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W杯、日本は勝てる? 「実力はあくまでポット4」セルジオ越後さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
12月9日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、サッカー解説者のセルジオ越後さんをお迎えしました。

セルジオ越後さん

ワールドカップ・ロシア大会まであと半年(2018年6月14日開幕)。6大会連続6回目の出場となる日本は1次リーグで、コロンビア(FIFAランキング13位)、セネガル(同23位)、ポーランド(同7位)とともにH組。すでに気の早いファンたちは予選突破に向けたシミュレーションが始まっていることでしょう。もちろん久米さんも期待と不安で胸を膨らませています。この組み合わせ、辛口解説でおなじみのセルジオさんはどうみているのか。

「日本代表は強くなっているんですか?」(久米さん)

「気持ちとしては日本代表のレベルは上がったと思いたいです。でも日本は、4年前も今もずっとポット4なんです。ということは、どの組に入ってもみんな格上の国だということです」(セルジオさん)

ワールドカップでは1次リーグで強豪国同士がぶつかって早々に姿を消してしまわないよう、出場32ヵ国をまず実力別に4つのポットに分けてから組み合わせ抽選が行われるのです。いちばん強い国々がポット1。いちばん弱い国々がポット4。日本はこのポット4からずっと抜け出せないでいるのです。つまりどのグループに入っても日本にとっては「死の組」になるというのがセルジオさんの主張。

「じゃあ、日本がポット4から抜け出すためにはどうすればいいですか?」(久米さん)

「世界の強豪国ともっと試合をしなきゃだめなんです。でも日本は前回のブラジル大会で負けてからこの4年間、世界の強豪国とはほとんど戦わず、興行的な試合ばかりやってきました。そのほうが日本の本当の実力よりずっと強く見せかけられる。お客さんも喜ぶだろうから、興行としてはそのほうがいい。サッカー協会はそんなふうに考えてるんじゃないかと思ってしまうような4年間でした。日本のメディアはそういうところをちゃんと批判しないとだめです」(セルジオさん)

「日本が強豪国とどんどん試合をやって、なんとかFIFAランキングを上げれば、日本より格下の国が出てくるわけですからね。なんとかポット4から出たい。これを“ポット出(ぽっとで)”と言います(笑)」(久米さん)

久米宏さん

セルジオさんは、日本代表というのは選手を強化するところではないと言います。選手を強化するのはリーグであり、各チームだというのです。ところが日本の場合、クラブチームが選手を育てるのではなく、小中高校の部活動が中心です。そこが海外とは大きく異なっているところで、「学校以外に選手を育てるところは日本にはない」とセルジオさん。

「これは日本にとってはすごいハンデを背負っていることになります。そう考えれば、日本代表はむしろよくやっていると評価したほうがいいんじゃないでしょうか。もし実力を上げたいなら学校中心の文化を捨てて世界の文化(クラブチーム中心)に合わせたほうがいいでしょう。これはサッカーだけじゃありません。日本に世界と戦える団体スポーツがないのは同じことが関係していると思います」(セルジオさん)

スタジオ風景

ここまでは日本サッカーの「強化」の話でしたが、セルジオさんは一方で「普及活動」も大事だと言います。日本ではどうしてもフィールドに立つ選手ばかりに目線がいきがちですが、選手以外の人々、つまりスタジアムに足を運んでくれるファンを一人でも多く作らなければプロスポーツは成り立たないからです。

セルジオさんは1972年、藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)に招かれてブラジルから日本に渡って以来、子供たちの指導に情熱を注いできました。当時はメキシコオリンピック銅メダルのブームも去って、日本のサッカー界はすっかり“不毛の地”という状況になっていたのです。1978年に始まった日本サッカー協会公認の「さわやかサッカー教室」(コカ・コーラが支援)がスタートすると、セルジオさんは専任指導員として20年以上にわたって全国津々浦々を回りました。教えた子供はのべ60万人以上。その中から、数多くのJリーガーや日本代表選手が育っていきました。あの三浦知良や中田英寿もその中にいたそうです。

「でも僕が誇りにしているのは、Jリーガーをたくさん育てたことじゃないの。選手にはならなかったけどサッカーが好きになって、のちにJリーグができたときに入場料を払ってスタジアムに応援に来る人が増えたことが誇りなんです。だって、いくら選手を育てたって、見に来るお客さんがいなければプロスポーツはありえない。日本は強化は根づいているけど、普及はまだまだ」(セルジオさん)

日本でサッカーがこれだけ盛り上がっているのは、40年以上にわたってセルジオさんが種をまき続けてきた影響がとても大きいんですね。

「でもね、サッカー教室で教えて、のちにJリーグでプレーするようになった選手たちが、引退して今、僕の解説の仕事を奪い取りに来てるの。そこまでは読めなかった(笑)」(セルジオさん)

セルジオ越後さんのご感想

セルジオ越後さん

久米さんがこんなにサッカーを愛しているって知らない人もいるかもしれないけど、ものすごく応援してますよね。ワールドカップでご一緒したこともありますけど、サッカーの話をしていると本当に生き生きしてる。今日も、日本はどうすれば勝てるかって聞かれましたけど、そういうところの情熱はサッカー界としてはすごくありがたいですね。日本サッカー協会もあの真剣さを見習ってほしいね(笑)。久米さんはサッカーファンになったのは遅いと言ってましたけど、遅い目覚めはこわいんですよ(笑)。

久米さんとしてはコーナーが30分じゃ足りなかったんじゃない。聞きたかったことがもっとあったんじゃないかな。僕はサッカーをあまり知らない人からも取材を受けることもあるんですけど、そういう人が相手だとこんなに弾けない。決められたインタビューみたいになっちゃう。久米さんとはサッカーの話が止まらない。でもそれが本当のサッカー環境だと思います。国民みんながもっといろいろ語りだしたら、日本のサッカー環境は素晴らしいものになるでしょうね。楽しかったです。ありがとうございました。

次回スペシャルウィークのゲストは、弁護士・明石順平さんさん

12月16日の「今週のスポットライト」には、『アベノミクスによろしく』(インターナショナル新書)が話題の明石順平さんをお迎えします。GDPが伸びた、株価が上がった、雇用が改善した、だからアベノミクスは成功している…はたしてそれは本当か? 様々な経済データから見えてくるアベノミクスの本当の姿とは?

2017年12月16日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20171216140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)