市で行われた実験の流れ。「カラス語」で、市役所から郷土資料館まで、カラスを誘導します

実験は、夜6時半頃から、約10分間で行われました。山形市役所にいる100~200羽のカラスを、直線距離で約200m離れた郷土資料館に誘導する、というのが目標です。手順としては、まず市役所で「天敵と争うカラスの声」を流して、カラスたちを動揺させます。その後、裁判所に設置したスピーカーで「ねぐら入りの声」を流し、“これで安心だよ”と誘導。さらに資料館でも時間差で「ねぐら入りの声」で誘い込み、これで、カラスの誘導は完了です。

実験は、無事成功!当初半信半疑だった山形市役所の芳賀さんも、今後も「カラス語」で実験を行っていきたいと仰っていました。

★誘導は成功!今後は“定着”が課題

最後に総合研究大学院大学の塚原さんは、こんな課題を教えてくれました。

総合研究大学院大学 助教・塚原直樹さん

誘導は出来たが、誘導した先で定着させるということが重要な課題になってくる。一旦その場には行ったけど、結局散っちゃうので、定着させる工夫というのをいま考えている。さらに、山形市以外にもいくつか自治体からオファーを頂いていているので、再現性を証明していく必要もある。そういうのを何度も繰り返して、いずれは実用化していきたいと思ってます。

今後は、誘導した場所に住まわせたり、いつでもどこでも誘導できるといった実績を積み、出来るだけ早く実用化していきたいということでした。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!