お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ

読み書き困難「ディスレクシア」の少年画家 ▼人権TODAY(2017年12月16日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で、8:20頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

周りも気づきにくい障害「ディスレクシア」

「ディスレクシア」とは学習障害の一つで、知的能力や知覚能力には異常がないにもかかわらず、文字の読み書きが困難な症状のことをいいます。日本では、人口の5%~8%がディスレクシアだといわれています。

ただ、日常会話は普通にできるので、人から言われたことは理解できるし、自分が思ったことを話すことはできるけれども、メモを取るとか、書いてあるものを音読するとか、そういうことが難しいんです。指が動かないとか目が不自由でもないので、発達障害の中でも見落とされがちな障害といわれています。文字を書く機会がなければ、周りの人は障害とは気付きにくいのです。

そんな「ディスレクシア」の障害がある中学生・濱口瑛士くん(15)は、学校の授業もよく理解でき、特に歴史が大好きで知識も豊富。そんな瑛士くんに、自分の障害や学校生活について聞きました。

濱口瑛士くん

とにかく字が覚えられないというところが一番苦手なところで、漢字とか複雑な文字なんていうのも全然覚えられない。書くとすると全部ひらがなで、自分以外読めないような字になりますね。まず作文とかを書いて、自分はこれがすごくいい出来の作文だなと思っても字が汚すぎるから、先生がおそらく読んでくれてないような感じがしました。テストは全然できなくて、漢字で書かないと減点になったりすることも多かったので、すごくテストの点は悪かったです。周りの子たちからは、相当勉強ができないヤツと思われていたし、授業で板書したものをノートに取る時にも、私だけノート半分しか取れなかったり、全然書いてなかったり、そういうことも多かったので、すごいだらけたヤツだなと思われていたと思います。

「障害」だから、努力してもできない

特に、画数の多い漢字の練習などは本当に苦痛で、瑛士くんは「ディスレクシアの人にとっては拷問」とも話しています。字を書くことに全神経を使うので、練習した漢字は一切覚えていないそうです。そういう宿題は時間がかかるので徹夜仕事になってしまうし、字が汚いのでクラスのみんなからは、いじめられる。先生からは「字を丁寧に書け」と怒られる。さらに「きちんと教育してください」と親まで怒られてしまう・・・などと、こんなつらいことがあったそうです。なので瑛士くんは「ディスレクシア」の障害について、周りの理解が重要だと話しています。

濱口瑛士くん

ディスレクシアっていうのは、普通に勉強ができないのと同じだと思って、「努力すればできる」って言われるんですけど、それが一番間違えていて、本人はすごい努力してるんですけど、それでもできないという所がやっぱり障害であって、どうしてもできないということだということを認識してもらうのが一番大切なところだと思います。

母親の園子さん

こんなにつらいってわからないじゃないですか。学校で自分がいくら努力してもできないことを、みんなできるようになっていく。自分はそれが全くできないって、自分はどこかおかしいんじゃないかって。ものすごい怖い思いをしたとか、そういう話を聞くと、引っ張って学校に行って、漢字を書かされて、で、覚えてないでつらい思いだけして帰ってくるっていうことをさせてしまったことは、ちょっと本人に悪かったなぁっていうふうに思います。

学校をあきらめ、好きな「絵」に注力

そして園子さんは、できないことに無駄に時間を費やすより、できることを伸ばそうと決めたそうです。それは「絵」です。
瑛士くんは、小学6年から学校に行っていません。いわゆる「不登校」です。家では毎日、絵を描いて過ごしています。今では、画家として活動していて、個展を開き、作品集も出版しているんです。
瑛士くんは文字を書くことは困難ですが「絵に救われ、社会とつながりを持つことができた」と話しています。

読み書きが難しい障害「ディスレクシア」。瑛士くんが学校で受けたようなつらい体験が減るように配慮が進むことを願います。

(担当:進藤誠人)

■濱口瑛士 公式ホームページ
http://eishi-hamaguchi.com/

■今回、放送した内容は、濱口瑛士くんの最新刊「書くことと描くこと ディスレクシアだからこそできること」にも掲載されています。興味のある方はご覧ください。