お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ

チョコレートのビターな話。フェアトレードを考える▼人権TODAY(2017年12月30日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・
“チョコレートのビターな話。フェアトレードを考える” です。

人権トゥデイ

みんな大好きチョコレート。その裏側には・・・

★深刻な「児童労働」を考える、チョコレートのビターな話

12月16日、東京都人権プラザ主催の「子供人権教室」の一環として、チョコレートの裏側を学ぶ子供向けのワークショップが開催されました。どんな内容なのか、講師を務めた、認定NPO法人・ACE(エース)の杉山綾香さんに伺いました。

認定NPO法人・ACE 杉山綾香さん
今日は、フェアトレードについて考える『おいしいチョコレートの真実』というワークショップをやりました。実は日本で輸入されているカカオ豆は、約8割がガーナ産です。ただ、カカオ豆を採取する作業にも子供が関わっていますし、カカオ豆を割って、実を取り出すという全ての行程で、『児童労働』が関わっている。甘くておいしいチョコレートの裏側に、そんな苦い現実があるということを、私たち消費者はなかなか知る機会がないですよね。ただ、他人事ではなく、実は遠い問題じゃないんだと考えるきっかけになれば良いなと思って、今日はワークショップをやらせてもらいました。
人権トゥデイ

ガーナ・カカオ生産地で働く子どもたち(ACEホームページより)

講義では、チョコレートの原料であるカカオ豆の生産地「ガーナ」などで、数十万人の子供がナタや農薬を使った危険な草刈りをしたり、自力で持ち上げられない重さの収穫物(カカオ豆)を頭に乗せて運んで首や肩を痛めたり、過酷な労働が強いられている現状を学びました。

★現実を知り、ショックを受ける日本の子供たち

一方の日本はというと、年間28万トン以上のチョコレートを消費する、世界第6位のチョコレート消費国。そんな日本に暮らす小中学生とその保護者向けに、児童労働のない公正な取引=「フェアトレード」についてに知って欲しいということで実施されたワークショップだったのですが、では実際に参加した子供達はどう思ったのか。感想を聞きました。

小学5年生・女子
5年生。バレンタインでいっぱい作るから、申し訳ないっていうか・・・。
小学5年生・女子
チョコレートのことは好きだったので興味はあったけど、ちょっと悲しい話もあって、少し気分はダウンしてる。日本の方が裕福。子供が働くのは変じゃないかな。
中学2年生・女子
中学受験の受験勉強してるときに、『フェアトレード』という単語だけが出て来て、お勉強の内容としての『フェアトレード』は理解したんですが、実際はどういう風になっているのか現状が分からなくて。私自身中学生ですが、社会のために小さなことでも出来れば良いかなと思いました。
人権トゥデイ

ワークショップで行われたパズル。カカオ農園で働く一家が、その収入でどの程度の生活必需品を買えるかを考えます

この日の参加者は、親子合わせて約20名。「総合」の授業でチョコレートの人権問題ついて学んだという子供、ただただお父さんに連れてこられた子供など様々でしたが、やはり、同年齢の子供が教育も受けられずに働かされていることに衝撃を受けていました。特に小学生の女の子たちは、「もうチョコレート食べられないかも」と落ち込み気味・・・。また、今回の最年長の参加者の中学2年生の方は、「将来、貧困や児童労働などの国際問題を解決する仕事に就きたい」という目標を持っていて、講師の杉山さんに質問したりと、とても熱心でした。

★「今の生活は当然のものではない」と学ぶ機会に

では、保護者はどう感じたのか。小学生の娘さんと一緒に参加していた母親に伺いました。

小学5年生のお子さんと一緒に参加したお母さん
日本の中でも格差があると思うんですが、彼女は習い事行ったり、食べたいもの食べたりすることが当然と思って育っている。だけど世界に目を向けて同じぐらいの歳の子が、学校にも通えないし、靴も履けないし、水も汲んで来ないとないような子もいるんだよ、ということを知ってもらうには、私から言うよりもこういうワークショップで皆で考えながらの方が自分の意見も考えられるし、良いかなと思って選びました。

この方は、先ほど「バレンタインでチョコレートをよく作るから、ガーナの人たちに申し訳ない」と話してくれた女の子のお母さん。「親の口から伝えるよりも、実際に皆と一緒に考えたり、意見を発表することで、理解を深めて欲しい」という思いから参加したそうです。他にも、「今まで色んなことを教えて来たけど、意外に自分よりも良く考えているんだな」というお母さんや、「子供から教わることの方が多い」と言うお父さんなど、親御さんにとっても発見が多かったようです。

★フェアトレードの商品を知るだけでも大きな一歩

ワークショップでは最後に、「フェアトレードの板チョコ」が参加者に配られました。こちらは、1枚50グラム378円(税込)。フェアトレード商品は他にも、コーヒー・紅茶・洋服など様々だが、やはり割高なのは否めません・・・。そこで、最後に、私達がすべきことを杉山さんに伺いました。

認定NPO法人・ACE 杉山綾香さん
やっぱりフェアトレードって高いですよね。何故かと言うと、作っている人達に『ちゃんとした賃金』が払われるようになるための仕組みなんです。安いものは、作っている人たちにちゃんとお金が行き届いていないので、その人たちが生活できるようにする為の正当な賃金が払われているという証拠になります。何か2種類、“フェアトレードのもの”と“そうでないもの”があるということを認識しただけでも、大きな変化だと思います。そこにプラスして、『フェアトレードのチョコレートを買ってみよう』と思ったら、それは児童労働を無くすための大きな一歩になるので、少しずつ出来るところから導入していってもらえたら良いなと思います。
人権トゥデイ

フェアトレードのチョコレート。下の方に、認証マークが入っています。

人権トゥデイ

杉山さんは、まず「今食べているものにはこういう背景があるんだ」と認識し、例えば人にプレゼントを贈るときにフェアトレードのものを選んでみたりと、無理のない範囲で取り入れて欲しいと話していた。そして、消費者ができることは限られているので、企業も消費者の声に敏感になる必要がある、ということです。

(担当:TBSラジオキャスター 田中ひとみ)
===================
認定NPO法人・ACE
http://acejapan.org/
===================